追加取材!外柵解放、植えてはいけないケシの花が見ごろです『東京都薬用植物園』

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以前に東京都薬用植物園で二重の外柵が解放されてケシの花が間近で見ることができる旨の取材記事(詳細は拙稿https://getnews.jp/archives/937725参照)を執筆したが、件のケシの花が見ごろになったので、追加取材でレポートする。

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最寄りの駅は西武拝島線東大和市駅なのだが、都心部から行く場合で時間に余裕がある場合は東京都交通局の都営まるごときっぷをお勧めする。700円で都営地下鉄、都営バス、日暮里舎人ライナー、都電荒川線が乗り放題だが、これを使うと時間はかかるが途中の西武鉄道だけを別払いすれば、意外と安く行くことができる。

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ルートは発駅から都営まるごときっぷを使って、とにかく都営地下鉄や都営バスを駆使して、都営大江戸線の中井駅まで行き、そこから別払いで西武新宿線に乗り花小金井駅で下車。ここから再度都営まるごときっぷを使って都内最長距離路線バスである都営バス梅70系統に乗車して東大和市駅前で下車すれば目的の植物園は目の前である。梅70系統は本数が少ないので、あらかじめ時刻を調べておくこと。

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植物園を見学して、同じルートで都内に戻れば、都営まるごときっぷを使い倒して都内の散策に使うとよい。都内各施設の入場料金が割引になったりするので、駅でパンフレットをもらっておくと得する。

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すでにケシ・アサ試験区の外柵は解放されており、誰でも内柵の外まで入ることができる。この記事の写真のケシはすべて植えてはいけないケシで、観賞用の植えてもよいケシは一つとして掲載していないので、もし同じものを河原や街路で見かけたら保健所や麻薬取締官、警察官に通報して鑑定してもらおう。むやみに触れてはいけない。

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相変わらず、アヘンやモルヒネ等、ヤバいことがたくさん書いてある掲示。

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不正大麻やケシの見分け方を記載した立派なポスターを無料で配布しているので自由に持ち帰ってよい。

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内柵の中に入っているのは大学の薬学部生。大学といえどもケシをむやみに栽培することはできないので、講義の一環として実習のために特別に許可を得て入っているとのこと。

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花は美しいが栽培してはいけない。

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外柵解放期間中は、周囲に専門の説明員が常駐しているので、説明を受けるのもいいし、疑問点を聞いてみるのもいい。

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記者はこれらの美しい花を見ながら、専門家から説明を聞いた。

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植えてはいけないケシの代表格は、ソムニフェルム種のケシ、セティゲルム種のアツミゲシ、ブラクテアツム種のハカマオニゲシ。

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東京都内だけでも年間5000本を超える不正ケシが発見されて引っこ抜かれるそうだ。

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大半は種子が自然にどこかから飛んできて庭先に勝手に発芽してしまって、きれいだからそのまま育ててたら不正ケシだタっというオチ。

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驚くべきことにケシの種子は規制対象にはなっていないので、旅行者が持ち込んでもそれ自体は取り締まることはできない。もっとも、種子だけを見て不正ケシなのかどうかの判別はなかなかできないそうなので、そのまま輸入されてしまうそうだ。

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欧州では観賞用に許可されているケシの種子を旅行者が持ち込んで、観賞用だからいいんだと思って育ててみると日本では違法だったというケース。

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たいていは知らないで栽培されていることがほとんどなので、持ち主に事情を説明して引っこ抜かれて麻薬取締官らに持っていかれるそうだ。

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日本では当地のように許可をされた場所で栽培してアヘンを採取して医療用のモルヒネにする量が約1トン。まったく足りないので約120トンがインドからの輸入で賄っているそうだ。

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それでも日本で少量ながら栽培し続けているのは、日本固有の種もあるため種の保存や研究目的で少量だけ生産されているとのこと。

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記事中の写真でいくつか花に袋をかぶせてあるのを確認できるが、その花は種子を採取するために他のケシとの自然交配を避けるための措置だという。

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医療用に必要な分をすべて国産で賄おうとすると、アヘン法による厳格な管理費と人件費だけで膨大な費用がかかるため、結局輸入に頼っているということ。

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前述の引っこ抜かれた不正ケシはここに集められ、またここでアヘンを採取した後のケシも種子ができる前に(未熟の間に)同様に引っこ抜かれて、写真のこんもり盛り上がった塚の下の穴に埋められてしまう。

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ハカマオニゲシ以外の不正ケシの簡単な見分け方は、葉が全体に白っぽいこと、写真のように葉が茎を抱いているように生えていることだそうなので、見つけたらぜひ通報してほしいとのことだった。

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ケシの横に、アサも植えられている。言わずと知れた、いわゆる大麻草だ。

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夏から秋にかけてぐんぐん大きくなる大麻草だが、まだ芽が出たばかりで素人目には雑草と大差ない。これも要注意だ。

東京都薬用植物園では5月22日まで外柵を開放しているので、花が見ごろの今がお出かけのチャンスだ。
さわることはできないが、かなり近いので合法的に美しい花を写真を撮って自慢しよう。ただし、いらぬ誤解を受けないためにも、撮影地は明記しておいた方がよさそうだ。

※写真は記者もしくは、同行カメラマン小野寺稔昭撮影。

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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