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いくら英語が話せてもグローバル人材になれるわけではない

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 近年、よく耳にする「グローバル化」や「グローバリゼーション」という言葉。知恵蔵2014によるとグローバル化とは「これまで存在した国家、地域などタテ割りの境界を超え、地球が1つの単位になる変動の趨勢(すうせい)や過程」を指します。

 教育の現場だけでなく、企業でもグローバル化に対する意識は強まる一方。数年前に比べて会議で英語が飛び交う機会が多くなった、という方もいるのではないでしょうか。また、ユニクロなどを展開するファーストリティングや、楽天市場などインターネット総合サービスを提供する楽天などは、社内公用語を英語にしています。グローバルにビジネスを展開するのであれば英語を駆使しないと話にならん、ということでしょう。

 しかし、昨今の”英会話原理主義”について「大きな間違い」と話すのは、書籍『2025年の世界予測』の著者であり、エコノミストの中原圭介氏です。

「ただ英語が話せるだけで、グローバル人材になれるわけではありません。イギリスの植民地であったパキスタンやナイジェリアでは、日常会話で英語が使われているわけですが、パキスタンやナイジェリアの人たちがグローバルに活躍できているのでしょうか。日本に比べれば、経済的に貧困に窮している人が多いのが実情です」(同書より)

 たしかに、英語を話せるだけでグローバル化に順応できるのだとしたら、英語圏で暮らす人たちは、おしなべて”楽勝”であってもおかしくないものの、実際はまったくそんなことありません。同書で挙げられているパキスタンやナイジェリアなど途上国だけでなく、アメリカやイギリスなど英語圏の先進国でさえ、日本よりも失業率が高いのが実情です。

 もちろん極論であり、英語は話せないより、話せた方が間違いなく強みにはなりますが、英語を話せるようになっただけでは、グローバルで勝ち残れるわけではないということ。

 そもそも、現在のコンピューターの情報処理速度を考えると、今後は相当精度の高い翻訳機が登場する日もそう遠くないと中原さんは言います。そうすれば、誰でも英語のみならず何か国語を流暢に話すことができるかもしれません。となると、今、注力すべきことは英語をはじめ他国の言葉を学ぶことではないのではないでしょうか?

 一方、”本当のグローバル化”について中原氏は、「現地の宗教、文化、価値観、ライフスタイル、そういったものすべてをありのままに受け入れます。自分の価値観と相容れないものであっても、すべて受け入れなくてはなりません」(同書より)と語ります。

 自分の中にある価値観やライフスタイルが相手と違っていても、それらを受け入れることがグローバル化の始まりだというのです。

「そのうえで、広い視野を持って、大局的な判断をしていくことが大切です。相手を理解するだけでなく、それを認めて、さらに大きな視野を持ってビジネスに当たっていくことがグローバル社会の真髄なのです」(同書より)

 グローバル化に適応するために英語を学ばなければならない、という日本人の一般認識。しかし、実際は言葉を学ぶだけでなく、ありのままを受け入れる態勢を整える必要もあるのかもしれません。

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