『メトロこうべ書道展』のセンスがシュールすぎる件について
昨年12月27日から神戸市の地下街、メトロこうべで開催されている『第三回「書の美」のなかま メトロこうべ書道展』。
日本書道研究会講師の指導のもと、地域の小中学生が地下道の柱に堂々たる筆跡を披露しているのだが、よく見ると熟語選びのセンスがなんともシュールなことに気付かされる。
たとえば小3の黒阪くんの手による「たそがれ」。
10歳にも満たずして盛者必衰の理をさとったかのようなセンスは秀逸だ。
『メトロこうべ賞』に選出されたのもうなずける。
中3の吉永くんの作品も興味深い。
「読書座談会」。
感動的な文学作品を読んだ若者たちが涙ながらにその内容について熱く語り合う光景がありありと目に浮かぶ……
が、僕は31年の人生でついぞそんな会に参加したことがない。
同じ中3、平井さんの「友好と協調」と繁山さんの「平和主義者」もそれぞれ絶妙な風刺性を発揮していて小気味いい作品だ。
しかし「平和主義者」はそれ自体たいへん素晴らしい言葉ではあるのだが、道すがら急に目に飛び込んでくると
「この平和主義者が!」
と罵られているような気分になってしまうのは僕だけだろうか。
まだある。
小6の繁山さんの「自己紹介」は
「字を見て私を判断してください」
とでも言わんばかりの泰然自若っぷり。
深い……深いぞ……成人してもそのままで居られたなら大政治家になりそうだ。
中2の前田さんの「創立記念日」に至っては
「ハイ、そうですか」
と言わざるを得ない。
乾杯、いや僕の完敗だ。
メトロこうべ書道展は1月10日の午後5時まで開催されている。
今回紹介したもの以外にも数々の傑作があるので未見の方は急ぎ足を運ばれたい。
メトロこうべ
https://www.facebook.com/metrokobe1968
神戸市兵庫区新開地および中央区中町通
各線新開地駅、高速神戸から
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(執筆者: 中将タカノリ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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