部下に「この仕事向いてない」と言ったらブラック企業なのか?
1月下旬、Business Media 誠に掲載された記事で、弁護士の岩沙好幸氏がブラック企業チェックリストを紹介している。30項目の中には「残業しているのに、残業代が支払われたことがない」「休憩時間がない。または取れて10分程度だ」など、明らかな違法行為が行われているもののほか
「『この仕事向いてないんじゃない?』と辞めるよう遠まわしに言われる」
という項目も挙げられている。
「間違いなくパワハラ」と言う人もいるが
解雇に相当する行為もしていないのに、自分の意思に反して退職を強要することは、不法行為とされている。裁判で損害賠償の支払いが命じられた例もある。
しかし、働く現場では「この仕事、向いてないんじゃない?」と言われるケースは、ままあるようだ。ネットには、
「上司に『仕事向いてない、大学出たのにその程度か』と言われ、ムカついてます。これはパワハラですか?」
といった相談が複数寄せられている。
回答には「間違いなくパワハラです。ICレコーダーで録音して人事部に相談してください」といったものも見られる。余裕のない上司が「お前向いてないよ」と当り散らすのは、パワハラと言ってもよさそうだ。言われた部下もやる気をなくし、仕事の効率が落ちてしまう。
一方で「全てパワハラと決めつけるとあなたの成長もないですよ」「実際、向いてない人もいるから仕方ない」という意見もある。今の仕事を始めてからも相当期間が経っているのに、一向に能力があがらない、という社員もいるのも事実だ。
「窓際族」を置いておく余裕のない中小企業が、そんな社員に上司が「君は向いてない」とハッキリ伝えるのはブラック企業といえるのか。会社はいちど採用してしまえば、その人の人生を一生面倒見なくてはならないのか。適性のない部下には、早期の転職を促した方が本人のキャリアのためになる場合もあるのではないか。
ウェブサイト: http://careerconnection.jp/biz/
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