日本で『iPad』を使うと200万円以下の罰金?

技適マーク

日本で発売されているほとんどの無線LANやBluetoothの機器には、総務省が安全を確認した「技適マーク」(技術基準適合証明)が刻印されている。うっかり技適マークがない機器を使用しているケースも少なくないと思われるが、技適マークがない機器という点では、4月上旬に北米で発売された『iPad』もそのひとつだ。

『iPad』を北米から輸入して日本で使用している人たちは多いようで、ひとりで5台も輸入した人がいるほど。しかしどこを探しても日本の技適マークの刻印や表示がなく、米アップル社が公開している『iPad Important Product Information Guide』(簡単にいえば権利や許可等の説明文)を見ても、技適マークは存在しなかった。しかし、ヨーロッパのEU加盟国の基準を満たした商品に与えられるCEマークは記載されており、ヨーロッパでは問題なく使えるようである。

『iPhone』をチェックしてみたところ、技適マークが背面に刻印されていた(設定画面にも技適マークが表示されていた)。つまり『iPhone』は問題なし。そこで頭に浮かぶのは、技適マークがないのに日本で『iPad』を使ったらどうなるの? というところ。もしかして、持ってるだけで怒られちゃうとか? 

総務省関東総合通信局にお話をうかがったところ、「海外の『iPad』は技適マークがないですよね。なので無線LANは使わないで下さい。日本でもあと1~2週間で発売されますよね?」とのこと。でもブログや『Twitter』を見てみると、結構多くの人たちが『iPad』でいろんなアプリケーションソフトをダウンロードしている。みんなやっているし、本当は使っても問題ないでしょ? 見逃してくれますよね? それに対し通信局は、「いや、使わないで下さい。電気通信事業法違反になれば200万円以下の罰金ですし、他の違反にも触れる可能性があります」とのこと。

つまり、海外の『iPad』は持っててもいいけど無線LAN、つまりWiFi機能は使っちゃいけないようである。『iPad』に技適マークがつくまでインターネット禁止! ヨーロッパのCEマークがあっても「日本の基準に沿って適合してないなら使えない」とのことで、『iPad』を日本に持ち込んでも、電源を入れたり切ったりするしか楽しむ方法はないようである。

ちなみに、X記者が日本での北米版『iPad』の使用に関して個人的にアップル社に問い合わせたところ、「『iPad』は北米向けも日本向けも同じ工場で製造しているので、『iPad』の構造はアメリカも日本も同じだと思われます。日本のサポートセンターには詳しい情報がない状態ですので、アメリカのサポートセンターに問い合わせてみるとよいかもしれません」との返答を得られたという。つまり「技適マークはないけど技術上は問題ないはず」ということらしい。

とはいえ、『iPad』で無線LAN接続をして電気通信事業法違反を指摘され、200万円以下の罰金を払う人が出てくるのかどうか微妙なところ。この『iPad』技適マーク問題に対して、多くの人たちが『Twitter』やブログで議論している。


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