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「デマが拡散するのは有害」というデマ(メカAG)

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「デマが拡散するのは有害」というデマ(メカAG)

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

「デマが拡散するのは有害」というデマ(メカAG)

「なぜネット上では「ウソ」が真実よりも拡散されてしまうのか?」 2014年10月24日 『GIGAZINE』
http://gigazine.net/news/20141024-rumors-truth-online/

みんな勘違いしてると思うんだよね。デマが拡散しやすいのは当たり前。基本的に人間は「新しいこと」「変わったこと」「常識を覆すこと」に興味を持つ。教科書とかに書いてあることは、正しいけど、あまりおもしろくない。

だからデマが拡散するのは早い。でも後追いで真実も拡散していく。ただ拡散力から言えばやっぱデマには勝てないだろう。でもそれが果たして有害なのか?

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たとえば神社の交通安全とかのお守り。昔からある。非科学的で真実とはいえない。でもそれなりに社会に定着してるし、有害とは考えられていない。

しかしそれがマイナスイオンとかになると、途端に目の敵にされる。お守りとマイナスイオンの違いはなにか?

これは歴史の古い宗教と新興宗教の違いを考えるのと同じだと思う。ようするに「昔からある」か否かでしかない。歴史が長く、にも関わらず社会に定着しているなら、それは社会と折り合いをつけ、社会の側もそれと付き合い方を習得し、安定した関係になる。

もしマイナスイオンとか新興宗教に有害性があるとすれば、それは社会が受け入れる体制を整えていないこと。もしくはマイナスイオンや新興宗教が社会との付き合い方を確立していない点。

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デマも同じで、別にデマを拡散してもいいと思うんだよね。信憑性を正しく評価した上でなら。つまり真偽不明な情報は、真偽不明のまま拡散すればいいのであって、それがいかにも真実だと受け取ってしまう点に問題がある。逆に言えば大衆がそういう扱いに慣れてないのが問題。

この問題はデマに限らない。たとえば先の原発事故。未確認の情報を関係者が国民に公表せずにいたら、国民は「なぜ隠すのか、なんでも現状をありのまま公表しろ」と怒った。

そこで確認が十分とれてない情報も公表するようにしたら、矛盾する情報が錯綜し(そりゃ、当たり前だ)、「何が本当か分からない、ちゃんと整理して公表しろ」とまた怒った。

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原発事故に限らず何かの事件があると、第一報は間違ってることが少なくない。しょうがないと思うんだよね。情報が不足してる段階で、関係者が「たぶんこうじゃないか」という推測を交えて語ったことを報道するんだから。

そこから矛盾する部分を炙りだして、確認をとるなり調査するなり、専門家に尋ねるなりして、辻褄が合う「推測」を組み上げて、最終的な報告になるわけだ。当然時間がかかる。それ以前の段階の情報がどうしてもほしいというなら、矛盾したままの情報を渡すことになる。

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まあ現状を少しでも知りたいという気持ちはわかるけどね。ソフト開発でも同じで、スケジュールが遅れてくると顧客は不安になる。重大なバグがなかなかとれず、そもそも少しは進展してるのかすら顧客は不安になる。んで「調査状況を報告しろ」という。

報告書を作ること自体かなりの手間で、正直そんな時間があれば、調査を進めた方がいいと思うのだが、まあ仕方ない。顧客の不安を解消するのも仕事のうち。

でも調査中の状況を報告するだから、「原因不明」「調査中」という結果が並ぶんだよね。当たり前なんだけど。「こういう調査をしましたが、原因は発見できませんでした」というのがずらずらと並ぶ。

するとさらに怒り出す顧客がいる。なんで問題のない部分ばかり調査してるんだ、問題がある部分を調査しろ、と。でも調査したから問題がなかったとわかるわけで(苦笑)。まあ、顧客も頭では理解してるんだろうけど、どうしてもね…。人間切羽詰まってくるといろいろ冷静に振る舞えないのはお互い様。

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話がそれたけど、デマが拡散するのが問題なのではなく、「情報の付き合い方」の問題だと思うんだよね。NHKのニュースで政府機関の公式発表として報道されれば、多くの人はそれを重視するだろう。一方、たとえば小学生が「○○って○○なんだよ~」と言ったからといって、普通の大人は信じないだろう。

こういうシチュエーションはウルトラマンや仮面ライダーでよくでてきたものだ。子供が宇宙人やショッカーなど悪の組織の企みを偶然目撃する。一生懸命周囲の大人に「たいへんだ」と伝えるのだが、大人は本気にしない。そのうち大事件になり「あの子供の言ってたことは本当だったんだ」という展開になる。

これってフィクションじゃないんだよね。本当のこと。子供は常に「なんで大人は自分のいうことを信じてくれないんだ」と思っている。だからドラマの中で「子供の言うことは本当だったんだ」と夢を叶えてあげる。同時に大人に「頭ごなしに常識で判断する」危険性について警鐘をならしている。

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インターネット時代になって学ばなければならないのは、情報との付き合い方。すべてを鵜呑みにするのでも、すべてを否定するのでもない。世の中には信憑性が中途半端な情報がたくさんあるのだから、自分なりの処理方法を自分の中で確立しなければならないということ。

社会からデマを排除して信憑性の高い情報だけにしようとしても、無理なこと。そういう社会がいいという人は、NHKだけみてればいいんだし(まあ、NHKも「奇跡の詩人」とか、いや、まあ)。

最新だけど信憑性が怪しげな情報もほしいのか、多少情報が遅くても信憑性の高い情報だけがほしいのか。我々が学ばなければならないのは、そういうこと。

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情報との付き合い方というのは「こうすればいい」という教科書がない。ハイリスク・ハイリターンが好きな人もいれば、ローリスク・ローリターンが合う人もいる。金儲けと同じ。金儲けの方法に「こうするのが正しい」という教科書がないように、情報都の付き合い方も、最終的には自分にあったやり方を自分で確立するしかない。

いくつかのパターンはあるから、それを学ぶ事はできると思うけどね。金儲けだって、「こうすれば儲かる」という本がたくさん出ているように。でもどれが正しいか、というかどれが自分に合うかは、結局自分で決めるしかない。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年10月29日時点のものです。

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記者:

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