ガンダムゲームの定番『Gジェネ』が新作発売 その裏に見る人間の価値とは?
1979年の初代放送から30年以上も愛され続けるガンダムシリーズは、中高年の方から小さな子供まで三世代(下手すれば四世代も?)で楽しめる作品で、単なるアニメというよりは日本発信の偉大な文化といっても大袈裟ではないですね。
TV作品からDVD/BD、映画、OVA、コミックスなどの作品自体はもちろん、ガンプラ、ゲーム、コスプレ、実物大ガンダムにいたるまで楽しみ方は人それぞれ。なんとなく知っているという人から全シリーズ制覇している人、特定作品のみに愛を注いでいる人など、長寿シリーズならではの様々なファンを抱えているのもガンダム作品の特徴となっています。
そんな多世代/多方面にわたるファン層に向けて、ガンダムゲームの定番ソフト『ジージェネレーション』(以下『Gジェネ』)の最新作『SDガンダム ジージェネレーション ワールド』が2011年 2月 24日に発売となります。前作から1年半ぶりとなる本作は、Wiiに加え携帯ゲーム派にも嬉しいPSPも併せて発売。
SDガンダム ジージェネレーション ワールド | バンダイナムコゲームス公式サイト
http://www.ggene.jp/world/
『Gジェネ』はモビルスーツ(戦闘ロボット、以下MS)との戦いを軸にしたシミュレーションゲームで、パイロットやクルーを好きなMSや戦艦に乗せ、それらを自由に組み合わせて部隊を編成、敵との戦闘に臨む戦術級のゲーム。戦いを重ねて行くことでパイロットやMSの戦闘力もどんどん上がる他、新たなMSを生産したりオプションパーツを装備する事で、より強力なユニットを揃えることができます。
前作のキャッチコピー「全てのガンダム世代へ贈る─」からわかる通り、このゲームの大きな特徴として単一シリーズ(例えば『機動戦士ガンダムSEED』など)だけを扱うのではなく、ほぼ全てのガンダム作品が盛り込まれていることが一番のセールスポイント。今回の新作ではOVAなど派生作品も含めた50作品を収録しています。ほとんどのキャラクター/MSを網羅しており、レア機も含めたばく大なボリュームは、全てを遊び尽くすに相当な時間がかかるほど。
シリーズを越えてお気に入りのキャラやMSで自由な部隊編成を思う存分やりこめます。その特徴を活かして、歴代の主人公&歴代ガンダムのみを集合させるも良し、ヒロインだけの女子会チームで敵をフルボッコにするも良し、本編アニメではやられ役のザクやジムを成長させて最強MSに仕上げるのも良し、と遊び方も無限に広がります。ガンダム好きであれば敷居もそんなに高くないゲームなので、普段ゲームをしない人にもオススメです。シナリオでオリジナル作品の追体験しつつ、『Gジェネ』の世界観を楽しむことで新たな『ガンダム』の世界を開拓してみてはどうでしょうか。戦闘シーンに挿入される各キャラクターの名台詞も聞き逃せないポイントです!
ちょっと話題がそれますが、注目したいのが人の値段。このゲームでは戦闘をクリアするごとにキャピタル(お金)をもらえ、それと引き替えにMSやキャラクターを手に入れることができます。もちろん優秀なキャラクターや強いMSほど高額になるのですが、様々なキャラクターがお金という生々しい数値で表されているのは興味深い所。
主人公キャラクターは初期配備されたりイベントを入手できるので値段は付いていないのですが、それ以外の入手可能なキャラクターの値段で色々比較してみましょう。ガンダムシリーズを生んだサンライズと本ゲームのバンダイナムコゲームスは同じバンダイナムコグループの会社。ということはかなり信頼性の高い設定ということでもあり、考察する価値のある情報でもあります。
※アニメ本編に比べ、ゲームバランスを考えて色々調整はしてあると思います。また、データやシステムは前作『SDガンダム ジージェネレーション ウォーズ』に準じています。新作『SDガンダム ジージェネレーション ワールド』ではデータやシステムが変更になることがあります。
最高額は意外なキャラクターなので置いておいて(それが誰かはゲームでお確かめ下さい!)、それ以外の一般枠で最高値が付いているのは73年版のキラで8万2500。あのシャア(逆襲のシャア版)の8万1100を抜いての堂々トップです。キラの幼なじみで良きライバルかつ盟友のアスラン(73年版)は7万2000。1万以上も安いのは彼のファンにとってはショックですが、逆に割安感があり大きな買い材料とも言えます。
割安と言えばギルバート・デュランダルの5万5300、エギーユ・デラーズの4万7600、リリーナ・ピースクラフトの4万5100というのも見逃せません。最高評議会の議長であったり、ジオン軍残党の指導者であったり、一国の王女だったりと、いずれも大きな組織のトップでありながら値段的には総じて低い評価。純粋にパイロットやクルーとしての能力しか判断基準になっておらず、社会的価値は全く反映されていないことがわかります。首相や大統領だからといって、優れた政治家とは限らないのと似ているというのは言い過ぎでしょうか。リアル社会でも純粋な評価が正しく数値化できれば選挙の投票で参考になり、優秀な政治家のみを議員や首相/大臣として選出できそうですね(笑)。
一方、可哀想なのがジェリド・メサ。主人公への復讐に燃えるエリート兵士ながら、カツ・コバヤシの4万3500より低い4万2300はちょっと悲しいところ。本編アニメではカツよりパイロットとして活躍する場面も多くあったのですが、カツもカツで2作品連続セミレギュラーの面目躍如、といった所でしょうか。ファ・ユイリィと同価格の4万300のアルファ・A・ベイトも複雑な心境でしょう。クールで優秀な軍人も、未知の可能性を持つファと価値は変わらないのかもしれません。
とはいえ「性能の差が戦力の決定的な差ではない」というのがシャアのセリフにあるように、本ゲームでは何よりもキャラクターやMSへの愛が重要。思い入れのあるキャラを使い続けて成長させれば、きっと最強の戦士として活躍してくれることでしょう。
俺が…俺たちがガンダムだ!
SDガンダム ジージェネレーション ワールド(ガジェット通信ゲームズ)
※この記事はガジェ通一芸記者の「unit3」さんが執筆しました。
●unit3さんプロフィール:音楽、写真、映像、舞台、デザインなどの活動をしています。記事では、作品寄りだったり、実験的な事について紹介出来ればと思います。他にはマンガ、アニメ、ゲーム、オートバイ、レース(F1、MotoGPなど)、ガジェット関係等も興味があります。
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