「菅総理はどれくらい放射能が出ているのか常に気にしている」 細野補佐官
東京電力は2011年6月17日、政府・東京電力統合対策室の合同記者会見で、2度目の改訂となる福島第1原発事故の収束に向けた工程表を発表した。細野豪志首相補佐官はこの会見で、菅直人総理の言う原発事故の”一定のめど”となる『冷温停止』の時期について、前回の工程表から変更なしの「10月の半ばから(翌年の)1月の半ば」と明言した。また同補佐官は、「常に総理が気にしているのは、どれくらいの放射能が出ているのかについて」であり、「できるだけ早く示すことができるように」と総理から指示を受けていることを明らかにした。
細野豪志首相補佐官とニコニコ動画記者(七尾功)との一問一答は以下のとおり。
七尾記者: 菅総理は6月2日の会見でわれわれの質問に対して、「ステップ2が完了して放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止という状態になる。そのことが原子力事故の一定のめどだ」とご発言されました。この時点の総理の発言は1ヶ月前の工程表に基づくものだったわけですが、今回のロードマップの見直しで言う「冷温停止」の時期は、政府の認識として、前回から変更はないという理解でよろしいでしょうか。
細野補佐官: (うなずく)
七尾記者: そうしますと資料の書き方がちょっとわからないんですが、この(新しい工程表では)何月から何月の間で「冷温停止」にもっていく予定でしょうか。
細野補佐官: ステップ1からご説明した方がわかりやすいと思いますが、ステップ1が4月17日から3カ月ですので、7月の16から17日の半ばあたりがめどとなるわけです。ステップ2はそのステップ1が終了してから3ヶ月から6ヶ月ということですので、10月の半ばから1月の半ばがステップ2の達成のめどということになります。
七尾記者: 今回見直しされた工程表は細野さんから総理にお示しされているのでしょうか。そこで何かお話はございましたでしょうか。あと一点は統合本部の事務局長として今回の工程表に対する納得度についてはいかがでしょうか。
細野補佐官: まず総理に対しては昨日の夕刻説明いたしまして約1時間弱ですか。40分から45分くらいだったかと思うんですが、それくらいかけて当面の冷却機能の安定などについて説明をして、ご納得をいただいたというふうに思います。
もう一点のロードマップに対する納得度ということなんですけれども、現実的には日々の作業をほぼ政府と東京電力は共同作業でやっておりまして、全面的なバックアップでやっておりますので、いきなりこのロードマップを見ているわけではないんですね。そういう意味では日々の進捗をすっと見守っておりますので。現場の皆さんは本当によく頑張られたと思います。
本当に今日循環注水冷却が達成できていないのは残念だという思いはあるのですが、現場の頑張りはぜひ皆さんにわかっていただきたいな、とそんな思いでございます。したがって今の時点でこのロードマップになっていること自体は政府としては・・・というよりは私としては、ということになるんでしょうか、納得はしております。
七尾記者: 今細野さんが言われたことと重なるような総理のご発言はなかったのですか。
細野補佐官: わりと技術的な話が主でしたので、特に・・・。常に総理が気にしているのはですね、どれくらいの放射能が出ているのかということについて、しっかりこれを見極める必要があるんじゃないかという話が総理から出ておりまして。そういったことを「できるだけ早く示すことができるように」というのが、ひとつ印象に残った言葉でございまして。われわれとしてもそれは重く受け止めて、数字を示すことができるように努力をしたいというふうに思っております。
(七尾功)
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