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日本の航空会社によるエアバス380の運航は事実上立ち消えか!?

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スカイマークは、長距離国際線用機材として今年第4四半期から受領する予定だったエアバス380の発注をすべてキャンセルする見込みです。これにより、SKYの国際定期便進出は当面なくなる可能性が高くなりました。

東京で編集されている業界向け専門サイト『Aviation Wire』は、西久保慎一社長の言葉を借りて「シートやギャレー(厨房)といった内装面で問題があり納機が遅れると説明していたが、同様のクレームをつけていたカタールがファンボローエアショー直前に受領を保留したため、弊社もこのままでは受け取れないと判断した」と報道。

しかし、時事通信はエアバスのお膝下、フランスのパリで発行されている経済紙の記事を引用し「SKYの昨年度決算が赤字になるなど経営不振に陥っており、このまま納入を始めても購入代金(今年1月改正のカタログ価格で1機約4億1,000万ドル=410億円)を回収できなくなる恐れがあるとしてエアバス社側から白紙にした」と全く食い違う内容を伝えています。

日本トムソンロイターマーケッツはキャンセルの事実を書いたもののこちらは「SKYは今年の早い段階でキャンセルを打診していたがエアバスは応じることに消極的だった。引き渡しの延期も選択肢に入っている」とし、時事通信とは逆の立場。経済専門通信社の日本ブルームバーグも「現時点でSKYがエアバス380を購入することは不可能。あらゆる選択肢を視野に入れ補償交渉中」と報じました。

またNHKは、「アベノミクス景気下の円安ドル高で円換算した時の購入費用が膨らんだのが原因。エアバス380の購入をキャンセルして他の小型の機種に変更することも検討しており、その場合でもSKYの国際線参入は2015年以降にずれ込む」と新たな選択肢を報じてきました。

一方で日本経済新聞は、「エアバス側は裁判沙汰にしてでも損害賠償の支払いを求める腹積もり。既に支払われたデポジットの返還にも応じない構えだ」と伝えました。

会社側では、各報道機関の報道が出揃った29日朝に西久保社長名義でプレスリリースを発表、HPに掲載しました。

・西久保社長名義のプレスリリース

「エアバス380導入は当社にとって重要な事案で、交渉の途中だがお客様や株主の皆様に現状を知っていただく必要がある。当社とエアバスとの間で話し合いをしてきたが交渉は難航している。理由はエアバス側が弊社に対して他の大手航空会社の傘下に入ることを契約変更条件の一部として要求したためだ。もしこの要求を拒否してA380をキャンセルした場合エアバスは弊社に対して常識を逸脱した法外な違約金を支払えと追い打ちをかけてきた。当社の経営の主体性を揺るがすような要求は受け容れられるものではない。航空運賃に競争を持ち込むことは当社が独立系だからこそ実現できたものだ。収益が悪化しているとはいえ未だに無借金経営を保っており、先に納入済みのエアバス333でサービスを始めたグリーンシート(プレミアムエコノミークラス)は好評で搭乗率も上がっている。他社の傘下に入ることなど考えられません」

SKYでは、今年10月に最初の1機を受け取り、年末から成田~ニューヨーク(JFK)線を開設する予定にしていて、ビジネスクラス114席、プレミアムエコノミー(国内線のグリーンシートに相当)280席という座席配置も決定。エアバス380を運航している航空会社の中で最も少ない座席数が導き出す快適さを売りに他の本格航空会社と差別化する方針でした。

4月には、1機目となる予定だった機体がロールアウト(完成)し初飛行を済ませています。

NHKの報道の通りに、SKYがエアバス380をキャンセルしてエアバス330ファミリーに変更するとすれば、国内線で運航が始まったばかりのA333よりも胴体が短いエアバス332でないと成田~JFKないしはロンドン・ヒースローを直行で飛行できません。

しかし、333と332は操縦性が全く同一で、実際に両機種を共に運用している航空会社もあり、エアバス332への変更発注はSKYにとって現実性の高いものです。

エアバス350XWBファミリーでは、早い時期に納品できる製造スポットの空きがなく、日本航空への納機も2019年からと相当後です。大手リース会社の発注枠を活用したとしても2015年中の納機は厳しいとみられ、万が一今から自社発注するのであれば2020年の東京オリンピックに間に合いません。

いずれにせよ、日本の航空会社によるエアバス380の運航は事実上立ち消えになったも同然。ファンには非常に残念な決定です。

Manuscript&Photo: Traveler’s Supportasia

Post: GoTrip http://gotrip.jp

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