松浦弥太郎さんが愛した”おいしいもの”をおすそ分け~マガジンハウス担当者の今推し本『くいしんぼう』
こんにちは、マガジンハウスです。“くいしんぼう”って、いい響きですね。ただの大食いじゃなくて、おいしいものを嬉しそうに食べている人が思い浮かびます。今回ご紹介するくいしんぼうさんは……松浦弥太郎さん! 先ごろ『暮しの手帖』編集長からクックパッドへ入社され、みんなちょっとびっくりした、あの松浦さんです。町歩きが好きで目利きなお方だけに、ずばり『くいしんぼう』と題された本書には、期待しかありませんね。編集担当のHさんをキャッチしたのでお話をうかがってみましょう。
―――Hさん! この本、お昼前に読むと危険ですね。思えば『an・an』連載時も、おいしそうな描写にそそられたものでしたが、写真が入ると一段とまた。
H 「連載の時のイラストも可愛かったですが、書籍化にあたっては、伊藤まさこさんにスタイリングをお願いして撮りおろしました。美味しそうで、素敵でしょう」
―――ほんとに素敵です。チョイスもいいですよね、“男の手土産、男のおやつ”とあるんだけど、おじさんっぽくないというか、甘いものが多くて女性好み。
H 「松浦さんはお酒を飲まれないんですよ。だから、甘いおやつもお好きで。チーズケーキとか、あんことか。この『ヨハン』のチーズケーキも、松浦さんの定番おやつですね。松浦さんといえば中目黒、中目黒といえばヨハン(笑)」
伊藤まさこさんがスタイリングした写真も目の保養♡
―――東京全域のおいしいものが紹介されていますが、いわゆるお洒落エリアだけじゃなく、東のほう、下町もけっこう出てきますね。
H 「そこが松浦さんならではといいますか。まずは前書きがとても面白いのでお読みいただきたいんですが、子どものころから下町を含む東京のあらゆる街でご家族と買い物したり、おつかいに行ったりしてたそうなんですね。茶道をされていたおばあさまのおつかいも幼い松浦さんが行っていたので、老舗の和菓子にもお詳しいと」
―――下町で和菓子買ってる少年って、想像すると可愛い~。だから、渋いけど安定したおいしさのものが多いんですね。一方で、老舗の新しい味や、新しい店、知る人ぞ知る店も紹介されていて。
H 「そう、私も知らないお店や知らない味があって、撮影の時には色々楽しませてもらいました!」
―――ここに載っている食べ物で、Hさんのイチオシはどれですか?
H 「いっぱいあるんですけど…実は私、そんなに甘いものが得意ではないので(笑)、どうしても甘くないものを贔屓にしてしまいますね。……そうそう、この『中島ベーカリー』さんのコッペパンは、マイベストコッペでした! 具はどれもおいしいのですが、中でもこのキャベツはすごい。その味の正体は、エッセイを読んでいただくとして、敢えてこれに目を付けられた松浦さんはさすがだと思いました」
というわけで買ってきました、本所吾妻橋『中島ベーカリー』のキャベツコッペ。奥はあんマーガリン。写真がアレ(下手)で具が見えませんが、おいしいんです!
―――このコッペパン……重いですね。
H 「いまどきのふわふわ軽いパンじゃないところがいいでしょう。他には、さっき甘いものは得意じゃないと言いましたが、だから滅多に鯛焼きなんて食べないんですが、この本で紹介されている『柳屋』さんのはほんっっっとにおいしかったんです。“鯛焼きってこんなにおいしかったんだ!”って」
―――いや、鯛焼きはおいしいんですって(笑)。でも、この恋愛小説のようなときめきのある文章を読みながらいただくと、味わいも格別ですよね。
H 「松浦さんは、東京を歩き回るのがお好きで、そして食べることがお好きなんです。食べ物に関する本もすごく読まれていて、知識も豊富でらっしゃる。なんていうか、平成の……」
―――池波正太郎?
H 「ですね、やっぱり(笑)。だから、食にこだわりがあり、食べ物に対して愛情もある。そんな方がチョイスした逸品ばかりなので、間違いはありません。老舗であっても、新しい店であっても、作り手の真剣さが伝わってくる逸品ぞろい。まさに東京の銘店といっていいと思います。詳細な店データも巻末についていますので、ぜひ役立ててください」
『くいしんぼう』『松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」』発刊記念トークイベント 松浦弥太郎解体図鑑
『くいしんぼう』、『男の一流品』(共にマガジンハウス)刊行を記念して、松浦弥太郎さんのトークイベントが開催されます。本書で紹介されているおいしいものの販売も。
日時:2015年9月20日(日) 19:30~
場所:代官山 蔦屋書店 DAIKANYAMA T-SITE
詳細は http://tsite.jp/daikanyama/event/[リンク]
今週の推し本
『くいしんぼう』
松浦弥太郎 著ISBN:9784838727599
定価:1,200円 (税込)
発売:2015.06.25
ジャンル:エッセイ
[http://magazineworld.jp/books/paper/2759/]
ウェブサイト: http://magazineworld.jp/
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