動いて考える自律型ロボット『家庭用ロボットPatinプロトタイプ発表』

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フラワー・ロボティクス株式会社が、東京都港区でFlower Fair 2015を開催したので取材した。
現在開発中の家庭用ロボットPatin(パタン)のプロトタイプを公開し、そのデモンストレーションを行った。

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ロボットとはいっても様々で、掃除機から人型ロボットや産業用ロボットまで幅広い。
同社はロボットの設計・開発・製造・販売までトータルで行い、車やスマホのような「ロボットを日常の風景にしたい」という理念で設立されたベンチャー企業である。

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今回発表された、このパタンが何かをしてくれるわけではない。しゃべるわけでもない。

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登壇した松井龍哉社長は、動いて考える自律型のロボットを作りたいと考えたという。
パタンの上にサービスユニットと呼ばれる、実際に何かをする物体を載せ替えて使う。
実際にデモンストレーションを見てみた。載せたのはライトユニット。

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パタンに話しかけてライトをつけてもらう。しかし、光量や色がちょっと強すぎて気に入らないので「もっと優しく」というと…

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少し色が変わった。このやり取りは、センサーで声を読み取り、クラウドに情報を蓄積して判断している。
それでも「ちょっと違う」というと、体をゆすって”すねる”。

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パタンは少し考えて、また色合いを変えるといったような対話が成り立っている。しかし、パタンの反応は動きとチャイムのような音だけだ。しゃべったりはしない。
このあたりは、報道陣から質問もあったのだが、「過剰な機能は飽きられるという問題があります。あくまでも予測して自律することに主眼を置いているので、家庭環境の中ではBGMのようなもの」ということで、いわゆる「ロボットロボット」した主張はあえてしていないのかもしれない。

ちなみにパタンとは、フランス語でスケートの意味。スケート靴が歩いて(滑って)きて、何かをするというイメージらしい。

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他の開発中のユニットでは植物を栽培していた。中に入っているのはイチゴ。ロボットと植物の組み合わせは何だか不思議だ。
現段階では何ができるという明確なものはない。なぜならば、サービスユニットをこれから協業で開発していくからだ。
逆にいうと、サービスユニットによっては「何でもできる」ということになるだろうか。

前出の松井社長は強調する。
「ロボットで大切なのはデザイン。ロボットは怖いというイメージを払しょくするにはデザインしかない。だから、ロボット開発でデザインは最も重要なのです。」

日本でロボット産業が世界でトップクラスの地位を占めているのはなぜだろうか。
もちろん、技術力や創造力、資金力というのも大きな要因だと考えられる。
しかし、記者は松井社長の発言を聞いて、ある人物の言葉に回答を求めた。
以前、アニメジャパンの記事でも引用したのだが(拙稿 https://getnews.jp/archives/878525 参照)、平成25年3月15日衆議院財務金融委員会における麻生太郎財務大臣だ。日本のクールジャパン戦略について牧島かれん議員の質問に対しての答弁であるが、一部を国会議事録から引用する。

「(前略)我々、アニメという話をよくします。このアニメーションというものの中で、ずっと続いて、今でも売れている人気のアニメーションというのは、多分、ポケモン、ドラえもん、ワンピースだと思います。これで今笑えた人は、わかっている人たちなんですよね。この問題を聞いて、多分、笑えない人がいっぱいいるんだと思うんだ。
 ポケモンというものの一番のよさは、一言もしゃべらないんですよ。チュッとキュキュキュしかしゃべらないんですから、ポケットモンスターというのは。でも、言葉がなしでもコミュニケーションはできるという、この文化を世界に植えつけた最初のものだと思いますね。
 ドラえもん、アストロボーイというのは鉄腕アトムのことですけれども、これも同様に、ロボットは人間が困ったときに助けてくれるという概念を日本人に植えつけたがゆえに、日本では世界で一番ロボットが普及した。ヨーロッパでは普及しませんでしたから。ロボットが人間を使うという話になって、普及しなかった。(後略)」

つまり、言葉がなくてもコミュニケーションは取れるし、日本ではロボットは人間を助けてくれるものという認識だから、これだけ発達したのだろう。このパタンが近い将来、言葉なしで人間を助けてくれる日常が来ることに期待したい。

※写真はすべて記者撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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