菅首相「”自然エネルギー推進機構”を急いで検討する」

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菅直人首相

 菅直人首相に対し、自然エネルギーの本格的普及に関する要望を出したソフトバンク孫正義社長ら有識者が、菅首相と直接意見交換を行う「総理・有識者オープン懇談会」が2011年6月12日午後首相官邸で開かれ、ニコニコ生放送で中継された。懇談会で菅首相は、自然エネルギーと省エネルギーの2本の柱を育てるとし、「『自然エネルギー推進機構』というようなものを閣内か省庁横断的に作ることを急いで検討する」と語った。

 冒頭、菅首相は、東日本大震災にともなう福島第1原発の事故を踏まえ、3年おきに決めている「エネルギー基本計画」を見直すとし、「再生可能な自然エネルギーと省エネルギー、この2本の柱を育てることが日本の成長にとって重要である」と述べた。

 環境ジャーナリストの枝廣淳子氏は、「時代が変わったことを永田町は知らない」と題した資料を提示。大部分を化石燃料に頼る日本のエネルギー事情では「化石燃料を輸入する代金が増えており経済的でない」とし、「これまで自然エネルギーは贅沢品や趣味のように語られていたが、そのような時代ではない」と、自然エネルギーなど再生可能エネルギーの導入を促進する法制度の必要性を訴えた。

 またソフトバンクの孫正義社長は、国が電力の全量買い取り制度などを整備すれば「パンを焼くように電気を起こし、畑を耕すように電気を起こす」ことが可能となり、中・小規模で分散型の発電を実現できると提案した。

 こうした声に対し菅首相は、かつて行政の側に「原子力(発電)は進める。(それに対し)結果として邪魔になるものはできるだけ外していく」動きがあったと語り、「今これを変えなければ、また10年くらい動かなくなってしまう」と問題意識があることを明らかにした。首相は今後、自然エネルギーや省エネルギーにも注力するため、「『自然エネルギー推進機構』というようなものを閣内か省庁横断的に作ることについて、急いで検討する」という。

(土井大輔)

◇関連サイト
・自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」について- 公式サイト
http://www.kantei.go.jp/live/20110612.html
・[ニコニコ生放送]菅首相への質問部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv52951096?ref=news#1:16:20

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