小沢氏、新党はつくらず「民主党が原点に帰るのがやりやすい」
民主党の小沢一郎元代表は2011年7月28日、自由報道協会主催の記者会見に出席し、菅直人首相の進退ついて「岡田幹事長や執行部、その他の支持されている方も、『(菅首相が)お盆前にやめる』と言っているので、当面は見守る」と発言した。また、なぜ民主党を出て新党をつくらないのか? という質問に対しては、「最も効果的・効率的に考えれば、民主党が本来の原点に帰るのが一番やりやすい」と述べ、新党をつくらず、民主党が国民の信頼を取り戻すことが大事であると強調した。
小沢氏はこの日、『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者でオランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏と対談。原子力政策、菅首相、検察、そして金融などさまざまなテーマについて、日本人の特性と日本社会への見解を織り交ぜながら、語り合った。そして、その直後の記者会見で
「民主党への期待は地に落ちて、もはやこのままでは(次期)総選挙の惨敗は火を見るより明らか」
と現政権を批判。菅首相の進退問題については
「岡田幹事長や執行部、その他の支持されている方も、『(菅首相が)お盆前に辞める』と言っているようだ。辞めると言っているのに、辞めさせるのも変なので、当面は見守る。それも全然話が違って辞めないということであれば、それは民主党議員全員が深刻に考え、決断すべき」
と語った。その一方で
「震災という大危機、非常時のときは制度を変革する最大のチャンス。それをやり遂げれば国民の信頼は戻る」
と持論を述べ、地方分権システムの確立や、政治家主導の政治の実現を、今こそなすべきであると主張した。また記者からの「日本に危機感を持っているのになぜ民主党を出て新党をつくらないのか?」という質問に対しては、
「(衆議院の)過半数を取って初めて政策が実行できる。考えられる枠内で、最も効果的・効率的な方法を考えるとすれば、民主党が本来の原点に帰るというのが一番やりやすい」
と新党はつくらないことを明言。民主党が国民の信頼を取り戻すことを重視し、国家主導の迅速な原発事故対応や、マニフェスト継続の努力などが必要であると述べた。
(岩本義和)
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