「『プリキュア』があったからこそ今の私がある」 舞台『ひとひら』一ノ瀬野乃役・工藤真由さんインタビュー(後) [オタ女]
桐原いづみさん原作で、2007年にテレビアニメも放映された舞台『ひとひら』に一ノ瀬野乃役として出演する工藤真由さんのインタビュー。前篇では野乃をはじめとする登場人物の魅力や、舞台に込めたメッセージなどを中心にお話をお聞きしました。
「普段とは違うくどまゆを見せたい」 舞台『ひとひら』一ノ瀬野乃役・工藤真由さんインタビュー(前) – オタ女
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後編では、主題歌や声優として活躍した『プリキュア』シリーズへの想いについて語って頂いたほか、歌手としての今後の目標についてもお聞きしています。どうぞじっくりとご覧下さい。
ーー工藤さんといえば『プリキュア』シリーズで、主題歌や声優としても活躍されてきました。工藤さんにとってどのような存在なのか、改めてお伺いします。
工藤真由さん(以下・工藤):『プリキュア』は、私のすべてですね。『プリキュア』があったからこそ今の私があるし、いろいろな夢を叶えてもらいました。幼い頃にアニメを見ていた声優さんをはじめ、会いたかった人にも会えましたし。私、小さい頃は歌って踊れるアイドルになりたかったんです。『プリキュア』のおかげで、子どもたちにとってアイドル的存在になれてるのかな?と思いました。今年芸歴12年めなのですけれど、『プリキュア』があったからこそ、初心に帰れたり、純粋な気持ちになれたり、謙虚さを忘れずにいられる。だからすべてですね。
ーー会いたい人に会えた、というお話ですが、一番会えて嬉しかったのは?
工藤:もちろん三石琴乃さんです! 『セーラームーン』をずっと見ていて、しかも『スイート♪プリキュア』では三石さんがハミィ役で、私もフェアリートーン役で一緒。お仕事でも共演できたのがうれしかったですね。最初はオーラがすごくて、挨拶くらいしかできなかったのですけれど、少ししゃべれるようになって、「『セーラームーン』が好きだったんです」と話した時、やさしく「ありがとう」っておっしゃって…。もう隣にいることができるだけで嬉しかったです!
ーーそんな工藤さんにとって大きな存在だった『プリキュア』ですが、テレビシリーズは『スイート♪プリキュア』が終わって、少し距離を置くことになりました。声が出なくなったというお話もありましたが。
工藤:そうですね…。私、落ちるところまで落ちたんですよ。声が出なくなったのも、『スイプリ』の収録が終わったくらいで…。放映がはじまってから、(東日本大)震災があって、高い声がどんどん出なくなっていって。でも、負けずに歌い続けました。
ーー身体も心も弱ってしまっていた?
工藤:気持ちがすごい落ちちゃった時期もありました。音楽が聴きたくなくなったり、いろいろなことを考えてネガティブにもなったんです。でも、そこで仲間だったりはぴどりさんだったり、舞台が自分を救ってくれました。
ーー2013年に所属されていた事務所から独立しての活動をスタートしたのも、心機一転という意味合いが強いのでしょうか?
工藤:そうですね。独立をしようと思ったのも、「一番やりたいことは何か」「これからもっと成長しなければいけない」ということもある中で、やっぱり人生一度きりだし後悔したくない。自分のやりたいことをしっかりやって結果につなげたいと思って、以前所属していた事務所の方とも話し合ってみて決めました。私のテーマが”going my way”、我が道を行くということなんですけれど、これもチャレンジですね。
ーー独立を決めるにあたって、お仕事仲間の方々にもご相談されましたか?
工藤:もちろん! 『プリキュア』の歌手の方々は皆仲が良いので、五條真由美さんとうちやえゆかさんの先輩お二方にはいろいろ相談に乗って頂きました。特にうちやえさんはご自身でやっていらっしゃるので、CDの作り方から何から、いろいろ教えてもらいました。やっぱりそこも『プリキュア』なんですよね。
ーー『プリキュア』歌手として学んだことや、先輩や仲間とのつながりに助けられた、ということですね。
工藤:はい。私は「プリキュア魂」と呼んでいるんですけれど、ひとりでは出来ないということを学んだり、『プリキュア』に関わっていろいろな方とつながりができて、はじめて自信を持って「ひとりでやってみようかな」と思えたんです。
ーーそんな工藤さんが、歌うことにこだわる理由は何になるのでしょう?
工藤:私は、歌うことで皆さんに笑顔になってもらいたいんですよ。『プリキュア』の曲も歌詞も、自分が歌うことで自分も励まされて、歌のパワーってすごいな、と。私から皆さんに勇気や愛や夢を送って、元気になれる曲をもっと作っていきたいです。「プリキュア魂」があるならば「くどまゆ魂」もあるだろう、と思って!
ーー「くどまゆ魂」!
工藤:はい(笑)。私の源は笑顔で、そのパワーが広まればいいな、と。「くどまゆ魂」を、”Go My Way!”で伝えていきたい、そう思っています。
ーー今、歌うことによって、例えば先ほどお話にも出た、声が出なくなったことも含めたこれまでの工藤さんを乗せたい、というお気持ちが強いということでしょうか。
工藤:たぶん、これまでの人生の中でつらいこともたくさんあって、それを全部出せる。前を向いていれば、夢は絶対かなうと思っているので、すべてをそのまま出して…。同じくらいの年齢の方に共感してもらったり、それを聞いて「まだまだ子どもだな」と思われても構いませんし、今の自分の姿をその時その時に出せればいいと思っています。
ーー自分自身のその時の姿であったり、伝えたいことであったりを歌に乗せたい、と。
工藤:ありのままの工藤真由を知ってもらって、それが聞く人の笑顔や勇気につながることが出来れば嬉しいですね。私も歌でたくさん励まされたので、一緒のことを誰かのためにできるようになりたいです。
ーーそういった、ご自身の思いを乗せた歌手活動の延長として、もう一度アニメの主題歌をやってみたいというお気持ちもありますか?
工藤:もちろんです! 『プリキュア』だけでなく、違うアニメもやってみたいし…。だから今、声だったり、「もっと強くならなきゃ」とか、特訓中なんです。皆さんに「帰ってきた!」と思われたいです。
ーーその中でも、『プリキュア』歌手の皆さんは日本全国でライブがあったり、コンディションなどハードな面もあったのではと思うのですが。また子ども達の前で歌いたいというお気持ちは?
工藤:もちろんですよ! 子どもたちのパワーは一番すごいと思っていますし、教わったことがたくさんあって、それが「プリキュア魂」になっているんだ、と感じています。その場にいられるだけで幸せだから、子どもたちの前で歌いたいですね。
ーー「常に人前に立っていたい」というお話もありましたが、歌や芝居のほかにやってみたいことはありますか?
工藤:そうですね。エンターテイメントにやっていきたいと考えています。はぴどりさんではアクションも殺陣もやらせてもらいましたし、ミュージカルをまたやりたいです。今年はウェブTVもはじまりましたし、いろいろなところで表現力をつけたいな、と。とにかくチャレンジですね!
ーー今回、『ひとひら』のことだけでなく、『プリキュア』を一度距離をおいた時のお話や、事務所から独立したお話など、工藤さんのこれまでの3年間を振り返って頂きました。それを踏まえた上で、これから3年後に工藤さんがどんなことを実現したいのか、目標をお聞かせ頂けますでしょうか。
工藤:3年後ですか…。とりあえずキャパの大きいところでワンマンライブをやりたいですね! 3年後なら、まぁ絶対実現できる(笑)。私、下まで下がったから、もう上がっていくだけなので。またテレビでも歌いたいし、いろいろなアニソンイベントにも出たいし、先輩たちと一緒に共演したい。そういう楽しいことしかないですね。
ーーステキなお話をたくさん頂くことができて嬉しかったです。ありがとうございました!
舞台『ひとひら』概要
日程:2014年7月2日(水)~7月6日(日)全9公演
場所:ウエストエンドスタジオ
東京都中野区新井5-1-1 スタジオライフ
チケット:前売4500円 当日4800円(全席自由)
演出・脚本:鈴木茉美
制作:はっぴぃはっぴぃどりーみんぐ
協力:株式会社双葉社
舞台『ひとひら』特設サイト
http://www.hitohira2014.com/ [リンク]
工藤真由オフィシャルブログ「Going MAYU Way」
http://ameblo.jp/kudoumayu/ [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
ウェブサイト: https://note.com/parsleymood
TwitterID: ryofujii_gn
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