フランスで見た韓国の武術「ハイドン・グムド」

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韓国のマーシャル・アーツ「Haidong Gumdo」。演武では蹴り技も使う。

 JapanExpo2011と併催されたComic Conで2011年6月30日から4日間、剣を用いる韓国のマーシャル・アーツ「Haidong Gumdo(ハイドン・グムド)」のデモンストレーションと体験会が行われた。そこで、剣道を学んだことがあるというフランス人男性に体験会へ参加してもらい、剣道との違いについて聞いた。

■10年の山ごもりの末に完成 競技人口は300万

 会場で配られた資料によれば、ハイドン・グムドはかつて朝鮮半島北部にあった高句麗の兵士のあいだで使われた武術が基になっているという。それを西暦595年から673年頃、キム・ヨウシン将軍が体系的にまとめたとされる。その後、永らく途絶えていたが1960年代、キム・ジョンホ氏が10年間の山ごもりの末にマーシャル・アーツとして完成させ、創始者となった。現在、全世界で300万人がハイドン・グムドを楽しんでいるという。

 ハイドン・グムドについては、インターネット上で「韓国剣道」と表現されたことから一時話題になったが、会場ではそうした言葉で紹介されることはなかった。木刀を用いることや道着の意匠などは確かに剣道と似ているが、異なる点がいくつもあった。その一つが「帯」で、ハイドン・グムドでは、道着に柔道着や空手着のような帯がある。初心者は白帯で、上達するにつれ黄、緑、茶、赤、黒と変化するという。

 会場ではまず、赤帯を締めた選手が中心となってデモンストレーション(演武)が行われた。演武では蹴り技や前まわり受け身の要素があるなど、ここでも剣道との大きな違いが見られた。

【ニコニコ動画】Haidong Gumdo(ハイドン・グムド)の演武

■剣道の経験者が語る「違和感」

つま先を内側に向けて立ち、剣を振る「ハイドン・グムド」

 演武ののち、来場者が木刀を握り実際に体験する機会が設けられた。剣道の有段者(二段)だというフランス人男性に体験会に参加してもらい、剣道との違いについて聞くと「不思議に感じるところが大きく分けて2つあった」と語った。

 まず1つ目は「両足の置き方」だという。ハイドン・グムドでは両足を横に並べたうえで、つま先を内側に向けて立つ。男性は「これでは膝を曲げることが難しい」という。膝が曲げられなくては、とっさに前後に移動できないというのだ。もう1つは、両腕のひじを伸ばした形で木刀を振る点だという。「剣道では力を抜いて竹刀を構え打ちに出るとき瞬間的に力を入れるため80歳の老人にもできるが、常に力を入れるハイドン・グムドは若い人にしかできないだろう」と男性は分析した。

 男性はまた、「あくまでも個人的な考え」と前置きしたうえで「ハイドン・グムドには剣道の古い流派の『型』に似た動きが見られた。それを実戦で用いようとしているため、動きに無理が生じているのでは」と語り、精神的な側面についても「剣道のように蹲踞(そんきょ)や刀を鞘(さや)に収めるしぐさがないため、私たちから見ると違和感があった」と感想を述べた。

(土井大輔)

◇関連サイト
・[ニコニコ動画]Haidong Gumdo(ハイドン・グムド)の演武を視聴 – 会員登録が必要
http://www.nicovideo.jp/watch/1310987905?po=news&ref=news

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