高級料理店の特等席は調理場の中? 『シェフズテーブル』の魅力とは
高級料理というと静かなホールで楽しむというのが普通です。でも、本場フランスでは別の場所に料理の特等席があるようです。
それが「シェフズテーブル」です。そのまま訳せば「(料理)長のテーブル」となります。厨房の中にテーブルがあり、目の前で調理された料理を楽しめます。
今回、『ロテル・ド・比叡』『DESSINER LA SAVEUR』の料理長、『ホテルアークリッシュ豊橋』の総料理長を歴任した酒井淳氏にシェフズテーブルの話を聞くことが出来ました。
シェフズテーブルって上座のこと?
フランスではシェフズテーブルはレストランの中で最も良い席とされます。調理場の中にテーブルがあり、ゲストはそこに座って食事をします。
ただ、日本的な上座の場合出入り口からうるさい騒音から離れた場所にありますが、シェフズテーブルは調理の音やスタッフのやり取りが聞こえる決して静かな場所ではありません。
本当に調理場の中で食事をします
テーブルからキッチンまでの距離は近すぎです。
作り方がわかってしまうのでは?
「当然!」と即答されました。料理人にとっては全て見られるので苦しいですが、ゲストは作る工程を楽しむことが出来ます。シェフにもよりますが、黙々ではなく説明しながら料理を作ってくれます。
普通のテーブルの場合、高級レストランではメニューも注文後片づけられてしまいますし、ホールスタッフがサービスしてくれる時の説明も料理を食べたころには忘れてしまいます。
シェフズテーブルなら作るところを見ているのでより鮮明に記憶されるのではと思います。
テーブルからシェフの手元が丸見えです。オープンキッチンではここまで見えません。
どのような食材を使っているかわかります。
サラマンダーでグラタンに焦げ目をいれる。こういう部分もお客さんに見えます。
少ないですが日本でもシェフズテーブルが増えています
海外ではトップ20シェフズテーブルというランキングが作れてしまうほどメジャーなものです。日本では少ないですが、一部の高級ホテルやダイニングがシェフズテーブルを設定しています。
筆者が簡単に調べてみると『ハイアットリージェンシー福岡』、『ホテル椿山荘』、『グランドハイアット東京』、『グランドパレス福島』など高級ホテルで導入が始まっています。
シェフズテーブルのゲストとスタッフのイメージショット(他参加者のプライバシー保護のため暗くしています)
レストランでもシェフズテーブルという考えでの営業は増えており、今回インタビューした酒井氏も『salon inacheve』(サロン・イナシュヴェ)でシェフズテーブルを備えたレストランを運営予定です。
酒井氏の話ではまだ広告もしていないのに、口コミなどですでに数か月程度の予約とのことなので、感度の高い人にはシェフズテーブルが知られているのではと思います。
シェフズテーブルはさらに料理を楽しみたい人向けのプランだと思います。当然ですが、レストランにはシェフ(料理長)は一人なので、シェフズテーブルの予約は一日一組だけです。
興味を持った方はお近くのホテルやレストランでシェフズテーブルについて問い合わせてみてください。非常に人気があるので予約は早めです。
酒井淳氏 経歴
・ホテルニューオータニ大阪、ハウステンボスホテルで修行
・『ロテル・ド・比叡』および『DESSINER LA SAVEUR』の料理長
・『ホテルアークリッシュ豊橋』の総料理長・『料理王国』、『CHEFシリーズ99号』掲載
・教育動画チャンネル『シラバス』監修、出演サロン・イナシュヴェ 公式サイト(酒井氏運営)
http://salon-inacheve.com/ [リンク]
高級料理の特等席は調理場の中? 『シェフズテーブル』の魅力(YouTube)
https://youtu.be/_Qp3BYwYhIw
注意:今回は酒井淳氏の運営するレストラン『サロン・イナシュヴェ』での取材です。シェフズテーブルの細部などはそれぞれのホテル、レストランと異なる可能性があります。必ず、予約する店舗にご確認ください。
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(執筆者: 動画解放軍) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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