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実家の家業を継げと言われたら……

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 経済産業省の資料によると、2012年2月時点で、日本には386万社もの企業があり、そのうちの99.7%を占める385万社は中小企業です。さらにいえばそのうちの334万社は従業員の人数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の小企業となっています。

 こういった中小企業の中には、創業者の一族で経営していたり、代々親から子へ社長の座を受け継いでいる企業が多く、親や親族が会社を経営していて、いつか自分が事業を継ぐ可能性があるという人は一定数いるはずです。

 「いつかは社長になれる」と聞くと何ともうらやましい身分のような気がしますが、何をするにしても先代と比べられますし、業績が落ちた時は批判され、もちろん事業の最終的な責任は自分一人で負わなければならないと考えると、決して楽とは言えないでしょう。

 『社長ほど楽しい仕事はない—三代目社長が考えた、成功する事業継承40のルール』(ダイヤモンド社/刊)の著者の金子智樹さんは、祖父が興した「金子コード製造所(金子コード株式会社)」の3代目の経営者として、先代が残した実績を受け継ぎ、それらに捉われない事業路線で会社を走らせ続ける「成功している後継ぎ」です。
 本書で金子さんは、企業の代替わりをスムーズに行い、事業をさらに発展させるためのポイントを明かしており、企業の後継問題を解決するためのヒントになっています。

■「継ぎたい時期」と「譲りたい時期」は違う
 親子や親族間での会社の承継を難しくしているのは、今の経営者が描いている「事業を譲る時期と方法」が、後継者の考えているそれと異なっていることが多いからです。
 だからこそ、継ぐ側と譲る側で互いの考えをすり合わせておく必要があるのですが、この際にポイントとなるのは、「継ぐ側の考え」を優先すること。つまり、継ぐ側は、会社を承継した後に事業をどう展開していくかというビジョンを作り、「自分から会社をもらいに行く姿勢」が大事なのです。
 事業を「譲る側の考え」を優先して承継してしまうと、後継者の準備が整わないまま代替わりしてしまうことになり、これは危険です。たとえしぶしぶであっても、「新社長」の考えるやり方、タイミングで承継を進めることが成功の秘訣だといえます。

■いずれ継ぐなら、早く入社する
 いずれ事業を継がせたい親族がいるのであれば、できるだけ早い段階で入社させるのもポイントだと金子さんはいいます。
 金子さん自身も、大学を卒業後すぐに、当時父が経営していた「金子コード」に入社、地位も給与も一番低いところから社会人生活を始めました。いずれ社長になることがわかっていたとはいえ、「下っ端」を経験して他の社員と苦労を分かち合ったおかげで、経営者となった今、入社当時一緒に働いていた社員が、積極的に会社を支えてくれ、事業のけん引力になってくれているそうです。

■継ぐ時期は明確に
 事業を継ぐ側からしてみれば、はっきりと「○年後からは任せるからな」と言ってもらえた方がモチベーションにつながりますし、何より準備ができます。会社の承継の時期は、はっきりと決めるに越したことはありません。
 「俺の目の黒いうちは…」「元気なうちは…」と、子どもや親族に経営を任せるタイミングをうやむやにすることは、彼らのためにも、会社のためにも良くないのです。

 「存続させること」は、会社の大きな目的の一つですが、正しい方法で事業を承継できないと、それもままなりません。
 本書には、そのために欠かせないこと、頭に入れておくべき考え方がつづられており、「譲る側」にも「継ぐ側」にも役立つことは多いはずです。
(新刊JP編集部)


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