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子育て中の女性支える「鳥取大学附属病院」 働きやすさ求めて全国から看護師が集まる

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看護師の資格を持つ人は全国に225万人おり、9割以上が女性だが、全体の3割以上が未就業だ。その理由として半数以上の人たちが「出産・子育てのため」と答えている。

そんな中、働きやすい環境を整えて全国から看護師が集まってくる病院もある。2015年3月24日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、子育て中の女性を救う大学病院の様々な取り組みを追った。
24時間保育で救急病棟のスタッフを支援

鳥取・米子市で暮らす藤田恵美さん(27歳)は、6歳の男の子と5歳の女の子を抱えるシングルマザー。4年前に離婚し、看護師として働きながら1人で子どもたちを育てている。

藤田さんが勤務する鳥取大学医学部附属病院には、敷地内に病院が経営する「すぎのこ保育所」があり、職員の子どもおよそ100人を預かっている。

救命救急病棟に勤務する藤田さんは、子どもを保育所に預け、夜勤も月に数回行っている。重症患者は夜間が多く、1人でも多くの患者を救いたい気持ちと、「みんなと同じように働きたい」という気持ちからだ。

「シングルマザーだから、子どもがいるから、みんなと同じように働けないというのは、自分の中では違うという思いがあります」

保育所は24時間保育で、残業で遅くなればそのまま一緒に食事をとり、保育士が風呂や就寝まで面倒をみる。発熱などの不安がある子どもも常勤の看護師が世話をして、鳥大病院の医師が診察もしてくれる。

保育料は預けた時間や子どもの年齢によるが、藤田さんは1人当たり2万5800円。それも1人親の場合、病院側が半額負担してくれる。
「小1の壁」に涙を浮かべたが…

様々な改革の陣頭指揮を執ってきた病院長の北野博也さんは、その目的を「従業員が最も活躍できる場を作ること」だと語る。

「女性を甘やかすためにはやっていません。赤ちゃんが生まれた男性が休むことも奨励しているし、いろいろなことで男女とも働きやすい職場をつくる。そして、持っている能力を最大限生かしていただく」

保育所のほか、残業などで食事を作る余裕のない職員向けに「夕食持ち帰りサービス」も行う。1食290円の格安弁当だが、栄養バランスが考えられたボリューム充分なメニューだ。女性医師は「前の勤務先ではこういったものはなかったので、本当に助かっています」と嬉しそうだ。

こうした配慮が評判となって、多くの女性看護師が全国から働きたいと集まっている。兵庫県から来たある助産師さん(23歳)は独身だが、「地元で就職しようとして探していましたが、しっかりした制度があるのでこちらを選びました」と語る。いまや看護師750人のうち子育て中の看護師が約150人働いている。

しかしシングルマザーの藤田さんは、長男がこの春小学校に入学するため、保育所を出なければならない。一般に「小1の壁」といわれ、夜間に預ける場所がなくなるなど、子どもが小学校に上がる際に直面する問題だ。藤田さんは「子どもと一緒にいる時間も大事、ということも分かるんですけど…葛藤ばっかりです」と目に涙を浮かべた。
専門部署が「学童保育」の回答を引き出す

この問題に、働く悩みごとを相談できる部署「ワークライフバランス支援センター」の谷口美也子さん(41歳)が動いた。藤田さんの相談を受けた谷口さんは、病院の責任者が集まる会議でこれを議題に挙げ、事前に保育所の運営会社にも打診しておいた上で「学童保育をぜひ進めて行く」という病院側の回答を引き出した。

この報せを聞いた藤田さんは、パッと笑顔になり「ほんとですか!」と感激していた。まずは現在の保育所に、土日や夜間でも小学生を預かる方向で検討が始まったのだ。病院長の北野さんは、「働きやすい環境を作れば人材も集まるようになる」と確信しこう語る。

「我々の病院は田舎にあり、なかなか評価されにくいし、都会に人材が流れていく。高度な技術を習得した看護師の皆さんが帰ってきていただいて、あるいは来られて、その力を発揮して頂けるとありがたいです」

鳥大病院の取り組みは、看護師だけでなく多様な人材が活躍しやすい職場を実現しようとするもので、その環境づくりのために専門の部署まで置く手厚さに驚いた。職場で周囲と同じように働けない人を退職に追い込んで来た日本の労働環境が、変わらなければ立ち行かないことに、もっと多くの人たちが気付いて欲しい。(ライター:okei)

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