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デキない新入社員も必ず伸びる「魔法の褒め言葉」とは?

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 4月に入り、大学を卒業したての新入社員たちが入社してきた会社も多いだろう。
 世代が違えば、価値観も違うもの。自分たちの世代の考えでは考えられないような言動を取られることもあるはず。
 そんな彼らをどのように戦力にしていけばいいのだろうか?

 小中高校対象の個別指導塾を経営する喜多野正之さんは、子どもや若者たちと普段から接する中で培った「さとり世代」との付き合い方を『さとり世代のトリセツ』(秀和システム/刊)という一冊の本にまとめた。
 読めば「みんな同じように苦労しているんだな」と思うという本書。「さとり世代」に見受けられる87の行動を取り上げ、その対処方法が書かれているので、上司・先輩や人事担当者は一読すべきだろう。

 今回、新刊JPは喜多野さんにインタビューを行い、本書についてお話をうかがった。その後編だ。
(新刊JP編集部)

■さとり世代を戦力化するために必要なものとは?

――ここからは上司や先輩たちの「さとり世代」との付き合い方についてお聞きしたいと思います。まずは彼らが言っていることに対して、どの程度耳を傾けるべきなのでしょうか。

喜多野:もう全力で耳を傾けるべきです。受け入れるかどうかは別にして、「なるほど」と話を聞いてあげてください。彼らの主張をちゃんと聞いて、ちゃんと言ってくる姿勢を褒めるんです。

――彼らの話を受け入れるかどうかは別、というのはどうしてですか?

喜多野:ほとんどの場合、その意見や主張が「誰のためになるのか」というところまでいってないんです。もちろん、100%自分のための主張であればいいのですが、自分のためにもならないんじゃないかということもあるので。私はその場合、「誰が得するの?」ということを聞きます。

――そうすると、「あれっ?」となる。

喜多野:「うーん」っていう感じになりますよね(苦笑)。良い話をしたはずなのに、全く響いてないという意味で、こっちが「あれっ」となります。

――「さとり世代」の社員の心をつかむために、会社全体で取り組むべきことはありますか?

喜多野:彼らの趣味に付き合うことも大事かなと思います。例えば、コスプレの話をしてくる社員がいたので、自分も勉強しました。普段は仕事上の付き合いになりますけど、彼らはあまりそこを求めていないんです。だから、彼らの得意分野で共有できるものを少しずつ増やしていこうと。
あとは、いちいち評価をしてほしいというタイプもいますが、そういう子にはちゃんと毎日「いい仕事をしたね、特にこういう点が良かった」と声をかけたりしています。ただ「いい仕事をした」だけの口先だけの対応では見透かされるのでダメです。

――ちゃんと見てあげているということを伝えるわけですね。

喜多野:そうですね。これは我々が学習塾という仕事を営んでいるからかもしれませんが、ちゃんと見て、ホメるのが得意なのです。技の一つに「未来承認型のホメ」があります。今は何もできていないけれど、近い将来「こういうことが出来るようになるよ」、「それってすごいよ」、というホメ技です。

――褒めてあげて次のステップに進めてあげる。

喜多野:その人の未来像を褒めてあげるんです。もともとは生徒に教えるためのスキルで、「今は単語を一個覚えるのに何分かかるけれども、全て単語を試験までに覚えたら20点くらいは取れるよ。いままでは単語だけだと5点しか取れなかったけど、これで15点プラスじゃん。すごいなあ」みたいな(笑)。まだ点数は取っていないんですが、取った未来の姿を褒めるという技ですね。

――これをやればほぼ乗ってくる。

喜多野:そうですね。乗らない子はいません。反応が薄くても嬉しさは感じているようです。まあ、これは塾の生徒の話で、若手社員に全く同じようにしませんけども(苦笑)

――本書の中の「親に休みの連絡を入れてもらう」という項目は驚きました。

喜多野:これは実話ですからね。他の企業さんにも聞いてみたのですが、やっぱり同様の事例が沢山でてきました。若手社員の「あるあるネタ」になっているようです。

――また、「会議の準備・段取りが悪い」というのは、新人であるならば誰もがぶつかる壁だと思います。

喜多野:これは2、3回やっても同じことを繰り返すという意味ですね。この会議はプロジェクターを使うことを分かっているはずなのに用意していないとか、資料を印刷していないとか。
ただ、そういうことがあっても無下に怒ってはいけません。毎回指示を出しているとなかなか成長しないので、会議の前になったら相手に「今回の会議に必要なものは?」と質問をして、準備に対する認識を上げるんです。それを元にマニュアルを作ってもらうというやり方もいいでしょう。

――それに本書を読んでいると、「さとり世代」は非常に自分の欲望に対して合理的に動いているという印象を受けました。とても効率的ですし、最短距離で進もうとする。上の世代が「さとり世代」から学べることはあるのではないですか?

喜多野:うーん、彼らそのものから学ぶよりは、彼らと接することで学びを得ることはたくさんありますね。はっきり物事を言ってはいけないとか、時間の感覚が違うとか。それに相手の話を聞くことも大事です。自分自身を鍛えているつもりでその世代に接すると、実りがあるように思います。

――インタビューの冒頭でもお話が出てきましたが、喜多野さんの会社では当初ほぼ100%だった離職率が、今では10%にまで減少した、と。この決定的な要因はなんだと思いますか?

喜多野:コミュニケーションの頻度だと思いますね。まだ仕事に慣れていない新入社員はへこみがちなところがあるので、「どうしたんだ」と聞いてあげる。「何でもないです」と返ってきても「そんなことはないだろう」と言ってはいけません。彼らの言うことをまずは受け止める。「何でもないのか」とオウム返しのように言うんです。そこから、周囲を引き合いに出して「あいつも辛いと言っていた」と言いながら少しずつ話していくと、だんだんと心を開いてくれるんです。君だけじゃないよ、と。
本心としては「早く言えよ」なんですが、相手を受け止めるリアクションをしないと心を開いてくれません。コントをやっているようなつもりで接するといいと思います。
ただ、とにかくコミュニケーション頻度ですのでその部分は覚えておいてほしいですね。

――本書をどのような方に読んでほしいとお考えですか?

喜多野:若い世代の扱いに困っているビジネスパーソンの皆さんに読んでほしいです。他人は変えられないですが、自分を変えることはできるので、後輩や部下の指導はもうコントだと思ってやりましょう(笑)。
「さとり世代」の接し方は視点を変えればかなり楽になると思います。「ああ、こういうケースよくあるな。分かる」と思いながら読んでもらえれば、だいぶ胸がスッとするのではないかと思います。
それと、読みきったら、ぜひ部下や後輩にもこの本を渡して読んでもらうといいかもしれません。上司や先輩が何に悩んでいるのか少しは分かってくれるはずです。

――では最後に、読者の皆様にメッセージをお願いします。

喜多野:私自身も社員の育成には大変苦労してきましたし、これからも苦労していくと思います。でもこれは私だけの戦いではなく、皆さんと共に戦うものだと思っているので、もっと楽に勝てるように協力して戦っていきましょう。
また、今後、セミナーなどもどんどん開いていく予定です。企業の人事担当者向けに、事例を踏まえて新入社員との接し方について語りながら、「さとり世代のトリセツ会」みたいなものも作っていきたいと考えています。ぜひよろしくお願いします。

(了)


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