「幸福感」は気分ではなく遺伝子の働きのせい? 論文発表で物議

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人間の喜怒哀楽は、様々な化学物質と神経組織の関与によって起こることが定説になっています。
しかしながら、どうやら「幸福感」は、遺伝子の影響で起こるのではないかという説が発表され、科学者の間で物議を醸しています。

『journal of Happiness studies』に掲載されたこの論文の共著者ブルガリアのバルナ経営大学のミハイル・ミンコフによると経済的に豊かで、かつ、安全とは言い難い地域の人に、幸福感を感じるという人が多いことに着目。
たとえば、南米大陸北部とアフリカのサハラ南部は、殺人や強盗事件の発生率が先進国の比ではないですが、総じて先進国よりもリラックスしている人が多いことがわかっています。

著者らは、各国民の感覚的な幸福感を統計化したワールド・バリュー・サーベイ(WVS)のデータと、感覚的な快楽を増幅し、鎮痛を助ける作用があるとされる「アナンダミド」という物質を制御する特定の遺伝子変異の民族あたりの保有率を比較しました。

その結果、アナンダミドを制御する特定の遺伝子変異の配列がもっとも多いのはメキシコであり、ガーナ、ナイジェリア、コロンビア、エクアドルでも同様な傾向があったとされています。

また、ロシアやエストニアでも同様の傾向があることから、ミンコフ氏は、過酷で高ストレスな環境で耐えられるために、幸福感を得られる遺伝子変異が起きたのではないかと説明しています。

しかしながら、ロシアやエストニアはメキシコと同じように幸福感を感じやすい遺伝子変異が起きているものの、必ずしも幸福感を感じる人ばかりではないことがわかっています。

これに対して、ミンコフ氏は政治的な不安などが、遺伝子の働きより勝るからではないかと述べているようですが、人の感情を紐解く方法の一つがわかったという程度に留めておいたほうがよさそうですね。

※写真はイメージ足成より http://www.ashinari.com/2012/09/27-370773.php?category=265

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(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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