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違法配信動画、SNSでシェアすると罪になる?

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違法配信動画を「見る」行為は必ずしも違法ではない

テレビ番組を勝手にネット上にアップロードした容疑者を、俳優の遠藤憲一さん演じる刑事が取調室でカツ丼をはさんで取り調べる「それ、違法です」CMがテレビで流れています。さまざまなバージョンがあり、容疑者たちは口々に弁解します。「ギリギリセーフだと思っていた」「見ている奴が悪い」「再放送されないのはもったいない」など。

今でも非常に多くのテレビ番組が違法アップロードされています。例えば、「番組名」と「動画」というキーワードで検索すると、たいてい違法配信サイトが見つかります(もちろん、勧めているわけではありません)。

さて、「それ、違法です」CMでも「見ている奴が悪い」というシーンがあります。もしかしたら放送局の本音なのかもしれませんが、実はネット上の違法配信動画を「見る」行為は必ずしも違法ではありません。なぜなら、著作権法でいう著作権は、基本的に著作物をコントロールする権利だからです。無断で、複製をつくれば複製権侵害、公衆に対して送信すれば公衆送信権侵害となりますが、「見る」という行為自体は著作物をコントロールしているわけではないので、著作権侵害にはなりません。

パソコンのハードディスクに記録…ダウンロードは違法

ただし、ダウンロードは違法です。例えば、ネット上に好きなテレビドラマがあったので、いつでも見られるようにパソコンのハードディスクに記録した、となるとアウトです。必ずしも刑罰が伴うとも限らず、また、親告罪のため捕まる可能性は低いと思いますが、違法なのでやめましょう。

さて、ダウンロードは違法、また、無断複製も違法だとしたら、違法配信動画を見るのは、やはり違法なのではないか、と思う人もいるかもしれません。なぜなら、違法配信動画を見る際、パソコンにデータをダウンロードしながら再生することが多く、この場合、動画の閲覧に際して、配信動画をダウンロードしたり複製したりしているのではないか、とも考えられるからです。しかし、このような複製(キャッシュ)に関しては、第47条の8(電子計算機における著作物利用に伴う複製)の規定が適用されることにより、著作権侵害には該当しません。

明らかに著作権を侵害している動画をシェアするのは危険

それでは、配信URLにリンクを張った場合はどうでしょう。これにはざっくり言って、2つのケースがあります。

(1)リンク先のURLの文字列を貼っただけ。クリックするとリンク先に飛んでそこで動画が再生される。
(2)いわゆる埋め込み型。リンク先に飛ばず、その場で再生される。

(1)の場合、データ送信するのはリンク先です。ですので、公衆送信などをしているのはリンク先のため、この意味の「リンクを張る行為」は基本的には著作権侵害になりません。

(2)の場合、違法配信動画かどうかが見た目や内容からはわからないようなら問題ないとされているようです。ただ、例えば、DVDが発売されているテレビドラマ本編を勝手に配信している場合、リンクであっても著作権侵害か、その幇助となる危険があります。

SNSでの動画のシェアは、(2)に該当するケースが多いかと思います。最近は、その投稿が表示されると、クリックしなくても再生される場合もあります。したがって、明らかにテレビ番組や映画の著作権を侵害している動画をシェアするのは危険です。やめましょう。

著作権だからといって、過度に恐れる必要はありません。ただ、自分の著作物ではないものの扱いには謙虚になりましょう。いずれにしても著作権者から削除要請された場合は、削除するのが無難です。

(小澤 信彦/弁理士)

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