『日清麺職人 鴨だし』限りなく日本そば・うどんの世界観に寄せてきたためにラーメンとしては異端の存在に!

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といえば鴨南蛮などのそばメニューがポピュラー。もちろん鴨鍋などもあるが、何にせよ和風だしの代表格。それなのに日清食品は『日清麺職人 鴨だし』(94gうち麺65g・希望小売価格 税抜180円・2015年8月3日発売)という鴨だしのラーメンにチャレンジ。果たしてどんな旨さを実現できるのか。

 

鴨だしラーメンは以前より専門店でも無いわけではない。カップ麺としてもこの「日清麺職人」で発売済み。そこをあえてリニューアルしての再挑戦。いったいなぜそこまで鴨でラーメンにこだわるのか。

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日本そばでいいではないか。その言葉が何度も喉から出そうになる。

というのも、鴨つくねとネギという醤油ベースのスープに合わせたかやくはまだ分かるが、揚げ玉に焼きのりと来ると、もうどこまでそばに寄せてきているのかと目を疑ってしまう。

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パッケージには明朝体で「中華そば」とは書いてあるものの、和風のパープルを貴重にしていて、見た目は鴨南蛮そば。写真も含めてかなりそば寄り。これはどうなのか。

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もちろん鴨だしがラーメンに合わないというわけではない。ただ中華そば=ラーメンとしての自覚が、パッケージやかやくにほんの少し足りないと感じただけ。鳥の一種と考えれば合わないはずはないし、「鴨がネギ背負って…」の言葉にもある通り、ラーメンに不可欠であるネギとの相性も抜群。ラーメンの素材となっても不思議はない。

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複雑な気持ちでフタをめくると麺職人ならではの黄色味の強いストレートの中細ノンフライ麺が顔を出す。かやくのみを投入して熱湯4分調理、湯戻し後には素早く麺をほぐす。スープを入れる前に! ノンフライ麺の鉄則だが、ほぐす前にスープを投入すると麺がほぐれなくなるという大悲劇に見舞われるので、重々油断は禁物だ。

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ほぐれたところで液体後入れスープを投入。フワッと香り立つのは…、醤油と鴨だしの合わさった鴨南蛮そば・うどんの香り。ラーメン感覚はほとんどない。見た目も揚げ玉が乗っているのでさらに日本そば・うどん疑惑が加速。極めつけは後のせの焼きノリ。もうそばかうどんでいいじゃないかという疑問は最高潮に。

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気を取り直してスープを味わうと、やはり予想したとおり和風中華そばとそば・うどん領域の交わる部分に位置している。甘みを感じる鴨だしは美味しいのだが、ラーメンというのにはどうにも納得がいかない。さらに売りである「まるで、生めん。」のような麺を味わうと、少しだけラーメン方向に揺り戻される。ただ全体としてはどうにもこうにも…。

麺はシコシコつるっと生麺さながらのストレートな美味しさが伝わってくる。これはこれで美味しいと思う。しかしその前提には「鴨南蛮そば・うどんを知らない」という前提が必要だ。特にそば粉と鴨だしのマジカルなハーモニーを知っている人間にとっては、物足りない。

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麺職人は良い仕事をしている。かやくも少ないながら鴨つくねは濃厚な鴨味を出してくれているし、旨味もきちんとある。それでもラーメンとしては明らかに物足りない。ただ鴨だしをラーメンに合わせようという心意気はしっかりと受け止めた。さらなる奮闘を期待する。

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