クリスタルひとしくん(本物)で『水信玄餅』を自作してみた
山梨の名物で『信玄餅』というものがあります。きな粉と黒蜜で食べるお餅のお菓子なのですが、山梨の金精件というお店に行くと、現地でしか食べることのできない『水信玄餅』なるものがあるのだとか。
金精件のホームページによると、“水信玄餅は南アルプス天然水を使い、ごく少量の寒天で固めた水菓子”とのこと。「固体と液体の中間のような食感を持ち」ながらも、「ただ柔らかいだけではなく寒天の独特のハリも僅かに残しておりぎりぎり形を留めている」というのが特徴だそうです。
限界まで水分を含んだその特徴ゆえ、常温では30分ほどでしぼんでしまうのだとか。そのため、現地以外では食べられないという幻の水菓子なのです。
まず『水信玄餅』もどきを自作してみる
現地でしか食べられないとなると、食べてみたいのが人情というもの。どうやらインターネットの友達たちも同じことを考えているようで、『水信玄餅』で検索すると様々なレシピが出てきます。
そのレシピの中でしばしば登場するのが『アガー』という食材。どうやらこれ、海藻由来のゼリーの素だということがわかりました。透明度が高く独特の食感がオリジナルの水信玄餅に通ずるところがあるのだとか。今回は『クールアガー』という製品を購入して、水信玄餅(もどき)を作成することにしました。
すごい!本当に透明でぷるっぷるになる
水200ccあたり小さじ1杯~1杯半程度のクールアガーを入れ、よーくかき混ぜながら火にかけます。お砂糖はお好みで。ちょっと濁っていた液体も、煮立ってくるにつれて透明度が上がってきます。
最初は「丸い氷が作れる」という製氷機を使うことにしました。
沸騰直前で火からおろし、型に注いでから冷蔵庫に入れれば準備完了。1時間~2時間程度冷やしたら、透明度と水分量の高い、ぷるっぷるの水信玄餅もどきの完成です!
口の中に入れると、非常に柔らかいけれども弾力のある“水の塊”が踊ります。わらびもちほど弾力は無いし、通常のゼリーとも違うハリがあるのです。ゼラチンなどとは異なり常温で溶けにくいというのも起因しているかもしれません。
これは美味しい。きれいな水と上質な砂糖で作ったら清涼感ある水菓子が手軽に出来そうです。
クリスタルひとしくんの型を取る?!
「いやー、美味しかったね」ということでこの記事も終了……と思いきや、「変わったカタチで作ってみよう」という意見が飛び出しました。確かにネット上ではスライム型の水信玄餅といった変わり種も見られました。
すると、「僕、クリスタルひとしくん持ってるよ。それで型を取れば?」という声が。振り返ると『世界ふしぎ発見!』の大ファンである役員T氏がそこに。
「コレ、一体どうやって手に入れたんだ……」と思いつつも、貴重なクリスタルひとしくんで水信玄餅用の型を作ることにしました。
シリコン初体験
普通に暮らしていると型取りする機会にはそうそう恵まれないので、まずいろいろ調べてみました。どうやら、こうした型を取るにはシリコンが一般的なようです。
手順としては、「流し込むため外枠」を作り、外枠の下半分に粘土を敷き詰めます。今回は、外枠用のブロック、そして『ほいく粘土』という一般的な油粘土を使いました。
粘土の部分に型を取るモノを半分埋め込みます。はい、勘のいいヒトはもうお分かりですね。この上半分の部分に液状のシリコンを流し込みます。
シリコンは分量を量り、凝固剤という液体を入れて良くかき混ぜることで硬化が始まるそうです。豆腐におけるにがりのような感じでしょうか。
気泡が入らないよう、少しずつ型枠にシリコンを流し込みます。
あとは、このまま数時間置いて固まるのを待つばかり。
翌日、粘土部分を外してから、今度は反対側にシリコンを流し込みます。
境目の部分には、シリコン同士がくっつかないようにはく離剤代わりに油やクリームなどを塗っておきます。
更に硬化が完了したら、それぞれはがして、型枠の完成です!今回、境目に塗っておくためのはく離剤が足りず、ちょっと苦労してしまいました。
あとはここにアガーを流し込めば……。
夏に負けた感じのひとしくんが登場
まずは、型を合わせた状態で温めたアガーを流し込んでみました。すると……あれれ、スキマからアガーが漏れてくるよ……。(泣)
仕方ないので、今回は合わせた状態はあきらめて、片側ずつに流し込んで冷やしてみました。そして出てきたのは……重力に逆らいきれない「クリスタルひとしくんっぽい何か」。痕跡はあるものの、なんかちがう。
アガーを倍量にしてみたら……!
今度はアガーの量を倍に増やしたバージョンを作成。加熱していたら煮詰めすぎて色がついてしまう失態などもありつつも、なんとかできました! うん、オリジナルのクリスタルひとしくんと遜色ない出来栄えにたどり着きました。
涼しげな食感を楽しむなら、最初の「とろとろひとしくん」の方がおすすめです。水分とギリギリの弾力を楽しめます。それでも、アガー倍量のバージョンでも硬さは無く、もっちんもっちんの弾力でみずみずしさを堪能できますよ。
ちなみに、「柔らかいバージョン」のひとしくんを一晩冷蔵庫に置いておいたら、さらに訳が分からないものにバージョンアップしていました(笑)。水分量の多さゆえ、形状を保てないのは本物の水信玄餅と同様でした。
想像以上に、クリスタルひとしくんだった
アガーで作る、水信玄餅風の水菓子は、想像以上に透明度が高い仕上がりでした。それゆえ、クリスタルひとしくんの型で作れば、ガラス製のオリジナルに勝るとも劣らない出来栄えとなりました。
ぜひ皆さんも、ご自宅で水信玄餅っぽい何かを楽しんでみてください。
※ひとしくんはスタッフがおいしくいただきました。
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