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人を殺してはいけない?

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

人を殺してはいけない?

某プロブロガーいわく「人を殺してはいけない」のは、本能に近いものらしい。その根拠がよくわからない。人は必要がなければ人を殺さないからだという。でも、別に殺人に限らず、人間のやることはたいてい理由があるはず。必要があるから何かをするのであって、それは殺人に限らないと思うのだけどね。

動物同士が殺し合う場合、一番大きな理由は餌の摂取だろう。相手を食べる。生きていくためにはしかたのないこと。ただ共食いはあまりしない。これは、同じ種族同士だと能力が拮抗しているから、食べるためのコストが高すぎるということだろう。負けたら自分が食べられちゃうし。そんなリスクを負うよりは、自分より弱い動物を食べた方が楽。

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テリトリーの維持も理由の一つだろう。餌となる動植物を確保するために自分のテリトリーを設定し、それを侵害してくる他者を実力で排除する。人間が自分の畑や田んぼを守ろうとするのも同じですな。あとは生殖ための相手選びか。メスをめぐってオス同士が争う。

群れを作る動物は、それによって安全や餌の確保をしているから、群れの仲間同士では殺し合いはしないだろう。逆に他の群れとの争いでは戦うだろう。つまり敵を攻撃し味方を守る。

ネコがネズミをいたぶるように、他の本能(例えば狩猟本能)を満たすためというのもあるだろう。本能は細かな調整が効かないから、目的以外にもいろいろ副作用を生じる。小動物を可愛いと感じるのも母性本能の誤動作ではないかと思う。本来自分の子供や仲間に対して発揮される本能が、異種族の動物にも発動してしまう。

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本能というのは動物の基本的な行動規範で、それ以上分解できない。餌を食べたり生殖をするのは、それ自体が目的であり、なんのためかを問うのは意味がない。あえていえば種を増やすためだけどね。なぜ生物はみな種を増やすように行動するかといえば、これは逆で、種を増やすような行動をする生物が繁栄しているだけだ。

人を殺す(もしくは殺さない)というのは上述のようにまだ個々の目的に分解できる。餌を捕ったりテリトリーを守ったり、群れを維持したり群れを守ったり。

そういう意味で人間の行動規範の中で動物的な本能に近いといえば近いけれど、だからといって何か特別なものではないと思うのだよね。テリトリーの維持にしても、人間は、特に先進国の豊かな環境に生まれ育った人間は、餌を求めて草原のテリトリーを争う必要がなくなった。なので今度は経済というちょっと抽象的な空間のテリトリーを争ってるわけだ。

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人間の歴史を見れば人殺しの歴史であり、人を殺さないというのが本能だなんて、とても思えないけどね。敵の武将をたくさん殺した人間が英雄であり、偉いのだ。仲間(群れ)を守る能力がそれだけ高いのだから。それとも最近(戦後)になっって人間の本能って変わったんですかね(笑)。

古代は戦争に勝つと負けた方の女性をレイプするのは正しかった。それによって自分たちの民族の子供を産ませ、自分たちの仲間を増やす。中国やモンゴルには広く共通の遺伝子が分布しているという。それをジンギスカンによるものだと考える研究者もいる。つまりジンギスカンは征服によって自分の遺伝子を多く残したというわけだ。まあ現代人の価値観からすると、ちょっとアレだよね。

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性善説を崇拝する人は幻想に酔う傾向がある。人間の本能が正しさを求めるのだ、と。そもそも善悪なんて立場によって違うし時代によっても変わるわけで、本能というのはニュートラルなものだ。それを勝手に人間が善だ悪だと呼んでいるだけ。

そもそも本当に本能なら教育する必要ない。法律を作る必要もない。ご飯を食べたり生殖をすることは、教えなくても、あるいは法律で決めなくても、みんなやるわけで。人間は生まれながらにして、人を殺してはいけないことを知ってるというのは、どこから出てくる発想なのだろう。平和教育に毒されて脳が腐ってるんじゃ(笑)。

自分の時代、自分の価値観こそ正しい証明を自然(生物の本能)に求めようとする。傲慢だと思うね。神学論争にも通じるかもしれない。「神は全能なはずなのに、なぜ世界は苦痛に満ちているのか」を一生懸命合理的に説明しようと努力する。でも「そもそも神はいないんじゃね?」とさかのぼることはしない。とにかく「神はいる」という前提からスタートするのだ(笑)。こういう議論も「人間は生まれながらにして善である」という前提からスタートするんだよね。願望を証明するための不毛な議論。普通に考えれば、善でも悪でもないだろう。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年09月09日時点のものです。

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記者:

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