冷凍みかんの味わいを再現しているかどうかで議論を楽しめる『-196℃ ストロングゼロ〈冷凍みかん〉』

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類ゼロながら強力な果汁感と8%という高めのアルコール値でストロングな飲みごたえを実現したサントリースピリッツの人気シリーズ「-196℃ ストロングゼロ」。そこに『-196℃ ストロングゼロ〈冷凍みかん〉』(350ml・希望小売価格 税抜141円・2015年7月21日限定発売※500mlもあり)が登場。オレンジでもなくみかんでもなく”冷凍みかん”というそのこだわりようは果たして実感できるのか。

 

「冷凍みかん」と言えば昭和の学校給食の人気デザートとして、中高年の人なら覚えているだろう。もしくは列車内で味わう電車内娯楽の一貫としてか。

 

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単純にその冷凍みかんが生まれたきっかけは、昭和30年に一年中みかんを売れないかと考えたキヨスクとマルハが考えたという実にベタなもの。冷蔵輸送技術が発達していなかった時代ならではの商品だ。時代とともに姿を消していく運命だった冷凍みかん。しかしそこに郷愁を感じる層も多く、この『-196℃ ストロングゼロ〈冷凍みかん〉』もそうした大人の層を狙った製品なのだろう。

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ちなみにただみかんを冷凍すれば冷凍みかんになるのかというと違うのが豆知識。一度凍らせたみかんを流水にくぐらせて再び凍結させるという数度の手間がないと、冷凍みかん特有の氷の膜もできないし、実がパサパサになってしまうというデメリットもある。意外と手がかかっているのが冷凍みかんなのだ。

さて、凍ってもない缶チューハイでその味わいを再現するというのは一体どういうことなのだろうか。プルタブを開けると漂ってくるのは……、みかんの香りだ! オレンジでもなく日本人の心に響くみかん臭。冷凍みかんの香りかと言われると微妙だが、少なくともみかん気分はみなぎっている。

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グラスに注ぐと炭酸の泡が消えると同時に透明な液体となる。クリア、みかんのオレンジ色はどこにもない。さてグビリと一口。なるほどこれはオレンジではなくみかん。華やかさよりも所帯染みたこたつの上のみかんの香り。さらに味もアルコールの苦味と果肉だけでなく白い房の苦味が際立っていて、みかん再現率は高い。

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ただこれは冷凍みかん味なはずなのだ。ちょっと酸味の利いたみかん味は近年の糖度が増したみかんよりは昭和感が漂ってくるが、冷凍みかん特有のシャリシャリ感というものはもちろん無い。あえて言うなら炭酸のシュワシュワがその代理を務めているという感じか。果実丸ごとを瞬間凍結させる独自の-196℃製法を用いているので、冷凍しているのは確か。凍結みかんを浸漬させたアルコールと果汁をダブルで使用しているだけに果実感は強い。

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結論として言えば「言えなくもない」印象。むしろみかんで-196℃製法を用いてみたら「これって冷凍みかんの味では?」と思ったメーカーが後付けでネーミングしたのでは? という疑惑を感じてしまった。

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どちらにせよ、中高年以上の人々にとっては、これをみんなで飲んでみてその味がするかどうか、侃々諤々の冷凍みかん談義に花が咲くことは確かなので、娯楽としては十分価値が有るのではないかと思った。

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