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日本のホワイトカラーの生産性が低いという幻想(メカAG)

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

日本のホワイトカラーの生産性が低いという幻想(メカAG)

日本の労働生産性は低い。日本の製造業の生産性は高い。ゆえに日本の非製造業の生産性が低いのだ。という理屈がまかり通ってる。これっておかしいと思うんだよね。

まず製造業の場合、できた製品は輸出入で国際競争にさらされるから、どの国の製品もだいたい同じ品質なら同じ価格になるはず。だから製造業の生産性を国同士で比較するのはそれなりに意味がある。

一方非製造業の場合、基本的に国内市場なのだから、製造業ほど国同士の比較をしても意味があるとは思えない。価格とはその国の人々が認めた価値であり、価値観はその国によって違う。

またどの国も一般に非製造業の生産性は、製造業より低い。これは生み出しているものが違うのだから、仕方ない。作っているもの価値が生産性なのだから、どんなに効率的に作ろうが、価格の低いものを作れば生産性は低くなる。

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そして日本の産業の主流が製造業から非製造業に移っているから、全体の生産性が低くなるのは当たり前。全体の生産性をどうしても高めたければ製造業の比率を増やすしかない。

非製造業を同じ産業同士で他国と比べても、たしかに日本の生産性は低い。しかしそれは国内で過当競争にさらされているから、コストダウンを迫られた結果だ。非製造業の場合、ほぼ人件費=価格なのだから、人件費を下げれば、価格が下がる。価格が下がるというのは生み出している価値が下がるということ。

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むろん高くてもみんなが求めるようなサービスをすれば生産性は上がるが、不況で過当競争の状態ではどうしても低価格競争になるだろう。生産性というのは時間あたりの生み出した価値なのだから、低価格競争をすればするほど、生産性は下がる。

いってみれば頑張ってコストダウンすればするほど生産性は下がる。生産性を上げるには怠けて商品の値段をつり上げることだ(苦笑)。ようするに生産性(とくに非製造業の生産性)は、その程度の意味しか持たない。

それをなにやら必要以上に「日本は生産性が低い。なんとかしなければ」と、数値だけ見て、まるで学校の先生がテストの成績だけみて、数値を上げろと騒ぐのはおろかしいこと。テストの点数だけ上げても幸せな国にはならない。

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生産性の比較は、同じ条件のもの同士を比較する場合にのみ価値がある。だからたとえば日本国内のA社とB社の生産性を比較することは意味があるだろう。しかし国内のX社と他国のY社の生産性を比較するのは意味がない。X社とY社は直接は競争にさらされていないからだ。条件が同じではない。

よく観光地とか行くとジュースとか食べ物が高い。高くても他に競争相手がいないから売れるわけだ。ならば観光地の生産性は高いのか?確かにデータ上は高いことになるけど、別に観光地の売店の人の方が、都会のコンビニの店員よりも優秀というわけではない。

単に地の利がよいというだけ。観光地同士、都会同士を比較しなければ意味がない。都会のコンビニ店員に「なぜおまえは観光地の売店のおばちゃんのように稼げないのか、この無能者め、もっとキリキリ働け」といったところで、困るだけだろう。馬鹿馬鹿しい。

執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年06月12日時点のものです。

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