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歯の健康を保つためにすべきこととは?

歯の健康を保つためにすべきこととは?

 テレビのCMなどで「オーラルケア」という言葉を耳にすることは、さほど珍しくありません。しかし、私たちは「歯をおろそかにすると、あとで大変なことになる」ということをどれだけ実感できているでしょうか。
 歯科衛生士の豊山とえ子さんが執筆した『歯は磨かないでください』(廣済堂出版/刊)は、「多くのひとが、まちがった歯のケアをしてしまっている」という観点から、歯の正しいケア方法について、わかりやすく解説してくれる一冊。「歯を磨くな」と言っているのではなく、歯ブラシで磨くだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使った、より丁寧なケアが大事だと訴えています。

 今回は豊山さんにインタビューを行い、本書の内容を中心に歯のケア方法についてお話をうかがってきました。その後編です。
(インタビュー・構成:神知典)

■歯茎を見れば、自分の健康状態が分かる?

――本書では、歯周病に関する記述に多くのページを割かれていたのが印象的でした。あらためて歯周病とはどのような病気なのか教えてください。

豊山:歯周病は、歯を支える組織に炎症が起きる病気です。そして、日本人の成人の8割が歯周病だといわれています。
また、あまり知られていませんが、歯周病は最悪、死に至る病でもあるのです。たとえば、歯周病菌が血液中に入ると、動脈硬化のリスクが高まるというデータも出ているほどです。
歯周病を放置すると、顎の骨が溶け、やがて歯そのものが抜け落ちてしまいます。歯を失えば、ものを噛む力が落ちる。噛む力が落ちれば、摂食障害や栄養吸収の低下にもつながります。結果、外部から浸入してくる細菌やウイルスへの抵抗力への抵抗力も落ちてしまい、さまざまな全身の病気を引き起こしかねません。
ただ、歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれるほど、自覚しにくい。気づいたときには、すでにかなり進行してしまっているというケースが多いのです。

――本書には、「歯周病にはいくつかの段階がある」とも書かれていました。

豊山:大きくわけて、歯周病には4段階あります。そして、2段階目(軽度歯周炎。歯根[歯の根]と歯槽骨[支える顎の骨]をつないでいる歯根膜と言われる弾性繊維が失われ、歯周ポケットがどんどん深くなっていく段階)に入ってしまうと、元の形に回復させる治療が極めて難しくなっていきます。
ですから、早期発見、早期治癒という意味でも、プラークコントロールや、定期的な歯科医院通いが重要になります。専門家であれば、歯周病になる前のちょっとした異変も察知できますから。

――自分自身で歯周病を予防するという意味で、本書では歯や歯肉を見る習慣の重要性についても触れられていましたね。

豊山:朝、身支度をなさるときに「ネクタイ、曲がってないかな?」とチェックする感覚で、口まわりの状態をチェックされてみることをおすすめします。「歯のスキマに食べたものは詰まってないか?」「歯茎は赤くなってないかな?」といった感じで大丈夫です。もし、ふだんより歯茎が赤く腫れているなら、その日の夜は、いつもより時間をかけて歯と歯茎のお手入れをしてみる。あるいは、お酒や甘いものを控えてみてください。

――歯肉を見れば、その時々での自分の健康状態がある程度わかるということなのですね。

豊山:そうです。歯肉を見る習慣が身についてくると、口のなかのちょっとした変化や、セルフケアの過不足に対する感度が高まってきますので。
それに歯肉はとてもデリケートなので、体調によって影響を受けやすいのです。疲労がたまってくれば腫れやすくなりますし、女性の場合、生理周期によって腫れやすくもなります。

――お話を聞いていると、普段自分が歯の状態に無頓着になりがちなことに気づかされます。また、本人が歯に無頓着であるのとは対照的に、周囲は意外とその人の歯を見ているものだと書かれていますが、歯は印象面においても大事ですよね。

豊山: はい。わたしたちは人と会ったとき相手の顔を見ますが、無意識のうちに相手の目だけでなく口もとにも視線が向くものです。なぜなら、口もとは、笑い、喜び、悲しみ、怒りなど、様々な感情をあらわすパーツだからです。

――なるほど。そういった意味では、歯を健康に保つことが相手にポジティブなイメージを与えることにもつながるのですね。本書に書かれていた「歯年齢」とはどういうものなのかについても教えていただけますか?

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