『思い出のマーニー』美術監督・種田陽平氏が描くストーリーが幻惑的 SF好きもササる児童書『ステラと未来』刊行 [オタ女]

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『スワロウテイル』(岩井俊二監督)『THE有頂天ホテル』(三谷幸喜監督)『フラガール』(李相日監督)『空気人形』(是枝裕和監督)といった日本映画のほか、チャン・イーモウ、キアヌ・リーブス、クエンティン・タランティーノといった錚々たる監督の美術を手がけてきた種田陽平氏。アニメーション作品では押井守監督『イノセンス』から関わり、スタジオジブリの『思い出のマーニー』で美術監督を務めており、北海道東部をモデルにした美しい自然や古い洋館などの印象的な光景が記憶に新しいところ。

そんな種田氏が初の児童書となる『ステラと未来』を刊行。そのSF的な世界や幻惑的な絵が注目されます。

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タワーの349階に暮らし、「ママ」と呼ばれる養育ロボットに育てられている髪の長い少女と、氷でできた薄暗い世界で、たくさんの「おとうさん」に育てられている少年の物語だという『ステラと未来』。
種田氏は「表面的な過剰さをそぎ落としたとても静かな本」だといい、「少女の一言から、少年の佇まいから、読む人が感覚や想像力を起動させ、主人公たちの世界に入り込んで楽しむ余地がたっぷりある作品にしたかった」と意図を説明。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』やサン・テグジュペリの『星の王子様』、宮沢賢治の作品のように、本を読んでどういう意味か、答えを自分でゆっくり探していくことができる本を目指したといいます。

『思い出のマーニー×種田陽平展』などの美術監督の仕事を通して、児童向けの作品を作る楽しさを知り、経験値を高めてきたという種田氏は、この本のために40点にのぼるイラストレーションを描き下ろし、気鋭の作家・野山伸のシンプルで研ぎ澄まされた文章を合わせたという本作。少女と少年がどのような“未来”にたどり着くのか、児童書好きはもちろん、SFファンとしても楽しめる作品といえるのではないでしょうか。

『ステラと未来』

種田陽平/原案・絵
野山 伸/文
2015年9月11日刊行
A5判カラー127ページ
定価1500円(税別)

ステラと未来(講談社BOOK倶楽部)
http://book-sp.kodansha.co.jp/topics/stella-and-mirai/index.html [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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