ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

水曜日のカンパネラ、非存在、居住、解体と共に魅せた地下イベントーーOTOTOYライヴレポ

DATE:
  • ガジェット通信を≫

2015年2月8日(日)、新宿LOFTにて、水曜日のカンパネラ主催のイベント〈オトトイの地下室vol.2〉が開催された。

〈オトトイの地下室〉は、昨年3月、向井秀徳アコースティック&エレクトリック、クリトリック・リス、NATURE DANGER GANGといった音楽アクトに加え、鹿の解体、活弁、落語など多ジャンルを詰め込み開催されたイベント。同年3月に阿佐ヶ谷LOFT Aで行なわれた〈「オトトイの地下室」後夜祭〉でお客さんの賛同を得て、第2回の開催が決まっていた。そして、約1年の準備期間を経て、満を持しての第2回の開催となった。

「オトトイの地下室にようこそ」。前回と同じく、イベントの幕開けは、水曜日のカンパネラのライヴから。「オリジナルからはじまるかと思いきや、カヴァーからはじめます」と披露したのはカヴァー・ミニ・アルバム『安眠豆腐』収録の「カンフー・レディ」。とぎれることなくはじまった「デーメーテール」のイントロでは、ミラーボールに扮した乞食ガールズがステージ左右に現れ、まばゆい光のなかでグルグル回りはじめた。本イベントには非存在で参加の乞食ガールズ。「彼らを観ると自分自身が写るので、つまり彼らは存在しない」というコムアイの説明に、客席は戸惑いながら微笑が起こる。

お茶をモチーフにした「千利休」、ラジオでも爆発的ヒットを飛ばしている「桃太郎」、初期の代表曲「お七」とアガる曲を連発。さらに「マリー・アントワネット」でお菓子を客席に投げ、東電OL殺人事件をモチーフにした「ミツコ」で会場の熱が最高潮に。最後は〈血吸うたろか〉というフレーズが印象的な「ドラキュラ」をお客さんと練習しつつ大合唱。最後のソロ・パートでは、スタッフの鈴木氏が無理矢理ステージにあげられソロで独唱し、ハッピーな雰囲気のなかで水曜日のカンパネラのライヴは幕を閉じた。

扉一つ挟んだバーステージでは、去年から皆勤賞の山田広野が活弁ショーを行なった。山田が自主制作した無声映画にリアルタイムでナレーションや出演者のセリフを1人で行なっていく。B級映画を意識した下ネタ混じりのフィルムと、老若男女問わず声をかえていく山田の活弁に客席は笑いに包まれた。

山田のステージと入れ替えにメイン・ステージではomodakaが登場。白い仮面に和服姿という出で立ち、それと相反するようなコンピュータ機材に溢れたステージ。エレクトロ・ベースのトラックに、カオシレーターやゲームボーイなどでリアルタイムで上音を足していく。ステージ左右に設置されたモニターには、ヴァーチャルな演歌歌手が歌をうたい、そこにomodakaがマイクを差し出していく。MCでは機材の説明をするなど、お客さんも興味津々のパフォーマンスとなった。

そのころバー・ステージでは、居住で出演のぼく脳が家を作っていた。ダンボールの屋根とブルーシート、ガムテープで補強された外観、Jリーグ・カードのツギハギで作られた玄関のドア。家のなかにはテレビゲームや漫画などが備えられ、子どもが作る秘密基地をより進化させたような作りになっていく。いつの間にか家家の中にはNATURE DANGER GANGの面々が住まい、くつろいでいる。お客さんも自由に訪問し、家の中でファミコンなどゲームを楽しんだ。

続いて、メイン・ステージでは、コムアイの趣味の一つである鹿の解体が行なわれた。師匠である佐野氏が昨年に引き続き山梨より登場。今年も直前まで鹿が取れず開催が心配されたが、直前に鹿がつかまり開催に至った。そもそもこのショーは山梨・長野の山で鹿が増えすぎ害獣となり、鹿を捉えても捨てているという現状が一つの契機になって行なっているもの。昨年に比べると小ぶりな鹿であったが、D.J.Kuroki Kouichiも加わり、3人でやり方や部位を説明しながら解体をしていった。途中、NATURE DANGER GANGやVampilliaのメンバーも参加するなど、はじめて行なう経験に真剣な眼差しとユーモアある笑いで約1時間かけて解体を終えた。

引き続き、肉マスターであるD.J.Kuroki KouichiがDJをはじめる。お客さんたちは、事前に用意された鹿肉を使ったソーセージやカレー、丼などをそれぞれに食べながら、楽曲とこの日の雰囲気に浸っていった。ぼく脳が作っていた家はすっかり完成し、鹿鍋うどんを作るなど、ライヴハウス内とは思えぬくつろぎ方に観客は興味津々で忍び寄った。家の前には全コマに蜂の巣が描かれたぼく脳の作品と、グローブの竜田揚げが展示され、コムアイとともに竜田揚げを竜田揚げのグローブでキャッチボールするなどのパフォーマンス(というか余興?)も行なわれた。

イベントも終盤。オオトリを務めたのは、Vampillia。ヴァイオリンも参加のフル・バンド・セットの登場となった。〈オトトイの地下室〉初めてのバンド・セットでのライヴ。静かで厳粛なはじまりだったが、途中でハードコアばりの叫びが入り、客席でモッシュをしたり持参のハシゴに上り歌うなど、この日一番の大音量と客席を巻き込んだ。その様は、本日のライヴでうごめいていたエネルギーが一気に爆発するようであった。最後には、スタッフの鈴木氏が本日2回目の登場を果たすなど、出演者も客席もスタッフも巻き込んだ大団円となった。

コムアイは、このイベントを企画した理由を、最初のステージでこう述べた。「今日は私の観たい人たちだけを集めました」。その言葉通り、他の出演者のステージを客席で観ながら踊り、笑い、歩き回るコムアイの姿を観ることができた。ライヴ前のステージ設営では、サイボーグかおりが、コムアイの自宅から持ってきた木の枝を飾りつけるなど、ハンドメイドで自分たちの手で作り上げ、コムアイの頭の中の一部をかいま見るようなイベントとなった。

「あまりに濃いイベントで疲れちゃうので年に1回くらいにしたいと思う」という発言があったように、次回の開催は2016年以降になりそうだ。そのときは、どんな世界を見せてくれるのか。いまから期待して充電して待とう。(ねるねるね〜るね西澤)

〈水曜日のカンパネラpresents オトトイの地下室vol.2〉
2015年2月8日(日)新宿LOFT
出演:
【音楽】水曜日のカンパネラ / Vampillia / omodaka
【解体】鹿
【居住】ぼく脳
【活弁】山田広野
【非存在】乞食ガールズ
【DJ】D.J.Kuroki Kouichi(BootyTune / 肉マスター)

カテゴリー : エンタメ タグ :
OTOTOYの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP