お金のプロ3人に2人が「買い時」の理由と見る住宅ローンとは?

お金のプロ3人に2人が「買い時」の理由と見る住宅ローンとは?

住宅金融支援機構は、「平成27年度下期における住宅市場動向について」※を公表した。これによると、一般消費者の49.2%が「下期は買い時」と回答しており、お金のプロであるファイナンシャルプランナーの見解では62.3%が「上期より買い時」と回答したという。お金のプロは、どういった理由で買い時と判断しているのだろうか?【今週の住活トピック】
平成27年度下期における住宅市場動向について」を公表/住宅金融支援機構

※一般消費者(平成27年10月から平成28年3月までに住宅取得を検討中の25~59歳の男女、回答数1100)、住宅事業者(フラット35の利用があった事業者、回答数672)、ファイナンシャルプランナー(セミナー等の同機構業務協力者、回答数53)に対して、平成27年7~8月に調査を実施したもの。平成27年度下期は「買い時」が優勢。その理由は住宅ローンの低金利

一般消費者に、「これから半年内(平成27年10月~平成28年3月)は、住宅の買い時だと思いますか?」と質問したところ、「買い時だと思う」が49.2%で「買い時だと思わない」の10.5%を大きく上回った。また、「どちらともいえない」も40.4%と多くを占めた。

「買い時だと思う」と回答した人(541人)に買い時と思う理由を聞いたところ、「住宅ローン金利が低いから」が68.8%と過半数を占め、「今後消費税が引き上げられるから」が36.2%と続いた。特に、25歳~39歳の若い層で、住宅ローンの低金利を理由に挙げる人が多いのが特徴だ。

一方、ファイナンシャルプランナーには、「平成27年度下期の住宅取得環境は?」と質問し、「平成27年度上期と比べて買い時」という回答が62.3%と過半数を占めた。「買い時ではない」は7.5%、「どちらともいえない」は30.2%だった。

一般消費者とは違って、『平成27年度上期と比べて』買い時と思うかを聞いているので、単純に割合を比較できないが、一般消費者よりプロのほうが買い時感は強いとうかがえる結果となった。

ファイナンシャルプランナーが買い時と思う理由も、「住宅ローン金利の低水準」が最多で84.8%。ただし、次いで多いのが「経済対策によるフラット35Sの金利引き下げの効果」(66.7%)で、「消費税率引き上げ前の駆込み効果」(24.2%)は5番目にすぎなかった。

【図1】「平成27年度下期の住宅取得環境は?」調査対象ファイナンシャルプランナー/出典:「平成27年度下期における住宅市場動向について」住宅金融支援機構

【図1】「平成27年度下期の住宅取得環境は?」調査対象ファイナンシャルプランナー/出典:「平成27年度下期における住宅市場動向について」住宅金融支援機構

【図2】「『買い時』とする要因」 調査対象ファイナンシャルプランナー/出典:「平成27年度下期における住宅市場動向について」住宅金融支援機構

【図2】「『買い時』とする要因」 調査対象ファイナンシャルプランナー/出典:「平成27年度下期における住宅市場動向について」住宅金融支援機構お金のプロはなぜ「フラット35S」を高く評価するのか

ファイナンシャルプランナーの3人に2人が買い時の要因として挙げた「フラット35S」だが、一般消費者は13.5%しか買い時要因と考えていなかった。

さらに「フラット35S」については、ファイナンシャルプランナーは、顧客である住宅購入者の意欲を高めるきっかけになっている(「なっている」55.8%、「ややなっている」34.6%)と見ているのに対し、一般消費者は、「フラット35S」の内容について「よく知っている」は31.8%にすぎない。

ローンの内容を熟知しているファイナンシャルプランナーと一般諸費者では、評価が大きく分かれる結果となったが、改めて「フラット35S」の効果を考えてみよう。

35年などの長期間金利が変わらない「フラット35」は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する住宅ローンだ。「フラット35S」は、取得する住宅が優良な住宅の場合に限って、当初の一定期間、金利を引き下げるスペシャル版だ。

経済対策によって、平成28年1月29日までの申込受付分までについては、金利の引き下げ幅が拡充されている。具体的には、当初の5年間または10年間(優良な住宅のレベルによって異なる)、金利が0.6%も引き下げられる。

2015年9月時点の金利※は、1.54%~2.22%で、最も多くの金融機関が適用している金利1.54%で考えてみよう。この金利から0.6%引き下げられるので、0.94%と1%を切る金利が当初5年間または10年間適用されるわけだ。0.94%なら、金利が上昇する可能性のある「変動型」の適用金利とさほど変わらないといえる。
※返済期間が21年以上35年以下、融資率9割以下の場合の金利で、金融機関によって金利が異なる

3000万円を借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合で試算してみよう。フラット35Sの金利引き下げを5年間適用されると、当初5年間の毎月返済額で8595円、総返済額で約95万円の削減効果がある(図3)。

【図3】フラット35Sの金利引き下げ効果の試算(作成:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【図3】フラット35Sの金利引き下げ効果の試算(作成:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

「フラット35」の金利は、史上最低水準といわれている。その金利がさらに引き下げられる「フラット35S」は、金利が変わらない安心感と低金利のダブルのメリットがある。低金利のメリットを活かして、返済期間を1年でも短くするという選択肢も増えるため、お金のプロは高く評価するのだろう。

「フラット35S」の内容については、住宅金融支援機構で詳しく説明されている。最近では、「フラット35S」のメリットを動画で解説しているので、一度見ておいてはいかがだろう。●参考
フラット35S金利0.6%引き下げで、どれだけ返済額は減るか!?(SUUMOジャーナル)
・「フラット35S」のご案内(住宅金融支援機構)
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/09/30/98197/

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