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「物」を作るということ

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

「物」を作るということ

「enchantMOONの製造はなぜ遅れているのか」 2013年06月16日 『UEI shi3zの日記』
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20130616/1371356641

ためになる記事だ。最近グローバル化の世界ではWebで発注すれば、人件費の安い国から、なんの問題もなく期日通り期待したクオリティで成果物が納品されてくる、みたいな脳天気な「夢」を語っている人は、こういうのを読んでほしいものだ。

ソフトウェアにバグがあるように、ハードウェアにも設計ミスとか原因不明の誤動作とかある。で、そういうのが起きると量産の工程に進めるわけにはいかないから、止まってしまう。しかし工場としては、その間設備や作業員を遊ばせておくわけにはいかないから、工場は工場なりになんとか苦心して他の製品の製造のスケジュールを入れることになる。

で、そうなるとようやく問題が解決して、いざ量産してもらおうとしても、もうすでに手配してもらっていた期間はなくなってしまったのだから、また順番を待たなければならない。

   *   *   *

しかもハードウェアはいろんなパーツの集合体だから、一部の工程が遅れると、玉突き式にどんどん上記のようなことが起きていくわけですな。ソフト開発の場合は良くも悪くもダラダラと連続的に続くわけだけど、ハードウェアの量産は遅れがリニアじゃない。1日遅れたために再び順番待ちのために、開始が1ヶ月後の遅れになってしまったりする。

ソフト開発もテスト(人海戦術でやるような大規模なもの)などを外部に委託してる場合は、同じように相手の会社のスケジュールがあるから、期日に遅れてしまうと、後回しになってしまうけどね。

自分たちにはなんの落ち度もなくても、なぜか供給されるはずの部品が供給されず遅れる。で、まあそういうリスクを避けるためには、やっぱ「長年の信頼関係」が必要になってくる。

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上記の記事にもあるけど、使ってる部品が生産中止になりそうとか、作ってる会社が倒産してなくなっちゃったとか、倒産しないまでも買収されて方針が変わったとか困る。予め買っておくにしても、あまり大量に買い込んだら、それを維持しておくだけでえらいコストだし。

そうなると大企業とかは部品を傘下の子会社に作らせるのが一番安心ということになるのだろう。潰れそうになったら親会社がいろんな形で支援する。良くも悪くも運命共同体。昨今はこういう形態をあまり深く考えずにイメージだけで「時代遅れ」とかいう人が多いけど、そうなってるのはそれなりの理由があるわけで。

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オープンだグローバル化だフラットだとかいう人は、物事の良い面しか見てない。すべてうまく行くケースを想定し、「ほら、こんなにすばらしい」と言ってるだけ。常にうまくいくケースなら誰も苦労しないだろう。

どこで読んだか忘れてしまったが、素人が新しい登山靴を選んでる時、玄人は雨具の点検をしている、みたいな話があった。素人は最良のケースを想定して行動し、玄人は最悪のケースを想定して行動する、と。

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enchantMOONについては、まあみんな気長に待ってくれるんじゃ(笑)。見事出荷にこぎつけた瞬間の喜びはひとしおだろうし。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年06月25日時点のものです。

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