猪瀬氏、戦後日本は「リスクを取らない人がリーダーになった社会」
東京都副知事で作家の猪瀬直樹氏は2011年6月11日、「勝間和代#デキビジ」(BSジャパン)の収録の中で、戦後の日本社会を「トーナメント型」だとし、東京電力を引き合いに出しながら「最もリスクを取らない人がトップリーダーになっていった」と語った。
番組には猪瀬氏のほか、批評家で作家の東浩紀氏、株式会社ドワンゴ取締役の夏野剛氏が出演し、東日本大震災後の日本の政治経済の問題点や、改善策について語り合った。この中で、猪瀬氏は「戦争に日本が負けて以来、震災までの間、(『戦後』という)ある一定の日常性があった。これは普遍的なものではなかった」とし「これからまた新しい『災後』という時代に入る。この歴史区分が僕は大事だと思う。価値観も変わっていくし、価値観を変えながら新しい公共を作っていく」と持論を展開した。
また猪瀬氏によると「戦後社会が永遠に続くという錯覚があり」、この錯覚の下で日本では、高校野球の甲子園大会のような「トーナメント型システム」が生まれたとされる。このトーナメント型システムは、毎回リスクを取らなければいけないリーグ戦とは異なり、「就職後は一つの会社にずっと勤める」といった個人がリスクを取らない風潮につながるという。その上で猪瀬氏は、
「最も無難にリスクを取らない人がトップリーダーになっていくから、トーナメントのサラリーマン型。(まさに)東電型社会」
と戦後の日本社会の問題点を指摘。さらに猪瀬氏は
「大学3年の時に東電に就職を決めたら、もう60歳まで安泰、良かったねという話でしょ。それは途中途中で物を考えなくていいということだから」
と語り、「本当のリスクを取らないで生きていく。まさに『虚偽の日常性』が、『戦後の日常性』だった」と分析した。
(山下真史)
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]猪瀬氏の「トーナメント型社会」についての発言から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv52603492?ref=news#19:43
【関連記事】
たかの友梨さん「男運が悪くってよかった」
作家・高橋源一郎氏、文章上達には「他人に読んでもらうこと。恥ずかしいし、やる気になる」
猪瀬副都知事、「隅田川花火大会」開催をツイッターで発表
ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。