“小市民感”が好感度抜群! がんばるお父さんヒーロー『アントマン』[映画レビュー]

アントマン

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の大ヒットも記憶に新しい、マーベルスタジオ最新作『アントマン』。いよいよ9月19日より公開となります!

【ストーリー】
仕事や人間関係がうまくいかず、頑張ろうとすればするほど空回りしてしまうスコット・ラング(ポール・ラッド)。別れた妻が引き取った娘の養育費も用意することができず、人生の崖っぷちに立たされた彼のもとにある仕事が舞い込んでくる。それは肉体をわずか1.5センチに縮小できる特殊なスーツをまとい、正義の味方アントマンになるというものだった。スーツを着用した彼は、ヒーローとして活躍するために過酷なトレーニングを重ねていくが……。

ヒーローものを観るのは、「かっこいいヒーローが見たい」とか「スケールのでかさに圧倒されたい」とか「派手なアクションでスカッとしたい」とかいろいろ理由があると思うのですが、『アントマン』はそれらの要素も盛りこまれた上に、なおかつ誰でも「応援したい!」と思いたくなるような、愛すべき作品なんです!

よく「等身大のヒーロー」といいますが、それどころかアントマンは文字通り身長が1.5センチのアリサイズ。 しかもその正体は、財閥でもマッチョでも兵士でも神様でもない、どこにでもいる普通のお父さん。しょうもない友人たちも見捨てないし、人をむやみに傷つけるのも大嫌い、だけど愛する娘のためならなんだってやるという、底抜けにいい奴なんですよ!! 主人公スコットを演じるのは、コメディアンとして有名ですが、実は演技の幅も広いポール・ラッド。結構イケメンにもかかわらず、そのなんとなく押しの弱い雰囲気が、近所によくいそうな小市民感を漂わせていて好感度抜群。

まじめで優しいスコットの登場シーンはなんと刑務所。そもそも家族を養うために仕方なくやった泥棒だったのに、ムショ帰りとなった彼を待っていたのは、妻と娘がよりによって自分を逮捕した警官と同居していたという悲しすぎる現実。おまけにバイトさえも首になって経済的にもがけっぷち。しかしそんな彼の運命を大きく変える、一度きりのチャンスが舞い込んできます。

地球のためでも全人類のためでも祖国のためでもなく、最愛の娘をがっかりさせたくないためにアントマンになることを決心したスコット。小さなアリが大きい荷物をせっせと巣に運んでいる姿は、特に昆虫好きでなくとも真剣に見入ってしまいますが、マーベル史上最小のヒーローが巨大な敵に立ち向かう姿には、満足度も超ビッグで胸アツ必至! がんばるお父さんヒーローと、大きな仲間たちや小さな仲間たちの驚くべき活躍に、ぜひ映画館で声援を送りましょう!!

そうそう、マーベル女子のみならず、腐女子の方々にも見逃せない展開が。スコットとぼんくら仲間たちの仲良し共同生活もちょっとワクワクですが、アントマン生みの親、ピム博士(マイケル・ダグラス)に対する、元愛弟子のダレン(コリー・ストール)の屈折した愛情表現にご注目下さい!

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【著者プロフィール】♪akira
WEBマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」(http://www.targma.jp/yanashita/)内、“♪akiraのスットコ映画の夕べ”で映画レビューを、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」HP(http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/)では、腐女子にオススメのミステリレビュー“読んで、腐って、萌えつきて”を連載中。AXNミステリー『SHERLOCK シャーロック』特集サイトのロケ地ガイド(http://mystery.co.jp/program/sherlock/map/)も執筆しています。

『アントマン』公式サイト
http://marvel.disney.co.jp/movie/antman.html

(C)Marvel 2015

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