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ツバメが減っている? その理由は空き家の増加にある!?

ツバメが減っている? その理由は空き家の増加にある!?

あなたはもう、今年のツバメを見た? 東南アジアから数千kmの距離を渡って日本に戻り、子育てをするツバメは害虫を食べる益鳥として、商売繁盛の吉兆として歓迎されてきたのだが、最近はその数が大きく減っているという。何が起こっているのか、ツバメ事情をご紹介しよう。
ツバメが減っている!? 40年前の半分以下というデータも

昨年ヒナを育てていた巣に、今年もツバメたちが戻ってきた(上記写真は昨年の様子)。これは、筆者の自宅(大阪府吹田市)最寄駅と隣接する商業施設との通路に設置された非常灯の上、とても人通りの多い場所につくられた巣だ。昨年はヒナたちにせっせとエサを運ぶ親鳥の姿を見かけたし、今年も卵を温めている様子なので、もうすぐヒナが誕生するだろう(5月中旬時点)。

しかし、なぜこんな場所に?と思い、ツバメのことを調べてみると、どうやらツバメの数が減っているようなのだ。日本野鳥の会・自然保護室の荒さんに、ツバメ事情について伺ってみた。

「ツバメは冬場を南の国で過ごし、春先に日本へと戻ってきて産卵と子育てを行います。渡りは単独で行い、まずオスが先に戻ってきて、前年の巣が残っていればその側でメスの到着を待つのです。昔から“幸福の鳥”として親しまれてきたツバメですが近年は数が減り、40年前と比べると半分まで減少しているという調査データもあります。その理由はいくつか考えられます。

・都市近郊では田畑が減ることで、エサとなる虫が少なくなった
・軒先のある住宅が減り、巣材の泥が付着しにくい防汚加工をされた外壁材が増え、巣づくりが難しくなった
・カラスなどの天敵により卵やヒナが襲われてしまう
・フンが落ちて汚いと思う人間によって、巣が落とされてしまうケースが増えている

などです。大阪には“つばめ通”と呼ばれる商店街もありますが、ここも飛来数は減っているようです」とのこと。

都市や住宅環境の変化によって、ツバメの暮らしにくい街が増えているということなのだろうか? 早速「つばめ通」を訪ねてみた。シャッターが目立つ「つばめ通」に頑張って戻ってきたツバメたち

「つばめ通」は大阪市淀川区・阪急十三(じゅうそう)駅にほど近い「十三東本通商店街」の別名だ。商店の軒先に点々とツバメが巣をつくっていたことから約30年前に名付けられ、有志の方によって「つばめ通」という石碑も建てられている。買い物客や通学の小学生たちに親しまれてきたツバメだが、近年は徐々にその数が減っているようだ。

実際に商店街を歩いてみると、巣づくりの助けとなる巣台だけが残る軒や、巣が取り払われた跡もみられる。「もう、ツバメはいないのか?」恐る恐る商店のおばちゃんに尋ねてみると「いやぁ、今年も来てるよッ」と教えてくれた。確かに喫茶店や時計店の軒下に新しい巣がつくられている。しばらく眺めていると、飛び交うツバメたちに出会うこともできた! 良かった! ただし、やはり数は激減しているようだ。

【画像1】十三(じゅうそう)東本通商店街、別名「つばめ通」(写真撮影:井村幸治)

【画像1】十三(じゅうそう)東本通商店街、別名「つばめ通」(写真撮影:井村幸治)

【画像2】喫茶店の軒下にある巣。シャッターが閉じられた商店が目に付く「つばめ通」(写真撮影:井村幸治)

【画像2】喫茶店の軒下にある巣。シャッターが閉じられた商店が目に付く「つばめ通」(写真撮影:井村幸治)

商店街を歩いてみて気がついたのは、シャッターを閉じた店が多いこと。小学校の通学路でもあり、平日の午後3時ごろという時間帯でもあったが、行き交う人はそれほど多くない。以前とは街の様子が大きく変わってしまったのだ。

ここで、ふと思ったことがある。人の気配が少なくなることで、天敵であるカラスの侵入を許しツバメのヒナが襲われている? 同じことが日本の各地で起こっている? つまり、「空き家やシャッター通りの増加が、ツバメの減少の一因となっている」という仮説だ。人の気配がするにぎやかな場所を探し、巣づくりをするツバメたち

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