マンガ『1/11』に学ぶ、挫折を乗り越え、理想に近づくために大切な言葉――大事なことは全部マンガが教えてくれた
©中村尚儁/集英社
「マンガ」のあるシーン・ある言葉に、ハッと気づきを与えられたこと、勇気づけられたことはありますか?
普通に仕事をしているだけでは、なかなか気づくことのできなかった考え方など「マンガから学べた!」ってこと、あると思います。
そんな仕事に&人生にジンジン効いてくるマンガの1フレーズを紹介するこのコーナー。
今回は、サッカーを舞台に1話完結型で人間模様を描く絶大な人気を誇ったマンガ『1/11』(©中村尚儁/集英社)より、挫折を乗り越え、理想に近づくために大切な言葉をご紹介します。
一度の挫折で、すべてを諦めていませんか?
夢や憧れ、自分の思い描いた理想に近づくために努力を重ねても、すべてがうまくいくわけではありません。自分が描く理想をかなえた人や、夢をかなえた人も、その過程で一度や二度の挫折は経験していることでしょう。
そんな、挫折を乗り越え、理想に近づくために大切な1フレーズがこちら!
“理想に辿り着けるのはきっと、理想の道筋を辿ってばかりの人間じゃない。
どんなに理想から外れても、どんな場所にいても、それでも理想を追い続けられる人間が、その理想に近づけるんだ”
©中村尚儁/集英社
医者への道を諦め、サッカー部員へ
「ハカセ」こと加瀬 博樹は、子どもの頃に重たい病気にかかり、医者である伯父に命を救われます。その経験から、医者になることを目指し、中学生のころから勉強ひとすじのガリ勉生活を始めます。
しかし、2度の高校受験に失敗。高校浪人を選ぶこともできず、公立の進学校へと進むことに。その高校から大学病院への進学に成功した前例はなく、加瀬は医者になる夢を断念します。
そんな時、同じ高校でサッカー部を立ち上げようとしていた安藤に出会います。安藤の熱意に触れ、サッカーを始めた加瀬は、徐々にサッカーにのめり込み、いつの間にか新しい生き甲斐になっていきます。そして、新しい夢として、いつかゴールを決めたいという想いを抱くようになっていきます。
今いる場所がどこだとしても、夢は変わらない
ある日、練習試合に向かう途中、安藤に出会った加瀬は、不意に安藤に質問を投げかけます。進学校に来てまで熱心にサッカーをやっている、その理由についてです。
安藤の答えは、プロになって、そしていつか、世界で一番レベルの高い大会であるチャンピオンズリーグで優勝したい、そんな選手になりたい、というものでした。
その言葉を聞いた安藤は、怒りの混じった表情で「そんなの無理だ」と否定します。そんな選手になれるなら、サッカーの強豪校にいなければいけないはず、なのにサッカー部自体なかったような高校に進んだ安藤は、理想から外れた道に進んでいる。であれば現実を見なきゃいけないはずだ、と。私立の高校受験を失敗し、夢を諦めた自分の姿を重ねて、加瀬は安藤にそう迫りました。
そんな加瀬に安藤は答えます。「俺の夢は変わらない。今いる場所がどこであっても、目指す場所は変わらないよ」と。
理想に近づけるのは、どんな状況でも理想を追い続けられる人間
強豪校との練習試合、加瀬はサイドバックとして先発します。守備を固めていく、というゲームプランが最初は機能していたものの、この調子でいけば!と思った瞬間、加瀬のサイドから崩されてついに失点をしてしまいました。
自分のせいでチームのプランを崩してしまった、そう思った加瀬はミスができないという思いに縛られ、チャンスの時でも攻め上がれなくなってしまいます。
そんな中、相手のカウンターが発動。守備に専念していた加瀬は、相手のセンタリングを弾き返そうと必死に足を伸ばします。しかし、加瀬の足をかすめたボールは、何とそのまま自軍のゴールへと吸い込まれ、まさかのオウンゴールとなってしまうのです。
2度目の失敗。加瀬の脳裏には、2度の受験に失敗したときの絵が浮かんできます。
「こんな状況じゃもう、諦めるしか―――」
そう考えそうになった瞬間、安藤がミドルシュートで1点を返します。まだ諦めるな、顔を上げろ、俺たちはやれると叫んで。
その姿を見て加瀬は悟るのです。
試合は残り時間わずか。安藤たちは、相手ゴール前でフリーキックを獲得します。
残り時間を考えても、これがラストチャンス。どう攻めるかを考える安藤たちの視界に、サイドから駆け上がる一人の選手の姿が飛び込んでいます。迷わずそこへ向けて放たれるボール。相手のマークの死角からそのボールに飛び込んだのは、加瀬でした。必死に伸ばした足はしっかりとボールを捉え、ついに加瀬はゴールを決めるのです。
ドタン場で追いついた試合後、得点を決めた加瀬をみんなが囲みます。
そんな喜んでいるみんなの顔を見ながら、加瀬は心に決めた決意を語り始めました。
その決意とは、サッカー部を辞めるということ。
安藤の姿を見て、自分から諦めなければ、まだ夢はかなうかもしれないと思った加瀬は、小さい頃から夢見た医者への道を、再び志すことにしたのです。
加瀬の決意を知った安藤は、それを受け入れます。並大抵の努力では叶えられない夢であっても、加瀬は今日、ゴールを決めるという一つの夢を叶えた。だから、本当の夢もきっと叶えられる。そう、背中を押して。
「みんな、今までありがとう。みんなとサッカーやったことは絶対に忘れない。挫けそうになったらすぐに思い出すよ。
みんなと、サッカーやったことを。
そして、そんなみんなとのサッカーよりも、自分の夢を選んだことを」
©中村尚儁/集英社
そう言って加瀬は、サッカー部を辞めていったのでした。
夢が大きければ大きいほど、一度も挫折を経験せずに叶えることは難しいこと。理想のルートを辿って、理想に辿り着ければ文句はありませんが、大切なのは理想に「辿り着く」こと。一度や二度の挫折ですべてを諦めてしまうのではなく、その道のりが例え理想的でなかったとしても、最後まであきらめないこと。そうすれば、いつか挽回できるチャンスが訪れるかもしれません。
>>『大事なことは全部マンガが教えてくれた』シリーズ
監修:リクナビネクストジャーナル
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