屍で紡ぐ大河浪漫! 『俺の屍を越えてゆけ2』ゲームレビュー
『俺の屍を越えてゆけ2』レビュー [レビュアー:せんとす]
RPG『俺の屍を越えてゆけ』はソニー・コンピュータエンタテインメントより1999年に発売されました。生後2年足らずで寿命を迎えてしまう”短命の呪い”、子を宿せなくなる”種絶の呪い”の2つの呪いを朱点童子にかけられた幼子が神々の力を借りて世代を重ね、やがて朱点童子を打倒して呪いを解く、という独創的なシステムがゲーマーの心を掴み、数多くの熱狂的なファンを生みました。それから15年の時を経て、正当な続編である『俺の屍を越えてゆけ2(以下、俺屍2)』が遂に2014年7月17日に発売されました。前作のシステムはそのままにグラフィックの進化やボリュームの増加、新キャラや新職業など多数、新要素が追加されています。
血統を綴る大河ストーリー!
個人の英雄を描いた物語は多数ありますが、一族や血統についてを主とした作品はあまり例がなく、それが俺屍シリーズの最大の特徴となっています。引き継がれる思想や技術という発想は前作発売当時のプレイヤーにも様々な影響を与えたと思われますが新規プレイヤーは勿論、前作ファンが15年後に『俺屍2』をプレイをする事で改めて考えさせられる事もあるのではないでしょうか。大げさかもしれませんが生まれてきた意味やこれから何を成すべきなのかなど、自分の人生を振り返るきっかけになるかもしれません。こう書いているという事は正に私がそうだったのですが、関東に少ない苗字だったりするのは色々あったのかなぁ……しみじみ、と感慨に耽ってしまったりもしました。
コーチングコーちん!
『俺屍2』は一族を育て、街を育てるゲームです。自分の思い通りに育成できるのは楽しいのですが、数値や項目が多く、また迷宮には時間制限があるので最初は戸惑うかもしれません。そんな時に役立ってくれるのがプレイヤーのコーチ役、その名もイタチの”コーちん”。
冒頭はコーちんに全て任せれば全て自動で設定してくれます。そして用語やその為の知識などを与えてくれるのでとても重宝します。口調は軽いですが超重要なキャラクターですね。
神々との交わり!
種絶の呪いをかけられたプレイヤー一族は子を残せなくなってしまいますが、神様と”交神の儀”を行う事で子孫を誕生させる事ができます。ただし、その為に”奉納点”を捧げねばならず、それは能力の高い神様ほど高い値が必要になります。奉納点は迷宮で鬼を討伐して集めます。鬼からは”戦勝点”や戦利品も手に入るのでそれらで一族や街を育成していくサイクルとなっています。
交神によって生まれる子には能力だけでなく、容姿も引き継がれます。ゲームを進行しやすくする為に交神相手を能力重視で選ぶのも良いですが、容姿を重視していくスタイルもある意味では硬派と言えるかもしれません。自分の子孫に獣耳つけたいとかそんな欲求も叶えれますからね。鬼の討伐にも身が入るというものです。
『俺屍』の世界!
『俺屍1』は未プレイだったのですが、プレイした色んな人からやると凄くハマるという話は聞いていて、今回実際にプレイをしてみて納得できる部分が大きかったです。人は何かを育成するのが結構好きなんだと思うのです。ゲームでキャラクターを育てたり、ペットを育てたり、それこそ貯金通帳の金額を増やしていくのも育成と言っても良いのかもしれません。育成する事で愛着も湧き、見た目や数値の変化が嬉しくて更にモチベーションがアップしていきます。そんな人間の育成本能を『俺屍』は激しく刺激してくるんです。
一族のスタートは自分の分身。そこから神様から能力と容姿を受け継いで少しずつパワーアップさせていきます。目的はボスを倒す強さを得る為ですが、気が付けば育成欲に突き動かされてプレイしているなんて事もあるのではないでしょうか。まったりこってりやれるゲームないかなぁって方にオススメのゲームです。
なお、今回は初めて『PlayStation Vita TV』を使用してプレイをしました。『PlayStation Vita』のカメラを使った機能などは使えないもののプレイには全く遜色が無かったですし、テレビの大画面でやると携帯機の液晶画面とはまた違った迫力があり、楽しめました。以上、せんとすでした。
『俺の屍を越えてゆけ2』
対応フォーマット: PlayStation Vita/ PlayStation Vita TV
ジャンル: RPG
CERO: C(15才以上対象)
プレイ人数: 1人
PSN: 対応
販売形態: PS Vitaカード版 / ダウンロード版
ダウンロード版容量:2620MB
発売日: 発売中(2014年7月17日発売)
価格: 初回限定版 希望小売価格:7800円+税
通常版 PS Vitaカード版希望小売価格:5800円+税
通常版 ダウンロード版販売価格:4800円+税
制作: 有限会社マーズ、株式会社アルファ・システム
俺の屍を越えてゆけ2 (プレイステーション オフィシャルサイト)
http://www.jp.playstation.com/scej/title/oreshika/2/
ゲーム系のレビュー記事などを書かせて頂いております。宜しくお願いいたします。
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。