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今週の永田町(2015.11.3~11)

【閉会中審査、野党は高木大臣の疑惑を追及】

今週10日、衆議院予算委員会で、安倍総理はじめ関係閣僚出席のもと、閉会中審査が行われた。また、11日には、参議院予算委員会で閉会中審査が行われた。自民党や公明党は、日米など交渉参加12カ国が大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉のプロセス・大筋合意の内容・国内対策、日韓関係など外交課題などについて安倍総理を質した。

一方、民主党など野党側は、複数の問題が浮上している高木復興担当大臣を追及した。高木大臣をめぐっては、自身が代表を務める自民党支部と資金管理団体が、公職選挙法で禁じている選挙区内の葬儀での香典・枕花代の支出を政治資金収支報告書に記載していたことや、週刊誌記事が掲載した過去の窃盗疑惑、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の事業を請け負う地元企業からパーティー券購入のかたちで資金提供を受けたことなどが指摘されている。これら以外にも、通常国会で成立した安全保障関連法の撤回や、米軍普天間飛行場移設問題、原発再稼働問題、TPP交渉の大筋合意を受けた政府の対応、安倍総理が重要政策に掲げる1億総活躍社会・新3本の矢などについて質していたが、論点が絞りきれないまま、国会論戦は深まらないままだった。

 

高木大臣の政治とカネをめぐる問題について、民主党の柚木道義・衆議院議員が、2012~13年に党支部が支出した香典支出8件(16万円)のうち、高木大臣が通夜までに弔問していない事例が少なくとも3件あり、公選法違反の可能性があると指摘した。そして、「2013年のケースでは代理の方が香典を持参したとしており、事実なら違法かつ、高木氏の発言は虚偽になる」などと追及した。高木大臣は「いずれも私が弔問に行き、私費で香典を渡したのは間違いない」と改めて違法性を否定した。また、後援会の資金管理団体が11~12年に選挙区内の葬儀で支出した枕花代2件(2万4000円)については「今回、マスコミから指摘を受けて初めて知った。厳重注意した。二度と起こらないようにする」と事実関係を認めて釈明した。

 パーティー券をめぐっては、具体的な時期や金額、閣僚在任中のもんじゅ関連企業からの資金受領を自粛するか否かなどには言及せず、「私の政治姿勢、復興担当大臣の仕事に影響を与えることは一切ない」と主張した。窃盗疑惑も「そうした事実はない。選挙のたびにそういう噂が出ているのは承知しているが、なぜ出ているか承知していない」と全面的に否定した。

 

高木大臣は、2日間の閉会中審査で「しっかりと説明させていただいた」と強調し、「職責を果たしていくのが私の責任だ」と大臣辞任を否定した。しかし、民主党などは、高木大臣の国会答弁は「虚偽ではないかとの疑念も湧いている」(民主党の高木国対委員長)、「全く説得力に欠けたものだ」「きちんと説明責任を果たせないなら、閣僚として適切ではない」(民主党の枝野幹事長)など、いまだ疑惑が払拭されていないと納得していない。衆議院予算委員会で追及した柚木議員は、河村衆議院予算委員長に、高木大臣・関係者の証人喚問や、窃盗疑惑に関する警察資料の提出などを要求している。

また、高木大臣の疑惑以外にも、政治とカネ疑惑が浮上した森山農林水産大臣や馳文部科学大臣、公職選挙法違反(寄付行為)にあたる可能性が指摘されている島尻沖縄及び北方担当大臣らの疑惑もある。野党側は、新閣僚の疑惑も引き続き徹底追及していく方針だ。疑惑が深まれば、安倍総理の任命責任を追及することも視野にいれている。

 

 

【安倍総理、「攻めの農業」重視の対策を強調】

 TPP交渉の大筋合意を受け、政府が11月25日にも決定するTPP対策大綱について、安倍総理は、10日の閉会中審査で「農家の不安に寄り添いながら、政府全体で万全な対策を取りまとめ、実行していく。農業を成長産業化にし、夢のある分野にしていきたい」との決意を改めて示した。

1993年の関税・貿易一般協定のウルグアイ・ラウンド合意を受けて対策費はバラマキ予算だったとの批判があることも踏まえ、「今回の対策では絶対にないようにしたい」「バラマキと批判を受けることがないよう、成長産業化に真に必要な対策を取りまとめる」と述べた。そして、「世界に誇るおいしくて安全な(日本の)農産物は、まっとうに評価される。世界のマーケットが広がっていくわけであり、政府も支援しながら、輸出を進めていきたい」「輸出促進や6次産業化の推進などにより、農業者の所得向上をめざしていく」「日本の質の高い農産品に対する関税、障壁がなくなる。チャンスとして生かし、しっかり予算をつけていく」などと、担い手の育成や農地集積など国内農業の体質・競争力の強化、6次産業化など農産物の付加価値化・農産物の輸出拡大など「攻めの農業」に重点を置いた対策とすることを強調した。

 

また、安倍総理は、TPP交渉の大筋合意の内容が農産物の重要5項目(米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖など甘味資源作物)の保護などを求めた2013年国会決議に違反しているのではないかとの声があることについて、国会決議に即しているか否かは国会の判断としながらも、農林水産品の関税撤廃が日本を除く参加11カ国が98.5%に対して日本が81%にとどまっていることや、2割を例外なき関税撤廃の外におくことができたことなどを挙げて、「交渉参加の際の約束を守ることができた」「国会決議の趣旨に沿う合意を達成できた」と理解を求めた。農産物重要5項目への対策は、畜産の継続・発展のための環境整備を検討するなかで畜産農家の赤字の8割を補填する経営安定対策事業の法制化や国による補填割合の引き上げを検討するなど、「品目ごとの合意内容に応じた適切な措置を検討していく」(森山農林水産大臣)という。

 さらに、協定条文案に関税撤廃時期の繰り上げの規定や、締結国から要請などがあれば協定発効3~7年後に関税内容を見直すための再協議を行う規定が盛り込まれており、農産物重要5項目も含め、更なる自由化が迫られることになるのではないかと懸念する声が出ていることに対し、甘利経済再生担当兼TPP担当大臣は「(見直し規定は)どの通商協定にも定番で入るもの。発効する前に仕切り直しというのは全く別の話で、アメリカ政府もそんなことはできないといっている。日本も応じない」と、必ずしも条文の見直しを意図したものでなく、関税削減・撤廃の前倒しや撤廃品目の追加には応じられない姿勢を強調した。日本は、5カ国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・チリ)と相互に結んだ関税の扱いに関する付属文書で、協定発効から原則7年後か第三国と経済連携協定を結んだ場合、締結国の要請があれば再協議できると規定している。

 

自民党と公明党は、関税削減・撤廃に伴う影響を受けやすい農林水産業を中心とした国内対策を11月中旬にもとりまとめるため、それぞれ具体的な対策案の検討作業をスタートさせている。自民党は、6日から3日間、7道県計15カ所で大筋合意内容や政府方針などの説明、関連団体・生産者への意見聴取などを行う「TPP地方キャラバン」を、9日から農林水産戦略調査会(西川会長)・農林部会(小泉部会長)の合同会議を連日開催して、農林水産関連団体などへのヒアリングを実施している。公明党もTPP総合対策本部(総合本部長:井上幹事長)・農林水産業活性化調査会(会長:石田政調会長)・農林水産部会(上田部会長)らの幹部と農家との意見交換を9日までに行った。

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霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

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