“実家の相続” どう切り出した? 196人の声
いつかは親と相談しなくてはならない相続のこと。だが、なかなか切り出しにくいのも確かだ。親が元気なうちに話し合っておくのがよいとわかっていても、まだ元気な親にイヤな顔をされてしまわないだろうか、など悩むところだ。そこで『「親と実家」を考える本』編集部では、体験者の声を聞いてみた。その一部をここにも紹介するので、参考にしてほしい。
テレビ番組や雑誌の記事がきっかけになることも
今回声を聞いた人の中で、すでに親と相続の話をしたという人は62%。その回答の中で最も多かったのは、身内の病気や不幸などがきっかけになったというものだ。やはり自然な流れというべきか。だが一方で、ふだんの会話の中から上手にきっかけをつかんだ人もいる。テレビや雑誌の記事をきっかけに話を切り出した人がいたり、帰省時に何げなく将来のことを話してみたり。また、家の購入やリフォームも親に生前贈与をお願いするきっかけとなるので、その際に先々の相続まで話をもっていきやすいようだ。
【図】親と相続について話し合ったきっかけは? (「親と実家」を考える本 by SUUMO)親の病気がきっかけになった、具体的な数字を提示したら親の意識が変わった
では、実際の投稿からピックアップして、いくつか紹介しよう。
■親が病気がちになってから、自然と相続の話に
「親が年をとってから病気がちになり、しきりに先のことを心配するように。とうとう葬式は近親者だけで家族葬にしてほしいと言い出しました。そこで、自然な流れで、将来この家や財産はどうするの? と切り出しました」(静岡県Tさん)
■テレビ番組がきっかけで、わが家のことに気づいて
「テレビで相続の話をしていて、母はあまり興味がなさそうでしたが、私は気になっていたので、この家はどうするの? と聞いてみました。それでようやく、母も自分のこととして考えてくれるようになりました」(三重県Sさん)
■家の評価額を調べて教えてあげたのがきっかけ
「親がまるで相続に関心がなさそうだったので、自分で家の評価額などを調べて、親に教えてあげました。そうしたらようやく実感してもらえたようで、向こうから相続の話が出るようになり、お互い真剣に話すようになりました」(茨城県Mさん)
■家を買うときの生前贈与がきっかけに
「家を買うときに頭金が足りなかったので親にお願いしてみました。そうしたらいくらか贈与してくれることになり、その流れで、将来の遺産分割の話まで進みました」(神奈川県Nさん)
■「この家はどうするの?」という問いかけが効果的
上に挙げた以外にも「一人暮らしの父がケガをしがちになったので老人ホームを勧めたのがきっかけ」、「親が老後の収入を心配し始めたので、実家を貸して同居しようと切り出したのがきっかけ」などの声が。親が今住んでいる家を話題にするのがきっかけになりやすいようだ。「将来もっと年をとってもこの家に住み続けるのか?」「同居するつもりはないのか?」と聞くことから始めるのが効果的だろう。例えば同居する意志を示したとしたら「ではこの家はどうするの?」と話を進めやすい。
『「親と実家」を考える本 by SUUMO』では、196名に調査した親への相続の切り出し方をはじめ、相続の基礎知識や相続対策例なども紹介している。親が元気なうちなら、幅広い選択肢の中から家族にとっての最善を選択できる。「将来親の介護どうしよう」「実家は誰が受け継ぐんだろう?」などと少しでも気になりはじめたら、相続に関する知識をつけはじめるといいだろう。
ライター 林直樹
取材協力 ミルトーク、実施時期:2015年7月15日~7月29日、10月2日~10月20日、掲示板への投稿者:196人
●「親と実家」を考える本 by SUUMO
12月10日に発行する『「親と実家」を考える本』では、将来、実家を空き家にしないための相続対策や、一般家庭での相続について、家族での話の進め方などを紹介しています。お求めはお近くの書店とWeb書店から。
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元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/12/10/102413/
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