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小中一貫校導入で改善?「中1ギャップ」の問題点

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「中1ギャップ」は人間関係・学習面の変化が主な原因

「中1ギャップ」という言葉があります。これは、小学生が新中学1年生になったとき、学校生活や授業の進め方が今までと全く違うため、新しい環境(学習・生活・人間関係)になじめないことから不登校となったり、いじめが急増したりするなど、様々な問題が生じる現象のことです。確かに、私の経営する塾にも「中1になったら勉強ができなくなって、部活でも悩んでいる」と相談してくる入塾生が何人もいます。

この「中1ギャップ」は、なぜ起きるのでしょうか。いくつか原因がありますが、主に人間関係・学習面の変化が挙げられます。中学生になると、小学6年生という最高学年で比較的自由に過ごしていたものが、最低学年の1年生となり、「先輩・後輩」という上下関係もはっきりとしてきます。また、かなりの割合で見知らぬ人間が同じクラスメイトになります。これは、子どもたちにとってかなりのストレスとなり、今まで優等生といわれていた生徒でも、ナーバスになることが多くあります。

また、学習面においては、ただ先生に出された宿題をやっていれば70~80点が取れていた小学生の頃とは違い、しっかりと授業を聞き、ノートをとり、ワークを何度もやりこまないと点数が取れないのが中学校の勉強です。例えば、私の塾では、学校ワークは試験3週間前までに終わらせておくことにしていますし、間違えた問題は上に紙をはって出来るまで何度でもやり直します。

入塾してきたばかりの中1の生徒にこの話をして、「こんなに勉強やらなければならないなんて、この塾の先生は何を言っているのだろう?」と呆然とされることもしょっちゅうあります。勉強に対する意識が小学校と中学校でこれほど違えば、子どもたちがとまどうのも無理はありません。

小学校と中学校が連携することで、子どもの負担を軽減

このように最近の中学生たちを悩ませている「中1ギャップ」ですが、この対応策として考え出されたのが「小中一貫校」です。小中一貫校とは、文字通り6年間の小学校と3年間の中学校という教育に連続性を持たせたもので、現在は横浜市の一部で先行実施されています。これにより、人間関係のリセットは起きず、上下関係も少しずつ身につけることができます。また、学習面でも、小学校と中学校の先生同士が頻繁に接点を持つため、学習環境の激変も起きにくいようです。

小中一貫校のデメリットは、長所の裏返しである「人間関係のリセットが行えないため、こじれると取り返しがつかない」こと。それから、設立のための手続きが非常に大変なことではないでしょうか。議論はされていますが、現行の制度では小学校と中学校はあくまで別の教育区分とされており、完全に一体化することはすぐには難しいでしょう。

個人的な意見としては、施設などを併設し、完全に一体化するのではなく、人間関係や学習面に連続性を持たせることが大切だと思います。これはすでに品川区などで実施されています。小学校と中学校の先生が連携して子どもたちに対するサポートや指導を行い、情報交換することで、少しでも子どもたちの負担を減らせるのではないでしょうか。

「中1ギャップ」という言葉はまだそれほど知られていませんが、同種の悩みを抱える子どもや保護者はたくさんいます。身近にそのような悩みを抱える人を見ているだけに、一刻も早く制度が改善されることを願っています。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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