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ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密(ニカイドウレンジ公式ブログ)

ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密(ニカイドウレンジ公式ブログ)

今回はニカイドウレンジさんのブログ『ニカイドウレンジ公式ブログ』からご寄稿いただきました。

ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密(ニカイドウレンジ公式ブログ)

先日、Twitterで漫画のイマジナリーラインについて話題になった。

「【イマジナリーライン】を超えたマンガは最悪なのか」 『togetter』
http://togetter.com/li/641095

その中で、自分もドラゴンボールのワンシーンを画像としてTwitterに投稿し、その画像を起点に色々な議論が交わされていくのを非常に興味深く読んだ。そこで思い出したんだけど、自分もドラゴンボールの左と右に関する記事を書いてる途中だった。

というわけで、話題がホットなうちに公開しようと思い急遽書き上げたのでお読みください。(書くこと多すぎて旬を過ぎた感は否めないけど、イマジナリーラインとは直接関係ない話だし、ね!)

キャラ位置が頻繁に入れ替わるのに読みやすい

まずはこの画像を見ていただきたい。自分がTwitterに投稿して議論になったドラゴンボールのワンシーン。

ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密(ニカイドウレンジ公式ブログ)

2コマ目と3コマ目で両者の位置関係が逆転していて一見混乱しそう。でも実際に読むとこの構図が一番読みやすい。ドラゴンボールは、このように前後のコマでキャラの向きが逆転することが非常に多い。でも読みやすい。それは何故か? というのが今回のお話。

左が未来で右が過去

視線の流れを図にしてみた。

ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密(ニカイドウレンジ公式ブログ)

漫画を読むとき、視線をこのように「逆Z」に動かすのが普通だ。この場合(1)から(6)の順に見ていくことになる。つまりこの番号は、読者に与える情報の順番であり、さらに言えば物語の時間軸であると言える。

【2コマ目】

読者は「(2)悟空の足払い」と「(3)チャパ王が体勢を崩す」のどちらを先に見るか? 目線の流れを考えれば右側にいる(2)の悟空を先に見るだろう。悟空が足払いをした結果チャパ王が体勢を崩すわけで、時間軸として考えたら逆はあり得ない。だから悟空が右にいる。

もし両者の配置が逆だったらどうか。「体勢を崩す→足払い」という流れになったら、読者は一瞬戸惑ってしまうのではないか。先に「体勢を崩す」を目にしたその時点では、何が起こったのか理解出来ないはずだ。

もちろん他のメディアでも時間軸逆転の演出はあるし、ドラゴンボールでもそれをやる場面はある。だけどむやみに使うのは読みづらくなるだけ。時間軸逆転を不要な場面でやらない。だから読みやすい。

【3コマ目】

では次のコマはどうか。両者の位置が逆転しているから倒置法ではないのか。いや、これも時間軸だ。

「(4)チャパ王が倒れる」が先で「(5)悟空が立ち上がる」が後。少なくとも作者はそう意図している。悟空が立ち上がるのが遅いのは余裕の表れだと自分は感じた。このときの悟空はまだ本気を出していない。

さらに言えば(6)のセリフが左端に配置されているのも「悟空が立ち上がった後に言った」という意図によるものだろう。

だから、このシーンでキャラの左右位置が逆転しているのは、高度な演出でもなんでもなく、単に「時間軸で並べた」だけなのだと自分は感じた。

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