『EDGE 鬼背脂とんこつ醤油ラーメン』スープにクリスタルなヴェールをまとわせる行き過ぎ系最新作!

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ブラは多ければ多いほど良いというのがラーメン業界の鉄則。特に「背脂」と聞いた時の反応はブランド愛好者が「ヴィトン」と聞いた時の反応に近い。エースコックの『EDGE 鬼背脂とんこつ醤油ラーメン』(140gうち麺65g・希望小売価格 税抜260円・2015年12月7日発売)はそんなアブラーに対する挑戦状のようなやり過ぎカップ麺だ。

 

そもそも背脂とは豚の背中、ロースの上に乗っかっている脂肪層で、ラードともいう。ガツ盛り系のラーメン店などでは、わざわざ後からこの背脂をかけてサービスしてくれるところも多い。そんな過剰なアブラ接待に慣れている人にとって、カップ麺のアブラ感は確かに物足りないだろう。

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しかしそこをあえて挑戦してきたのがエースコックの「EDGE鬼背脂とんこつ醤油ラーメン〜アブラたりてます?」で、すでに2014年末に発売されていたもの。その段階でも充分なアブラ量だったのだけれど、きっと誰かが余計なことを言ったに違いない。一年経ったこの時点で、エースコックが投入したのはさらに2割のアブラ増量を実現したハイパーバーション。正直食べて大丈夫か心配になるくらいのレベルだが、意を決して食べてみた。

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前作同様一つに収まらなかったアブラの小袋は2つ。ずっしりとした重量に怯える。「アブラ? ああ、コラーゲンね」と都合よく解釈する人もいるが、アブラはアブラ。ヘヴィなことに変わりはない。

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カップ内部にのぞくのは存在感のある太麺タイプの油揚げ麺。かすかに色づいているのはすでに麺自体に味付けがあるから。そこにかやくとして参入するのはシャキシャキとした食感の良いキャベツ、あげ玉、ねぎ、唐辛子。キャベツ以外は明らかに存在感のないメンツ。やはり主役は背脂なのか。

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湯入れして4分間待機。正直フタの上に載せきれないアブラ袋2種。存分にあったまることなく時間切れ。事前に粉末スープを溶かしてあるので、調理後にフタをめくっても充分豚骨スープのドロっと感がしている。そこに小さい方の後入れアブラを入れるとサラサラのアブラがまずカップに。それで充分こってり感も出ているのだが、最後に大きい方のアブラを投入。うわ、これはすごい。2つの小袋が温めきれなかったため、若干スープ温度が下がってしまったのが気になる。

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麺をほぐすためにかき混ぜても表面にアブラの透明な層ができている。濁った茶色の豚骨醤油独特の罪深い色味の上にクリスタルな輝き。まずは一口スープをすする。最初に入ってくるのがアブラの層ということを考えなければ、普通に美味しいラーメンスープ。ガーリックの風味が食欲をそそる濃いめの味わいは今どきだ。

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スープはドロドロ感を出しているが、それはあげ玉のせい。それを除けば結構飲みやすい部類の旨味のきいたスープと言える。対する麺はブチッとした噛み応えが頼もしい弾力満点タイプ。スープと一緒に味わうと、決してキテレツではない本来の旨いラーメンだ。

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実はこの『EDGE鬼背脂とんこつ醤油ラーメン〜アブラたりてます?』の20%アブラ増量タイプ、アブラは増量しているが麺量はそのままなので、意外とすぐに完食してしまった。アブラが効いていて滑りがいいのか、口内にどんどん麺が入っていくのだ。

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ただかやくは少々物足りない。あげ玉は溶けてしまうので存在感のあるのはキャベツだけ。アブラを散々投入しながら、本来の肉に関してはチャーシューさえも入っていない。肉のアブラが好きな人は肉も好きなのだと思うのだけれど。

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とはいえアブラーの人にとっては純粋にアブラの旨味が味わえるので良いのかもしれない。記者としてはこれに実体あるチャーシューが加わってくれたら言うことないのだが。

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さて本格アブラーの方々はこれでもまだ物足りないと言うのだろうか。また次の年にさらにアブラ増量をさせようというのか。ちょっと聞いてみたいものである。

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