新しい住まいのカタチ[4] はあちゅうさん〜今は東京が最高〜
大学在学時にブログを立ち上げ、タダで世界一周旅行するプロジェクトを成功させるなどし、一躍、注目を集めたはあちゅうさん。現在では、『半径5メートルの野望』などの著作を持つ作家としても活躍しています。今年に入り、神奈川県のベッドタウンから東京都心に引越し、都心での暮らしを満喫。自身の経験から「ほかの費用を削ってでも、東京都心に住むべき!」と話します。現在の暮らしぶりとその思い、東京に住む魅力について伺いました。【連載】
家を買うか借りるか、住むなら都心か地方か。永遠のテーマともいえる’住まいのあり方’を考える連載です。ひと昔前までは、「郊外に庭付き新築一戸建てを買う」という、住まいのアタリマエがありました。でも、ひとり暮らしや夫婦共働きが増え、都心部ではタワーマンションが建設ラッシュ。一方で、地方移住が関心を集めていたり、古民家リノベが注目されたり。住まいのアタリマエは時代とともに変わり、そしてひとつである必要もありません。この新連載では家を買うor借りる、住むのは都会か地方か、その暮らし方について、識者のみなさんと探っていきます。都心へ住み替えて半年、今は東京暮らしが「最高」
現在、東京都心にご家族と暮らしているはあちゅうさん。前回登場したイケダハヤトさんと同じ1986年生まれですが、「住まい観はイケダさんとは真逆(笑)。私はコストをかけ、他の費用を削ってでも、都心に住むべきだと考えています」といいます。今の住まいは都心の賃貸マンションだそう。
「家族で住む家を探したのですが、条件に該当する物件があまりなくて。今の住まいを見学し、予算は少しオーバーしたけど、もうここしかないだろうと決めたんです。少し背伸びすることが仕事へのモチベーションにもつながると前向きにとらえるようにしました。住まいはご縁なので……、今の家は”気”がいいな、と即決しました」
都心へ住み替えて半年、今は東京暮らしが「最高」だといいます。
「駅からの距離も近く、複数駅・路線が使える。また、東京駅や羽田空港も近くに感じますし、そうなると地方にも行きやすく、日本中が近く感じます」と足回りは想像以上に快適なよう。以前は、都心に出るのに1時間ほどかかっていたため、家を出るときは『今日はすべての予定を終えるまで家に帰らないぞ』と、大荷物を抱えての移動になり、慢性的な肩こりにも悩まされていました。それが今では、すぐに帰れるからと荷物も少なくなり、フットワーク軽く出かけられるように。また、一軒家からマンションへの住み替えとなったため、日々のゴミ出し、部屋の温度などといった日常の細々したことの不便がなくなり、暮らしの満足度があがったといいます。
「もちろん、今の家の周辺はスーパーが少ないなどの不便もあるのかもしれませんが、そうした不満をすべて打ち消してしまうくらい、東京での暮らしは高揚感があります(笑)」とまで言い切ります。
【画像1】東京暮らしは「最高!」だというはあちゅうさん(写真撮影:片山貴博)中学生のはあちゅうさんの目に映った、「憧れの東京」
ここまではあちゅうさんが、都心暮らしにこだわる背景には、東京への強い憧れがバックグラウンドにあるそう。
「幼いころ育ったのは神奈川県藤沢市の、裏山に防空壕があるような場所だったので、華やかな都会生活にはまったく縁のない少女でした。その後、両親の仕事の都合で数年間、海外で生活し、帰国後は神奈川県川崎市で暮らしていたんです。そのころ中学生で、都内の塾に通い始めたのですが、同じ年なのに都内の女の子は高校生のようにキレイで、すごく大人に見えて……。これが東京との差か、と。同じように初めて渋谷に行ったときにも圧倒されました(笑)」といい、思春期に抱いた東京への憧れは、今なお強烈に残っているようです。
そのうえで、「東京って日本全国から、志を持ってここで勝負してやるっていう人が集まっているでしょう。それが刺激・モチベーションになって、自分もそこで生きていたいというのがあるのかもしれませんね」と分析します。東京に住んでいるのに、今なお、東京に憧れつづけているーー、そんな不思議な感覚だそう。
「今後、もしかしたら、心境の変化もあるのかもしれませんが、今の私にとって東京がベスト。地方に仕事の都合で住んだ時期もあったけれど、地方を経て、東京がますます愛おしく感じられます」といい、地方で生活するというイメージはわかないようです。
ただ一方で、都内暮らしでも、ワンルームはニガテなのだそう。
「会社員時代に、ワンルームで暮らしたこともあったのですが、そのときの口癖は”早く結婚したい”でした(苦笑)。リビング・ダイニング、寝室と、分かれている空間がないと気分の切り替えができなくて……。目に見えないストレスを、住まいからもらうくらいなら、住環境に投資する、お金をかける意義は十分あると思います」
【画像2】住居費には、お金を払うだけの価値があるという考え方に落ち着いたという(写真撮影:片山貴博)人は住む街と同期する。街のエネルギーを自分の力に変えていく
今、はあちゅうさんの持論として、「街と住む人は同期する」というのがあるそう。
「人は街の空気・バイオリズムにすごく左右されるって思うんです。例えば、リゾート地に行くと、仕事する気になりませんよね。私の場合、以前の川崎の住まいでは、家でも仕事をしようとしていたんですが、夜だとやたらと眠くて仕事にならない。なんでだろうと思っていたんですが、あるとき、ここは”ベッドタウン”、文字通り眠るための街だから、やたら眠いのかもと、気がついたんです。そういう意味では、今の都心の住まいは、今の私にちょうどいいのかもしれません」。
現在のマンションの窓越しには、朝から働く人のエネルギーが伝わってくるそう。そんな街のリズムを感じながら、朝から仕事をする。「しっかり働きたい今のはあちゅうさん」にフィットしているのかもしれません。
加えて、理想の住まいやエリアについても聞いてみると、「夢は造り付けの大きな本棚がある、図書館のような部屋かな。そして表参道から青山! 今、私がもっとも惹かれる街なのですが、今回の引越しでは予算的に断念しました。でも、いつかは青山エリアに住んでみたいです」と野望を話してくれました。では、東京で家を持つ、例えばマンションの購入には興味はないのでしょうか。
「家は買うより、借りる派です。いろいろな部屋に住んでみたいですし、ライフスタイルにあわせて住み替えたいという理由もあります。それと、転機は身軽な人にやってくる、と思っているんです。チャンスが訪れたときに、ためらわずつかめるようにしたい。そのためにできるだけ身の回りをシンプルにしています」
転機をつかむために、身軽でいたいーー。これもはあちゅうさん流の「野望の叶え方」なのかもしれません。
【画像3】夢は青山や表参道エリアに住むことだというはあちゅうさん。自らの足で、一歩ずつ夢に近づいているのかもしれない(写真撮影:片山貴博)
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/10/01/98068/
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