【モノ・マガジンのデジカメ報告No.4】エントリークラスとゆめゆめ侮ることなかれ! 『ニコン D5500』

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モノ・マガジンのデジカメ報告No.4

本稿は1982年創刊モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス刊)好評デジカメ連載『写真家:織本知之のデジカメナウ』や『電子寫眞機戀愛(デンシシャシンキレンアイ)』を気まぐれに、順不同に、電脳スペース上に移植したものである。または、カメラ片手に世の森羅万象を記録せんと闊歩する電磁カメ戦士たちにおくるラブレターでもある。

写真家:織本知之のデジカメナウ『ニコン D5500』

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「そろそろ一眼レフにしたいのだけど、どこのなんていうカメラが良いのかひとつふたつ教えてよ!」カメラマンという商売を長くやっているとまあこういった質問を投げつけられることといったら。

「隣人と垣根のことでちょっとモメてましてね、土地の境界のことでひとつふたつアドバイスを……」って弁護士に相談したら30分でいくらとられるって思ってるんだ? あ?

「どうもめまいが収まらなくて、どうでしょうMRIでひときれふたきれ輪切りで画像診断を……」って人間ドック一泊二日したらいくらとられるって思っているんだ? え?

ただでプロのアドバイスを受けれると思ってんのか? 世の中にコンサルティングっつうのがどれだけいると思ってんだ? そんな了見だからお前さんはいつまでたっても……なんて文句は言いません。オトナですから。

ただね、もうすこし職業写真家という職種に敬意を払ってお茶の一杯、カステラのひときれでも出しながら『ところで目利きのお前さんのことだ、最近のデジ一眼の中でカメラ振りのいいやつなんかに心当たりが……』なんて粋に聞いてくださればいいんです。

そうすれば『そうすね。普請は総体檜造り、天井は薩摩の鶉木目、畳は備後の五分縁、左右の壁は砂ずり……カメラはニコンのD5500でトドメでありましょうなあ』なんてえ気の利いたお答えのひとつもできるっつうもんです。

本体のみで約420g!

それでは、そのD5500がどれだけすぐれているのか実機を元にご説明いたしましょう、これが……うわあ!……驚かせてすみません。だいじょうぶです、想定外の軽さに思わず手が高らかにあがりすぎちゃいました。どれくらい軽量にできているのかというとですね、本体のみで約420g!

「え?」といま思った貴方。そうです、確かに世のミラーレス一眼勢にはもっと軽いカメラもありましょう。でもね、ニコンD5500はAPS-Cサイズの記録素子を持った一眼でバリアングル液晶を装備したモデルでは世界最小最軽量なのでありまするぞ。

そしてその液晶モニターは今回タッチパネルを採用したのです。言うなれば半ラーメンにトッピング全部乗せたようなものです。どうです、俄然お得感が出てきたでしょう? 

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主な性能としては2416万画素CMOSセンサー、ローパスフィルターレスの解像感番長仕様。画像処理エンジンは「EXPEED 4」で撮影感度はISO100~25600。

約5コマ/秒の連写速度、バリアングルモニターはTFT3・2型の約104万ドット、光学ファインダーは視野率(約)95%で見え具合良好な倍率は(約)0・82倍。AFは39点測距と幅広くカバー。最新のデジカメのトレンドであるWi-Fiにも対応。

エフェクトカラーは10種類

このクラスが一番エフェクト撮影をエンジョイできると思うのですが、D5500にはさらに3つのエフェクトが追加されて誠にブラボーなんですね。増えたのは「極彩色」「ポップ」「フォトイラスト」の3つで、今までのジオラマ効果やナイトビジョンモードと合わせて計10種類になりました。

「極彩色」「ポップ」は嫌なことを忘れるくらいのキツ目派手目の効果ですが、「フォトイラスト」は嫌なことがあっても世の中そうそう捨てたもんじゃないなっつう気分になれるイラストふうの画像効果なので気分が曇り気味な時などぜひお試しあれ。

良妻賢母の標準ズーム。手振れ補正機能もあるでよ

さて、それではこのボディのパフォーマンスに見合うおススメのレンズをご紹介します。まずは標準キットのAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II

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言わずもがなの標準ズームの王道をゆく焦点距離に開放絞りF値、コンパクトに収まる沈胴機構で従来の同クラスのズームレンズに比べて大幅な小型化を実現しました。また、ぐっと軽くなりながらも高い光学性能でワイドからテレ側までシャープな描写性能。高い手ブレ補正機能であるVR機構は補正効果シャッター速度にして実に4・0段分の威力を発揮。

最短撮影距離はマニュアルフォーカス時では0・25mとかなり被写体に肉薄。クローズアップ撮影もこのズームの撮影領域なのであります。これさえあればもう充分……とは思わないのが人の性(さが)。

シグマの超ド級レンズ

そこでここは1本、ド級のレンズを購入候補に挙げてみようではありませんか。クラス的には第七艦隊主力航空母艦「ジョージ・ワシントン」くらいの主力感。「艦隊これくしょん」略して「艦これ」でいうと長門たんと言いたいところですが、私情を挟んで加賀たんくらいの萌え感。提督の皆様、おまたせしましたこれがシグマの攻撃力150-600㎜ F5-6.3 DG OS HSM Sportsです!

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キャーいかつい! 質量も怒涛の約2860g! でも換算900㎜だと思えば軽いもんだ! しかも最新のOSアルゴリズムにて流し撮りモードは全方向撮影可能! 撮影中は突然の風雨に曝されるのなぞ想定内! 撥水防汚コーティングに防塵防滴構造で強固堅牢、最前線希望の本格ズームでございまする。これ1本で35ミリ換算で望遠225ミリから超望遠900ミリまでカバーできる無双感といったらねえぞ諸君。恋人との距離は感じても被写体との距離は感じさせないぜ150-600㎜ F5-6.3 DG OS HSM Sports

永遠の標準レンズ

と、やたら「!」を連発してしまい暑くるしくてすみません。それくらいテンションが上がる望遠ズーム好きのわたくしにおきましてもこのレンズには一目置かないわけにはゆきませぬ。それが永遠のスタンダートナンバー、標準レンズ。D5500ならばAF-S DX NIKKOR 35㎜ f/1.8Gでございます。

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標準画角44度の自然な範囲を撮影するおだやかなパースと開放F値1・8から最高の描写力でモチーフを切り取る写真の立体感。力まず、過たず、あるがままの景色風景を切り撮るのであれば最高のレンズでございます。

小型軽量ボディにタッチパネルとバリアングル液晶で、自由なアングルと軽いフットワークで写真を楽しめるD5500。多様な機能と高性能から入門クラスというのがはばかれる本格デジ一眼の系譜、小さいけれどやっぱりニコン。

ニコン/AF-S DX NIKKOR 35㎜ f/1.8G

 
そうそうこれだよこの感じ! と思う一眼レフらしい立体感のある描写。ジオラマ効果のエフェクトを使用せずとも被写体を浮き出させる自然なボケとしっかりとした芯のあるピント。やはりレンズはこうでなくっちゃと思わせる使い心地と撮り心地。これからD5500を買う人へ、これまでこのレンズを持ってなかったすべての人へ、おススメの1本です。

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ニコン/AF-S DX NIKKOR 18-55㎜ f/3.5-5.6G VR II

「スペシャルエフェクトモード」に新たに追加された「フォトイラスト」を使用。線画でトレースしたような趣の描写はなぜか心穏やかな気分にさせてくれました。

もちろん通常の使用においても充分な性能を備えた軽量なズームレンズで、その手ブレ補正能力は約4・0段分とまったく文句のつけどころのない優秀さゆえに、他のレンズへのアバンチュールもついつい許してしまう的な良妻レンズ。

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シグマ/150-600㎜ F5-6.3 DG OS HSM Sports

見た目よりも軽く感じて、イメージしていたよりもずっと素早くフォーカスして、これまでよりも切れ味鋭くシャープな超望遠ズームができました。

新たに全方向での流し撮りにも対応するので撮影の幅がぐっと広がるであろうと期待できるレンズです。バランスに優れ、手持ちでも充分撮影できますが、安定感の高い堅牢な三脚座も備えているのでぜひそちらもお試しください。

150-600mm

ニコン『D5500』

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カラバリのワインレッドボディ!

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 ダイヤルやボタンが並ぶと、小さくとも男のギア感満点ですね!

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やっぱり小さい

ニコン/D5500
光学ローパスフィルターレス仕様。ファインダー視野率約95%。撮影可能枚数(約)820コマ。本体寸法(約)幅124×高さ97×奥行70㎜。重さ420g。

(モノ・マガジン2015年3月16日号掲載)

写真と文/織本知之

日本写真家協会会員。第16回アニマ賞受賞。1972年千葉富津生まれ。
facebook:https://www.facebook.com/tomoyuki.orimoto[リンク]

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なんどデジカメのバッテリーを買ってもその度にマークや番号で区別を忘れ、ダメになるまでさっぱりわからないロシアンローテーションが得意なカメラマンです、みなさんこんにちわ。

モノ・マガジン詳細情報

モノ・マガジン2015年11月16日号
http://www.monoshop.co.jp/products/detail.php?product_id=4766[リンク]

モノマガジン

11月2日発売【特集】男の文具絶対主義/【特集】恋するバードウォッチング/【特集】地方創生の旗手「すみだモダン2014」など

モノ・マガジン
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モノ・マガジン編集部の執筆一覧
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モノ・マガジン編集部

1982年創刊のモノ情報誌のパイオニア。

ウェブサイト: http://www.monomagazine.com/

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