これからの世の中で必要な「レジリエンス」

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レジリエンス、それは「変化に対応できる力」

これからの世の中で必要な「レジリエンス」

2013年の世界経済フォーラムのダボス会議でメインテーマとして取り上げられた「レジリエンス」。日本でも安倍内閣において、様々なレジリエンスを扱った取り組みが行われていて、とても重要な概念のひとつになりつつあります。

レジリエンスには「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」といった意味があります。行政やビジネスの場では「トラブルや課題、問題に遭遇しても、それに立ち向かい、躍進する」といったような意味合いで使われます。「変化に対応できる力」といったところでしょうか。

リーマンショックを経験してしまった世界は、「グローバル化」による様々な「危機」が存在し得るということを明確に意識しはじめたことから、この「レジリエンス」が重視されることになったと考えられるようです。「危機」に負けない強さとは一体どのようなものなのでしょうか?

イソップ物語「樫の木と葦」から考える「強さ」

「強さ」と聞いて、どのようなものを想像しますか?はね返すような頑丈さであったり、傷一つ付かない強靭さを思い浮かべる人もいるでしょう。

イソップ物語に「樫の木と葦」という話があります。ある川辺に立派な樫の木が堂々と生えていました。樫の木は、風に揺らめく細い葦を見て、いつもばかにしていました「そんなに細くて大丈夫なのかい?」と。ある日のこと、大嵐がやってきて夜中中、強風が吹き荒れました。嵐が過ぎ去った朝、青空の下、葦はいつものように風に吹かれていましたが、樫の木は根っこからなぎ倒されていたのです。元気のなくなった樫の木に葦は、「太くて頑丈だからって強いわけじゃないんだよ」と言ったそうです。

樫の木の失敗は何でしょう?それは「油断」と「柔軟さの欠如」ではないでしょうか。大嵐というものが来るとは予想していなかったでしょうし、吹き荒れる風にしなることもなかったのです。

適切かつ柔軟に対応していくことで、レジリエンスは高まる

また、仏教の言葉で「諸行無常」という言葉があります。「四苦八苦」と呼ばれるように、この世は「苦」があって当たり前という前提の智慧の一つが「諸行無常」という教えです。この世のあらゆるものは変化するということです。

「なにもかもが変化する」と、知っておくということは大切です。そして、起こった物事に対して、葦や柳の如く「柔軟」に対応してゆくこと。「慢心」と「傲慢」さは樫と同じです。変化に満ちた世の中、その都度、適切かつ柔軟に対応していくことで、レジリエンスは高まってゆくのではないでしょうか。

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