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ポートランドに学ぶ[2] クリエーターが集まり活気づいたパール地区

ポートランドに学ぶ[2] クリエーターが集まり活気づいたパール地区(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

ポートランドに学ぶ 住んでみたい街といわれる理由
アメリカで「最も住んでみたい都市」に選ばれるオレゴン州の都市ポートランド。全米から移住者が集まるポートランドの魅力をひもとき、住みたくなる街選びのポイントについて考えていこうという全3回シリーズです。クリエーターが集まり活気を取り戻した街

ポートランドの都市再生の成功事例として挙げられるのが、都心部の北側に位置するパール地区(Pearl District)。以前は鉄道の操車場と倉庫街だった場所だ。車社会の到来で貨物輸送からトラック輸送にとって代わるのに応じて、見捨てられた都心部の空洞エリアとなっていた。

1980年代に使われなくなった倉庫が貸倉庫として活用されるようになり、次いでニューヨークなどのロフト文化を参考に、倉庫がロフト物件として活用されるようになった。すると、都心部近くに住居兼ギャラリーとなる広いスペースが低賃料で借りられることに着目した、若いアーティストたちが集まるようになる。

行政機関のひとつであるPDC(Portland Development Commission=ポートランド市開発局)もこのエリアに注目するようになり、民間デベロッパーのホイト社がPDCと組んで、鉄道会社から地区一帯の広大な土地を取得し、共同で開発したことで本格的な再開発が始まる。

具体的には、公共交通機関(ストリートカー)をパール地区まで延伸させて都心部への交通利便性を高めるとともに、建築条件を緩和するなどして、多様性のある街づくりを推進していく。古い倉庫などがレンガ造りの外観を活かしながら、ギャラリーやカフェ、ブティックなどにコンバージョンされる一方で、建築家がデザインした新築の複合ビルも建つなど、異なる事業者が異なるデザインの建物を提供し、個性的な街をつくり上げた。

【画像1】古い倉庫だったレンガ造りの建物が残るパール地区の街並み(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像1】古い倉庫だったレンガ造りの建物が残るパール地区の街並み(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)多様性が生み出す新しいコミュニティ

パール地区の再開発の特徴を示すキーワードが「ミクストユーズ(mixed-use)」「ダイバーシティ」だ。住居やオフィス、商業施設を別々にゾーニングするのではなく混在させることで、多様な目的で訪れる人が行き交い、街が活気づく。ショップやギャラリー、カフェやレストランが建物の1階に店舗を構え、華やかな街並みをつくり出し、建物の上層階はオフィスや住宅などを混在させる。また、住宅についても、低中所得者から富裕層向けまで、古い倉庫を改修したロフトやアパートメントから高級高層コンドミニアムまでと多様性を持たせている。

冒頭の写真の「パウエルズ・ブックス」は、パール地区を代表する建物で、倉庫ほどの広さで蔵書の多さでも有名だが、同じ棚に新書と古書、ハードカバーとペーパーバックを並べるミクストユーズの書店としても知られている。

【画像2】1階は店舗のショーウインドウが連なり、歩行者の目を楽しませる(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像2】1階は店舗のショーウインドウが連なり、歩行者の目を楽しませる(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像3】パール地区に隣接するオールドタウンにある、1914年築の「エベレット・マイクロ・ロフト」(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像3】パール地区に隣接するオールドタウンにある、1914年築の「エベレット・マイクロ・ロフト」(撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

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