「このまま働いていくと、どうなるんだろう?」 働く人に訪れる4つの季節
こんにちは。桜の季節、春の新生活がスタートした人も多いかと思います。就職、転職、転勤などの節目では「これから働いていくと、どうなるんだろう?」と気になりますよね。
季節が変わっていくように、年齢とともに社会での立場や求められる内容も変化します。大きく4つに分けて、年齢ごとに変わっていく”働く上での立場と役割””加齢による心身の能力の変化””個人生活で起きる出来事のストレス”をまとめて紹介しましょう。
新人(20~30代)
社会面
社会人として、年齢の違う上司や、違う環境からきた同僚らと協力して仕事をすることになります。職場での役割や責任に対して、「もっと自分に合った仕事があるのでは?」「こんなはずじゃなかった」という気持ちから”入社3年以内に離職”といった現象も起きます。
能力面
新しいことを吸収する力が最も高く、体力もあります。精神的に未成熟な部分が多いために、人間関係やコミュニケーションの面で問題を抱えがちです。心が折れやすい世代でもあります。
個人生活面
一人前の大人として「自立」することがテーマ。働くことを通じて、自分に何ができるかを知る時期です。「彼女と結婚しようか、どうしようか」など、異性との交際がストレスになることもあります。
中堅(30~40代)
社会面
働き盛り。第一線でバリバリ仕事をする時期です。自分の仕事をしながら部下を管理する『プレイングマネージャー』の役割も兼ねるようになります。結果、仕事の負担が増え、ストレスが多く過重労働しがちな世代です。
能力面
新しいことを覚えつつ、経験を生かすことが可能になってきます。今の職場への不満からの転職や、ヘッドハンティングなどもある時期です。仕事の能力だけでなく、違う職場での人間関係や環境に迷うことも考えられます。
個人生活面
結婚や出産、転勤、転職など、人生の転機を迎える人が多い時。家庭がうまくいっていれば仕事のストレスが癒やされますが、家庭内不和があるとかえってストレスになる…というデメリットも。”産後の職場復帰”や”待機児童問題”なども含め、自分のキャリアや家庭との両立、働き方を再検討したりする時期でもあります。
ベテラン(50~60代)
社会面
ベテラン世代として頼られる時期。本格的な管理職として、マネージメントのスキルを求められるようになります。管理職では「うまく指導・管理ができない」と悩む人も多く、新たなストレスとなります。先輩・上司としての指導的な立場と、自分の更なるスキルアップ・業績向上が課題です。
能力面
記憶力や新しいものを覚える『流動性知能』は、この世代から低下していきます。精神面では、仕事の疲れとともに、『中年期の危機』とも呼ばれる、精神的なむなしさを感じる時期と重なります。
個人生活面
家庭では子どもの進学や就職、住宅の購入、親の健康問題などが浮上してきます。体力も落ちるので、不摂生による生活習慣病やメタボなどもリアルな悩みに。女性は更年期もはじまります。家族の問題に取り組みつつ、自分自身の体調管理にも気をつけていきたい世代です。
シニア(60代以上~)
社会面
定年制度の見直しや延長に伴い、「65歳を過ぎても働く」人が増えています。専門職などで自分の仕事を極める人、再就職、起業といった新たな人生をスタートさせる人も。超高齢社会となった日本では、『生涯現役社会』を実現することが必要となってきます。
能力面
新しいことを覚える『流動性知能』は低下しますが、今までの知識や経験を生かす『結晶性知能』は発達します。若い世代へのアドバイスや相談、技術やノウハウの継承なども大切な仕事になります。
生活面
体力・反射神経・免疫力など、体の機能が低下する時期なので、病気やけがなどに注意が必要です。家庭では、子どもの結婚や孫の誕生、伴侶や親族の病気や死などの体験に伴うストレスも。自分の死も含めた、体調管理や病気との向き合い方が重要です。
『結晶性知能』は年を取っても衰えない
新しいことを覚えたり、環境に適応したりする能力を『流動性知能』、経験を生かした総合的な判断力を『結晶性知能』といいます。
流動性知能は30代をピークに60代まで維持され、その後は衰えます。一方、結晶性知能は60代に入っても上昇します。「年を取ったから新しいことができない」というわけではなく、むしろ年齢を重ねてからできる判断や理解がある、ということがわかっています。
年功序列や終身雇用制が崩れた今、どんな職業についても、先のことはわからない時代です。でも「経験を積むことは、年を取っても役に立つ力を身につけること」と思うと、困難なことも無駄ではないと思えるのではないでしょうか。春、新しい環境で戸惑う人も多いかと思いますが、体調に気をつけて、今のことに取り組んでいきましょうね!
参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト
※イラストは著者作成
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。