【CEATEC2014】今年のトレンドその2 「8K」とウェアラブル

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10月7日から10月11日までの5日間で15万912人(前年比9564人増)を集めた今年のCEATECで、会場を隅々まで歩き回って見えた今年のトレンド。後半は、2020年の東京オリンピックに合わせて本格普及に向けたロードマップが組まれている「8Kスーパーハイビジョン」と、普段着のようにいつも身につけて使うことのできるウェアラブルデバイスに注目。このところ毎年出展されてる気がするけど、実際のところはどーなの?

“フルスペック”な8Kディスプレイに期待!

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ここでいう「8K」とは、現在のハイビジョンの16倍に相当する超高精細な映像表現を可能にする次世代の高解像ディスプレイおよび放送メディアのこと。今年はシャープが出展した“フルスペック”に対応の8K液晶ディスプレイが、展示品の中で最も優れた技術・製品などに送られる総務大臣賞を受賞したことで、「8K」ブースには常時人だかりができていた。

“フルスペック”を満たすためには、ただ解像度が高いだけではダメで、7680×4320のフル解像度、周波数120Hz、12ビット階調の映像を表示できることが「フルスペック8Kスーパーハイビジョン」の要件だそうだ。また、音声も最大22.2chの3次元音響に対応している。

この目で実際に見たフルスペック8Kスーパーハイビジョンの映像は、まさに次世代を感じさせるもの。真に迫りすぎていて、裸眼なのになぜか3D映像に見えるのだ(ソースにもよる)。不思議! 1秒あたりのフレーム数がこれまでの倍以上になっているので残像感がなく、目の疲れも少なくてすみそうだ。

こんな映像が自宅のリビングで楽しめるのなら、将来的には絶対に買い換えたいところだが、気になるのは「4K」ハイビジョンとの関係。パナソニックブースは今年も「4K」一色だったし、家電量販店も「4K」推し。4Kテレビもだいぶ安くなってきたとはいえ、いまだに数十万円はするものだし、そんなにしょっちゅう買い換えるわけにもいかない。もうちょっと待って「8K」を買ったほうがいいのか、今は「4K」で妥協しておくべきなのか、一体どっちがいいの?

この疑問について「8K」推しだったシャープのブースで訊いてみたところ、「今回出展している8Kディスプレイは1つひとつのパーツに至るまで特注品なので、現時点でこれを売ろうと思ったらF1マシンと同じくらいの価格になってしまう。そういう意味では、今は安心して4Kハイビジョンディスプレイを買っていいと思う」ということだった。また、あまり大きな声では言えないようだが、総務省が示した「2020年には8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで8K番組を楽しんでいる」というロードマップの実現はかなり難しいと考えている業界人は多いようだ。

実際のところ、地上波テレビ放送は「4K」にまともに対応しようとしていないし、ディスプレイの需要も、デザイナーやゲーマーなど一部の好事家たちがPC用としてようやく4Kディスプレイに買い替え始めたところで、一般家庭のリビングに4Kテレビが普及し始めたとは言いがたいのが現状だ。まずは家電メーカーとテレビ局が足並みを揃えてもらわないことには、「4K」の普及すらままならないだろう。

メガネに腕時計に指輪型まで ウェアラブルデバイス

あると便利だろうなと思われつつも、なかなか実用的な製品が出てこないウェアラブルデバイス。『Google Glass』も結局、思ったほど完成度が高くなくて、「まだ時期じゃない」と判断する開発者が多いようだ。『Apple Watch』はどうなる?

さて、今年のCEATECでもやはり、メガネ型と腕時計型、それに指輪型が出品されていた。メガネ型はAR(Augmented Reality:拡張現実)と融合した形、腕時計型は健康管理やスマホ代替の機能を持たせる形が一般的となっている。

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東芝が初出品した『東芝グラス』は、メガネのつるの部分のプロジェクターからレンズに投影した映像を反射させて見るタイプのメガネ型端末。スマホなどとUSB接続することで映像データと電源を供給する。本体自体は42gと確かに軽いのだが、USBコードを繋げるとそれほど軽さを感じるでもなく、身軽さも失われてしまうのが少々残念。機能は映像出力のみに絞っており、主に建設や医療現場、工場などでの作業支援を想定している。録画・録音や通信など様々を機能を持たせつつも結局は中途半端になってしまっている『Google Glass』に対し、この割り切りの良さが吉と出るか凶と出るか? 2015年の商品化を目指して開発中。

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眼鏡メーカーのJINSと電子部品メーカーのアルプス電気が共同開発した『JINS MEME』。コンセプトは「自分を見るアイウェア」。各種バイタルセンサーと6軸加速度センサーを内蔵し、眠気や消費カロリーなどを計測。スマホと接続することで身体の情報を可視化することができる。毎日身に付けるものだからこそ、仰々しさを感じさせない設計・実装技術はこれからのウェアラブル端末にとってより重要になってくるはずだ。

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ベンチャー企業の16Labが発表した「指輪型ウェアラブルコンピューティングデバイス」。加速度センサーと通信モジュールなどが組み込まれており、例えばクルマの鍵の機能を持たせたり、“おサイフ指輪”になったり、パソコンの画面をジェスチャー操作したりすることができるという。似たような製品としてはログバーが発表するも現在発送が遅れに遅れている『Ring』があるが、16Labはアルプス電機を始めとするトップ企業群との共同開発体制を構築し、年内に予約販売を開始、2015年には世界8カ国への出荷を目指して準備を進めているという。

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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