ワンピ作者の仕事論に賛否「好きを仕事にした方が楽しい?」

access_time create folderエンタメ

ワンピ作者の仕事論に賛否「好きを仕事にした方が楽しい?」

「仕事を心から好きになるしかない」ジョブズの言葉

人気漫画「ワンピース」の作者、尾田栄一郎さんが、漫画家志望者に向けたメッセージの中で「好きを仕事にした方が楽しい」と語り、ネット上で議論が起きています。共感する声もあれば、「好きなことをして成功できる人間ならいいけど、好きだけど実らない人には地獄」といった苦言も挙がっているようです。

「好きなことを仕事をした方が楽しいか?」。このことを考えるにあたり、ある人物の言葉を紹介します。アップル社の創始者、スティーブ・ジョブズ氏によるスタンフォード大学での伝説的なスピーチの一文です。

Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do.If you haven’t found it yet. Keep looking. And don’t settle.(仕事というのは、人生の大きな部分を占めることになる。だからこそ、真に満足するには、素晴らしいと自分が思える仕事をするしかない。そして、素晴らしいと自分が思える仕事をするには、仕事を心から好きになるしかない。まだ、そんな仕事にめぐり会っていないなら、探し続けること。立ち止まってはいけない)

このスピーチに影響を受けた人は世界中にたくさんいると思いますが、私もその一人です。

何かに没頭した行為を経て「好き」という感情が芽生える

この「好きなことを仕事にする」「仕事に情熱を注ぎ込む」ことは、とてもシンプルで当たり前のことのように感じます。しかし、実際はそれがすごく難しい。なぜでしょうか?

「情熱を注ぎこみたい仕事だが、将来的に不安」「何がやりたいのかわからない」という質問は、多くの学生や社会人歴が浅い人から受ける質問でもあります。

そもそも、最初から情熱を注ぎ込めるものを持っている人はいません。ここで大切なのは順序です。例えば、多くの人は「仕事が好き」だから「営業に没頭する」と考えます。これが間違いです。「営業に没頭した」から「仕事が好きになる」のです。

何かに没頭した、夢中になったという行為を経て、心の中に「好き」という感情が芽生えます。何も没頭しない状態で何かを好きになるということはあり得ません。すなわち、前述の「将来的に不安」や「何がやりたいのかわからない」と考えている人は、仕事に没頭した経験がない、無我夢中になったことがない、という経験不足からくるものだと私は考えます。

「好きなこと」を仕事にできる人は、長い時間と苦労を共にできる

もちろん、仕事はそう簡単に没頭できるものではありません。世の中の偉業を成し遂げている人たちの多くは、最初から情熱があったり、「これが好きだ!」と没頭したのではなく、とにかく目の前の目標に向かって愚直に全力でトライアンドエラーを繰り返し、「自分はこれに情熱を注げる」「自分はこれが好き」「自分はこれをやりたい」と気づきを得た結果、今日があるのです。

最後に、「好きな仕事は楽しい」という考えは間違いです。 どの仕事も決して楽しいわけではありません。 また、「好き」という感情にはピンからキリまであります。 芸人を続けるために20年間アルバイトをする人もいれば、3年間の下積みすらできない人もいます。それだけ「好き」という気持ちには振れ幅があります。 本当に「好きなこと」を仕事にできる人は、長い時間と苦労を共にできるのです。その結果「楽しい」を手に入れるのです。

Stay hungry. Stay foolish.(ハングリーであれ。愚か者であれ)

(棚田 浩史/人材コンサルタント)

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. ワンピ作者の仕事論に賛否「好きを仕事にした方が楽しい?」
access_time create folderエンタメ
local_offer
JIJICO

JIJICO

最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。

ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。