細野原発相、保安院と文科省の職員もスタッフに 「原子力安全委員会の出番も作る」
菅直人首相の肝いりで2011年6月27日、原発事故収束・再発防止担当相に就任した細野豪志氏。今後の原子力行政を担うポストだけに、海江田万里経済産業相との役割分担や権限、態勢をめぐって、期待と不安の声が交錯している。
細野原発担当相は、7月1日に行われた政府・東京電力統合対策室の合同記者会見で、大臣になったメリットとして「原子力委員会、原子力安全委員会の所管大臣となった」ことを掲げ、「海江田経済産業相と今調整をしている」として、原子力安全・保安院からもスタッフを迎え入れることを明らかにした。現在文部科学省で行っている環境モニタリングに詳しい職員も配置する予定。
また原子力安全委員会については、「政治的に介入することはない」との前提を述べた上で、「さまざまな活躍の場面、専門機関としての出番をしっかりと作っていくことができるのではないか」と語り、原子力安全委員会のあり方についても踏みこんでいく考えをにじませた。
細野原発担当相とニコニコ動画記者(七尾功)との一問一答は以下のとおり。
七尾記者: 具体的に大臣が仕事を進めていく上での、原子力に詳しい事務方のスタッフィングは進んでいるのでしょうか。それともこれから集めることになるのでしょうか。
細野原発相: 今、鋭意やっておりまして、少しずつ形になりつつあります。私は首相補佐官からやっておりましたので、いろんな関係の方と顔見知りになっております。大臣になりまして、ひとつメリットは、原子力委員会と原子力安全委員会の所管の大臣になりましたので、そこにも相当の専門家が委員の方以外にもおられます。そこから直接さまざまな意見を聞けるようになったのは、メリットだと思っています。
当然このプラントの収束ということを考えれば、原子力安全・保安院の皆さんの知見というのは、私としてはしっかりと吸収しなければなりません。そこのスタッフを、私のもとでどのくらい使えるのかということについて、海江田大臣と今調整をしておりまして、ほぼ形が見えてまいりました。あとはモニタリングで言えば、文部科学省ということになるわけですけれども、そこからも何人かスタッフをと思っておりまして、原発収束ということではほぼ態勢は見えてきたかなと思っております。
七尾記者: 原子力安全委員会の役割は、独立した組織として(関係省庁の)助言の要請に対して応えるということだと思います。再三、斑目委員長もそのようなことをおっしゃっているわけですが、一般的には、もう少し原子力安全委員会に発言力というか、出てきてもらって活躍していただきたい、という声も一方ではあるわけです。これについて大臣はどうお考えでしょうか。
細野原発相: 大臣になりましてから、斑目委員長ともお話しをしましたけれども、原子力安全委員会の皆さんはそういう意識を強く持っているな、という印象を受けました。ですから、もちろん原子力安全委員会は独立しているというのが大きな特徴ですので、政治的に中に介入するということは私は全然する気はないんですけれども、(原子力安全委員会の)さまざまな活躍の場面というか、そうした専門機関としての出番をしっかりと作っていくというような、大臣としてのさまざまな態勢というのは、作ることができるのではないかと思っています。
(七尾功)
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