悲劇を奇跡に…「風評」と「風化」に立ち向かう福島の今

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悲劇を奇跡に…「風評」と「風化」に立ち向かう福島の今
J-WAVE日曜朝の番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「OPINION」。3月8日のオンエアでは、福島県の内堀雅雄知事をゲストに迎えました。

2011年3月11日の午後2時46分。当時、福島県の副知事だった内堀さんは、福島県庁で仕事をしていた際「これまで人生で体験したことのない大きな揺れ」を感じたと話します。内堀さんがいた庁舎は使えなくなるくらいの激しい揺れだったため、福島県に10基ある原発への不安がまず頭をよぎったそうです。

震災から4年。復興へ押し進む今の福島県ですが、大きな問題として「2つの逆風」に直面しているといいます。ひとつは「風評」。もうひとつは「風化」。

「これ実は矛盾しているんですよ。風評っていうのは、いわれない事実で被害を及ぼされること。一方、風化っていうのは、まだあるのに無かったかのようにされてしまう。本当は矛盾する概念なんですが、それが両方とも福島に対して押し寄せてきているのが今の状況なんです。たとえば、風評に対しては明るいニュースをぶつけるとある程度効果がある。風化に対しては“まだまだ厳しい”“忘れないで”というメッセージをぶつけたくなる。ただ今、我々がやるべきことは、光と影、明るいニュースも厳しい課題も両方素直に発信していかなきゃいけないなと思っています」(内堀さん)

このように厳しい現状がある一方で、明るい兆しも。福島では若い世代の活躍が目立つとか。いわき市の高校生が企業とコラボして商品を開発したり、外から来た人のナビゲートをしたり、枠を超えた活動をしている姿を見て、内堀さんたち大人も「若いもんだけには負けてらんねぇ」と奮起するという、お互いに刺激を与え合う良い関係が生まれているとか。

「この4年間、多くの方に支えていただきました。今まだ福島は復興の途上にあって、時間は正直かかります。ただ、そのプロセスの中で多くの方に少しずつですけど、恩返しをしていきたいと思っています。3.11の悲劇を奇跡に変えていくプロセスで、『ああ、日本ってやっぱりすごいんだね』『東北は頑張ったね』と、こういうことを世界の方々に言ってもらえるように、これからも汗をかいて頑張っていきたいと思います」(内堀さん)

悲劇を奇跡に。東日本大震災から5年目に入る今年、福島では少しずつでも着実に変化が起きているようです。

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

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